事前にセンター試験のミス対策を行う

医学部受験では1点が致命傷となってしまう。そこで重要になってくるのが、いかにケアレスミスをせずに問題を解けるかだ。

今回は、数々の生徒を医学部合格に導いてきた受験アドバイザー、和田秀樹先生にセンター本番のミス対策についてお話頂きました。

第67章．ミスの事前対策を行う

いよいよセンター直前である。

先週は過去問でシミュレーションをした上で、さらにやるべき勉強の課題を見つけろという話をしたが、もう一つ、センター対策や本番の入試対策で大切なのはミス対策である。

医学部受験は一点を争うところがあるので、ミスは致命傷になりかねない。

実際には具体的な対策としては、落ち着いてしっかり問題文を読めとか、何回もしっかり見直せとか、気をつけろというレベルのものになってしまう。

しかし、緊張感が高い受験の場では、誰もが気をつけているだろう。

また、何度も見直せというが、センター試験にしても、時間が足りないというのが当たり前のようになっている。これで見直しの時間を取れというのが無理な話だ。

それに対して、私は「ミスらん力」をつけろという形で、事前対策の重要性を強調している。

たとえば、過去に何回もセンター試験の模試を受けたのなら、自分がこれまでどんなミスをしたのかを見返すことで、今度はこんなミスをしないようにしようと心がけることができるだろう。

あるいは、どうすればこんなミスをしないようになるのかを考えることもできる。

そういうことを事前に頭において受験することで、少なくとも、それをしないよりミスは減る。

過去問で自分のミスはわかったが、どう対策していいのかわからないという人に勧めたいのが、拙著『ケアレスミスをなくす５０の方法』（ブックマン社）という本である。

これは、私の主宰する緑鐵受験指導ゼミナールのスタッフに、受験生がやりそうなミスのパターンを５０個集めさせて、それぞれに対策を打ち出した本だ。

たとえば、条件式を見落とすというミスのパターンに対して、問題を解く前に条件を解答欄の下に書いておき、解き終わってから条件式と照らし合わせて、合うものだけを解答欄に書いて、あとは条件のほうは消しゴムで消すというような対策を載せておいた。

本来は、ミス対策については、習慣化しておいたほうがいいが、直前期に一通り見ておくだけでも、ある程度、自分なりのミス対策ができるはずだと信じている。