ベストな睡眠時間を知る

医学部の受験では勉強の難易度が高く、勉強にはとても集中力が求めらます。

その際、鍵を握ってくるのが睡眠です。第23回はベストな睡眠時間について、医学部受験の神様、和田秀樹先生お話いただきました。

第23章．ベストの睡眠時間は？

早寝、早起きというが、大学受験生の場合、どのくらいの睡眠を取ればいいのかということを、私が精神科医のためか、よく聞かれる。

実は、ベストの睡眠時間というのは意外に個人差がある。

アインシュタインは１０時間以上の睡眠をとっていたとされるし、ナポレオンは３時間、エジソンは４時間だったという（もちろん、真偽のほどは確かではないが、アインシュタインが長時間睡眠で、エジソンやナポレオンが短時間だったのは確かなことだろう）。

私は、受験生であれ、まだ中学生くらいの人でも受験を意識している人であれ、自分のベストの睡眠時間を、春休みなどを利用して、知っておくのが賢明だと思っている。

１週間くらいかけて、５時間、５時間半、６時間、６時間半．．．という風に目覚ましをかけて、どの日が翌日いちばん調子がいいか見てみるわけだ。

もちろん、勝手に目が覚めて、ある一定以上の時間は眠れないというのがわかれば、それも参考になるだろう。

自分の睡眠時間だけでなく、何時に寝て何時に起きると調子がいいかも知っておくといい。

実際、体内時計というのは複雑なようで、同じ６時間寝ていても、それが体内時計にあっていれば、熟睡感も得られるし、翌日の調子がいいが、そうでなければ、あまり眠れないとか、翌日、調子が悪いということもあるようだ。

だとすると、自分が何時に寝るといちばん調子がいいのかをつかむのも大切だ。

これも実験しないとわからないことだ。

こうして、何時から何時間眠ればいちばん調子がよく、脳がよく働くかをつかんでおけば、これからの勉強の効率が大きく違うはずだ。

まず睡眠から脳にいい受験生活をプロデュースしていきたい。

そのためには、まず自分で試してみないとわからないことも知っておいてほしいし、今、実験に時間をかけても、それが、これからの１年なり、２年の価値をずっと高めることは知っておいて損はない。