医学部受験に対応できる基礎学力

基礎学力は医学部受験のためのベースになる力であるにも関わらず、基礎学力が足りているかをチェックする方法がないのが医学部受験勉強における大きな問題だと、和田秀樹先生は言います。第8回目は和田秀樹先生の独自の基礎学力チェックの方法も踏まえてお話いただきました。

第8章．意外にわからない絶対基礎学力の不足

今回も前回に引き続き、医学部受験の共通学力や、基礎学力の話をしていく。

とくに基礎学力の場合は、それがないと一生懸命勉強しても成績が上がらないわけだから、確実につけていかないといけないのだが、おそらく、多くの受験生は、自分の基礎学力に問題があるということに気づかずに勉強している。

というのは、たとえば、模擬試験や中間・期末の試験を受けても、自分の学力が足りないことはわかっても、自分が小学校や中学校のレベルで躓いているということがわからないからだ。

わざわざ、中学レベルの学力をチェックしてくれるとか、とくに小学校レベルの計算力がないなどということを調べてくれるようなテストを高校生になってすることはまずない。

あるいは、実際に問題の意味や英語の訳文の意味がわかっているかどうかという形で、読解力のチェックを受けることもめったにないだろう。

実は、私は、志望大学別の大学受験勉強法の通信教育（緑鐵受験指導ゼミナール　http://www.ryokutetsu.net/）を２０年以上やってきているのだが、志望校別に受験計画の作成を代行するということ以上に、自分では発明と思っているのは、スタートレベル判定テストというものである。

受講を開始する学年にもよるが、基礎学力のチェックも確実に行う。英語なら英語で大学受験生や医学部受験生のクラスであっても、中学英語の学力チェックを行うし、数学に関しては、小学校の計算力も見るようにしている。

そして、そういうところに穴があるようなら、中学受験用の計算問題集や『くもんの中学英文法』のように、わかりやすくて、中学レベルの復習がきちんとできる問題集や参考書を宿題に出す。

ここがクリアできないとまともな受験勉強に入れないからだ。

現実に、この手の勉強をやらせることで、その後の学力の伸びが違う。

さらに今後は読解力の基礎学力つくりにも力を入れていくつもりだ。

この手のスタートレベル判定テストを受けなくても、自分の学力の伸びが思わしくない場合は、中学受験用の計算問題集や高校の入試問題などとやって、自分の基礎学力に問題点がないかをきちんと調べることをぜひお勧めしたい。