自由英作文の対策

医学部受験の英作文対策として、大学によっては対策が必須なのが自由英作文という出題形式です。

今回、第41回は、医学部受験の神様、和田秀樹先生より、前回に引き続き、医学部受験のための英作文対策についてお話をいただきました。

第41章．自由英作文という難敵

前回、医学部英作文についての基本対策を述べた。

さて、その中で、新たなトレンドとなっているものがある。

それは自由英作文と言われるものだ。

絵を見せて、その状況について英語で説明しろとか、英語で問いかけられて、それについて英文で答えろとかいう類のものである。

英作文もそうだが、帰国子女のように英語慣れをしている人に有利なタイプの問題だ（逆に英語を日本語にするような問題は意外に帰国子女は弱い）。

英語的なセンスを問うということなのだろう。これ自体は、医学部の受験英語のトレンドとは私は思っていない。

実際、単科の医学部より、総合大学の医学部の入試で出される傾向がある。

東京大学の理科Ⅲ類では（というか、東大の入試全体でなのだが）、ずいぶん昔から出題されていたし、北海道大学、岡山大学、千葉大学など多くの国立大学で出題されている。

北海道大学のように英作文は自由英作文しか出ない大学もあるし、岡山大学のように自由英作文と旧来型の和文英訳のような問題が出る大学もある。

帰国子女に有利と言ったが、そうでない受験生にとって、基本的に自由英作文の対策というのは、英語にしやすい日本語を作ることである。

問いにある絵をみたり、問いかけを受けた際に、いろいろな答えはあり得るだろう。その中で、いちばん自分の知っている英文が使えるもの、自分の知っている英文に近いものを選ぶのが賢明だ。

問いかけの意味が理解できていないとか、あまりに頓珍漢な答えでない限り、英文が正確なほうが減点の対象にならないからだ。

そういう点では、問題に慣れておくことと、前回論じたようになるべく多くの英文を覚えておけば、そこそこ点がとれるし、逆に問題になれていなかったり（つまり旧来型の和文英訳の対策しかしていない場合など）、英文をあまり覚えていないと点が取りにくい。

ただし、千葉大のように、空所補充型の自由英作文が出る大学では、むしろ語彙や文法力が問われることもある。

自由英作文が出題されるかどうかも含め、過去問をみて、どんな問題が出ているのを確認するのが、医学部受験英作文対策の必須条件なのだ。