センター試験を現状の学力チェックに使う

『医学部合格への道』第16回目は、医学部受験の神様、和田秀樹先生に高校２年生、１年生に向けてセンター試験を現状の学力を測るのに活用するべきというお話をしていただきました。

第16章．センター試験が終わった時点で、本格的な受験生になる

さて、本年度もついにセンター試験が終わってしまった。

今回は、この後の対策以上に、今年の高校２年生、１年生の人に向けたアドバイスを送りたい。

センター試験の場合は、各新聞で問題も正答も公表される。

これによって、受験生は自己採点をして、出願校を決めたりするし、ほかの試験と違って、この解答は絶対なもの（たとえば、東大や早稲田などの入試のあとで、各予備校が配る解答集は意外に間違いが多いことが知られている）の上、マークシート方式なので、採点も確実なものとなる。

このメリットを、とくに高校２年生の人に活かしてほしいのだ。

要するに、今何点取れるかをチェックしてみてほしいということだ。

実際、高校２年生が終わった時点で、通常は、数学はセンターの範囲は終えているはずだし、英語もおおむねセンター範囲までは習い終わっているはずだ。これは進度の速い進学校ではなおのことだろう。

だとすると、英語や数学、国語のような主要科目の仕上がり具合をみるのにはセンター試験というのはかなり役立つツールということになる。

ここで、何ができて、何ができないか？覚えていないことにはどんなことがあるか？

などを把握すれば、これからの勉強の方向性が定まっていくことだろう。場合によっては基礎からやり直さないといけないこともわかるはずだ。

理科や社会についても、まだやっていないとしても、これまで中間試験や期末試験の対策で勉強してきたことがどのくらい残っているのをみることはできるだろう。

要するに受験勉強が仮に完成していなかったとしても、今現時点で何点取れるのかを知ることは重要な意味がある。

目標点を８５％におくなら、この１年間に２００点上げればいいという発想ができる。（人によって、それが５０点という場合も３００点という場合もあるだろう）

それを埋めていけばいいという発想で勉強するほうが偏差値に一喜一憂しているよりはるかに建設的だ。これは実は、それなりの進学校の高校１年生にも使える発想だ。

センター試験で、受験モードが本格化している今こそ、高校２年生以下もセンター試験を通じて、本格的な受験勉強をスタートさせてほしい。