面接試験に向けた準備

前回に引き続き、今回も医学部入試の面接対策の話になります。

今回は、この面接対策の最低限の準備の方法を医学部受験の神様、和田秀樹先生にお聞きしました。

筆記試験に通って、面接に落ちてしまったということにならないように、準備はしっかりとしておきましょう。

第49章．医学への興味や関心を示す

前回、一般論としては、医学への興味や関心がない人間が、医学部の入試面接で落とされるという話をした。

では、それをどうやって「客観的に」判断するのだろうか？

前にも述べたが「君は医学にちゃんと興味や関心があるの？」とか「患者さんを診るのは好きですか？」というようなストレートな質問はまずあり得ない。

だとすると、たとえば、iPS細胞で山中教授がノーベル賞を取った際などに、「iPS細胞が医学に実際に応用されるようになれば医学がどう変わると思う」みたいなことを、個人面接で、あるいは、集団面接で聞かれるということは十分にあり得る。

あるいは、「着床前診断について、あなたは、個人的にどう考えますか？」というのもあり得るだろう。

こういう問題は、実は医師の間でも意見が分かれているし、また、iPS後の医学については、医者でもきちんと予想がついていない人が多い。

医学部の教授たちにしても、一人一人考えが違うだろうし、専門分化した教授たちにとっては、専門外なのでよくわからないという人も少なくないはずだ。

しかし、ここで答えにつっかえて、iPS細胞と言われても何のことかわからない、着床前診断と言っても何のことかわからないというのでは話は別だ。

各々が一時期、相当新聞紙上などを騒がせた話題である。

確かに、受験勉強が忙しいのはわかるが、それにすら目を通していないというのなら、「あなたは本当に医者になりたいの？」と言われても仕方がない。

今の医学部の入試面接の建前は、勉強ばかりできて、あるいは、偏差値がたまたま高かっただけで、医学にあまり関心のないのに医学部を受ける学生を排除するということだ。

忙しくても、医学に関心があるなら、新聞の医学関係の記事とか、テレビの医学関係のニュースとか、あるいは、そういう番組がＮＨＫスペシャルでとか放送されたら、見るような受験生でなければ、医学部に入れないという方針なのだ。

だとすると、その対策となると、新聞の医学関係の記事くらいは読んでおく。

時事問題のキーワード集みたいなものの、医学関係の用語だけは目を通しておく、ときどきＮＨＫスペシャルなどで医学関係の特集があれば見ておくということになる。

そんなに時間が取れないのなら、親が代わりにチェックして、それを必要なものだけ子どもに読ませるという作戦も重要だ。

とにかく、医学に興味や関心をもっているように「見える」程度には知識をもっておきたい。