医学部合格への道
医学部合格に向けたゴール設定を的確に行い、過去問を有効活用する(医学部合格への道/第1回)

的確なゴールを設定する方法

『医学部合格への道』第1章.過去問を有効に活用する

今回から全78回で医学部受験の神様と呼ばれる和田秀樹先生による『医学部合格への道』を開講します。

医学部合格への道(第1回目)は、難関である医学部へ最短で合格するためにはどのようにゴールを設定すれば良いのか?

受験の神様と呼ばれている和田秀樹先生にその方法と、過去問を有効に活用する方法をお話していただきました。

第1章.過去問を有効に活用する

医学部受験というのは、確かに難関と言っていい。9000人程度の合格の枠に、12万人以上の受験者数ということを考えても気が遠くなるような受験と言っていい。

偏差値のほうもウナギ登りのようだ。

とある医系予備校が調べたところ愛知医大という大学の1985年当時の偏差値は37.5だったらしい。それが現在では65になっているということだ。

今では、授業料や初年度納付金が高い代わりに、入るのは楽という医学部は皆無になっていて、最低でも早慶の理系レベルの学力が必要とされる。

そこで、発想の転換が必要だと私は考えている。

要するに偏差値を上げることを、勉強の目標にするのでなく、志望校の合格者の最低点を目標とするのである。

たとえば、国公立医学部の最難関校の一つである東京医科歯科大学医学部の2014年の偏差値は、代ゼミで71、駿台と河井塾で70となっている。

東京大学の理科Ⅰ類の偏差値が同じとしで、代ゼミ69、河井塾67.5、駿台69だから、東大に入るのより難しいことがわかる。

この医科歯科大学医学部の合格者の最低点は、センター試験180点満点、二次試験360点満点で、合計540点中、360点から375点程度になっている。つまり、380点取れば合格できるということだ。

センター試験で9割弱、180点満点のうち、160点をとれれば、二次試験は220点とればいいことになる。

たとえば、英語に自信があって、120点満点中85点は取れるというのであれば、数学と理科で合計135点が目標点になる。数学が多少苦手でも、理科で頑張れば合格が見えてくる。

逆に英語が苦手だが、理数は得意というのなら、理数で165点を目標にすれば、英語は120点満点で55点取れればいいという話になる。

現在、高2以上の受験生(高2生の場合、今買っておかないと、来年の春には売りきれている可能性もある)は、まず赤本を買って合格者の最低点を調べて、自分ならどういう形で合格者の最低点が取れるかを考えて、そのクリアを目標にしたい。

プロフィール
和田秀樹

和田秀樹

1960年生まれ。東京大学医学部卒業後、現在国際医療福祉大学院教授を含め川崎幸病院精神科顧問や一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長など幅広く活躍中。

書籍では「受験は要領」がベストセラーとなり、医学部合格セミナーを全国で展開し「和田メソッド」を提唱、医学部受験の神様と呼ばれている。また、自身では和田塾緑鐡舎塾長も務め毎年無名校から多くの合格者を輩出している。

目次(※随時更新中)
  1. 第1章.過去問を有効に活用する
  2. 第2章.過去問を使って、どの科目に重点をおくかを考える
  3. 第3章.過去問を使って、その学校に的を絞った対策を行う
  4. 第4章.過去問を使って、志望校を決める
  5. 第5章.医学部受験の共通学力とは
  6. 第6章.医学部受験のための絶対基礎学力とは
  7. 第7章.絶対基礎学力としての読解力
  8. 第8章.意外にわからない絶対基礎学力の不足
  9. 第9章.受験直前に伸びる受験学力
  10. 第10章.本番戦術が合否を決める
  11. 第11章.信じるものが救われる本番に向かう精神力
  12. 第12章.意外に難しいケアレスミス対策
  13. 第13章.ミスらん力で合格を勝ち取る
  14. 第14章.センター本番で最善の力を出すには
  15. 第15章.センター本番で最善の力を出すには(その2)
  16. 第16章.センター試験が終わった時点で、本格的な受験生になる
  17. 第17章.個別性に注目して、最後の逆転にかける
  18. 第18章.過去問の最終利用法(※編集中)
  19. 第19章.受験当日の生活術
  20. 第20章.受験のスタート術
  21. 第21章.受験生と高校生の違いとは?
  22. 第22章.記憶力をどう高めるか?(※編集中)
  23. 第23章.ベストの睡眠時間は?
  24. 第24章.食事の意味
  25. 第25章.時間の家計簿をつける
  26. 第26章.休息の意味
  27. 第27章.和田式受験勉強法とは
  28. 第28章.まず志望校を選ぶ
  29. 第29章.志望校の選び方
  30. 第30章.私立専願という選択肢
  31. 第31章.スタートレベルを知る
  32. 第32章.現実的な受験計画を立てる
  33. 第33章.受験計画が具体的なものにならない人のために
  34. 第34章.一日、一週間、一カ月の計画をどう立てるか?
  35. 第35章.受験勉強の暗記と思考のバランス
  36. 第36章.和田式暗記数学とは
  37. 第37章.和田式暗記数学とは(その2)
  38. 第38章.和田式医学部受験英語攻略法
  39. 第39章.医学部受験対策にこそ和田式受験英語勉強法
  40. 第40章.医学部受験と英作文
  41. 第41章.自由英作文という難敵
  42. 第42章.医学部国語対策の基本戦術
  43. 第43章.医学部理科対策の基本戦術
  44. 第44章.過去問から逆算する医学部理科対策
  45. 第45章.単科の医学部は、とくに過去問対策が重要
  46. 第46章.単科の医学部の生物対策
  47. 第47章.医学部入試面接は落とすためのもの
  48. 第48章.どんな受験生が面接で落とされるのか?
  49. 第49章.医学への興味や関心を示す
  50. 第50章.医学小論文対策の基本
  51. 第51章.小論文そのものの対策の基本
  52. 第52章.小論文の最大のトレーニングは添削
  53. 第53章.模試をどう利用するか
  54. 第54章.模試によって次回以降の戦術を立てる
  55. 第55章.模試の成績を気にしすぎない
  56. 第56章.最高の模試は、自分の志望校の入試問題だ
  57. 第57章.あと何点取れれば受かるという発想をもつ
  58. 第58章.改めて志望校を決める
  59. 第59章.主要科目の見切り時
  60. 第60章.浪人のための得点術
  61. 第61章.朝の5分の計算の意味
  62. 第62章.直前期に脳の働きを高める
  63. 第63章.直前期に思い切り勉強する
  64. 第64章.直前期の生活術
  65. 第65章.直前期の休み方
  66. 第66章.センター直前はシミュレーションが明暗をきめる
  67. 第67章.ミスの事前対策を行う
  68. 第68章.これからが本格的な受験生になる
  69. 第69章.高2生もこれからが本格的な受験生になる
  70. 第70章.受験直前でもまだ伸びる
  71. 第71章.受験本番に強くなる法(その1)
  72. 第72章.受験本番に強くなる法(その2)
  73. 第73章.受験本番が終わったら
  74. 第74章.受験がうまくいかなかったら
  75. 第75章.2020年入試改革の傾向と対策(その1)
  76. 第76章.2020年入試改革の傾向と対策(その2)
  77. 第77章.2020年入試改革の傾向と対策(その3)
  78. 第78章.2020年入試改革の傾向と対策(その4)