2020年度以降の入試改革について

2020年度の入試からは大きな改革が行われ、特にセンター試験の廃止というのは受験勉強にも大きく影響してくる話である。

少し先の話ではあるが、これに該当する受験生に向けて、医学部受験の神様こと和田秀樹先生に、主な改革点についてお話し頂きました。

第75章．２０２０年入試改革の傾向と対策（その１）

さて、本年度の医学部入試も終わり、このコラムを読む人の多くは、来年度以降の受験生ということになっているだろう。

受験生になってからの心構え（早めに志望校を絞り込めなど）は、昨年のバックナンバーを閲覧できると思うので、今回からしばらくもっと先の受験生に対して、今のうちに知っておいてほしい話をしていきたい。

それは、２０２０年度入試から（２０２１年春施行の入試、つまり、現在の中一＝新中二生からが受験する入学試験）始まる入試改革の話である。

２０１４年の１２月に中央教育審議会が、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という答申を出すことで、この全貌がおおむね明らかになった。

この中で、いちばん注目を集めているのが、現行のセンター試験が廃止され、それに代わる新たなテストが導入されるということだ。

新しく導入されるテストは二種類あり、一つは「高等学校基礎礎学力テスト（仮称）」、もう一つは「大学入試希望者学力評価テスト（仮称）」ということになっている。

前者のほうは、現在の高校卒業程度認定試験（昔の大検試験）に近い位置づけになりそうなので、医学部を受ける受験生にとって、センター試験の代わりになるのは、後者ということになる。

いろいろな形で改革がなされることになっているが、受験生にとってのいちばんの関心事は、どんな点がこれまでと違うのかということだろう。

これまでにない主な改変点は以下の４つである。

• 素点ではない段階別評価
• 「合教科・科目型」「総合型」の問題の導入
• 一部記述式の導入
• 複数回受験が可能

ただし、２０１６年１月の審議会で、複数回受験は当面見送りとされた。逆にいうと、ほかの点については、改革がなされるのは、ほぼ確定という状況である。

次回は、その具体的対策を述べてみたい。