ケアレスミスをなくすには？

ケアレスミスをなくすにはどうしたらいいのか？

第13回目は、前回に引き続きケアレスミスをなくす方法について和田秀樹先生にお話いただきました。

第13章．ミスらん力で合格を勝ち取る

前回、ケアレスミス対策が、一点を争う医学部受験には大切だが、それが意外に難しいという話をした。今回は、その対策を提言してみたい。

要するに、本番での集中力や見直し力のようにあてにならないものを期待するより、やれる限りの事前のミス対策を行うべきだということだ。

まず一番大切なことは、これまでやらかしたミスを二度としないということだ。

これまで受けた模試などをなるべく全部チェックしてみて、計算ミスが多い場合は、その練習を本番までにすべきだし、設問の読み間違いなどが多ければ、それがないようにチェックするなどということだ。

ミスは誰でもすることだが、一度したミスを二度としないようにするのが、失敗学という失敗の対処法でも鉄則になっている。失敗は成功のもとだが、失敗から学べない人間は同じ失敗を繰り返してしまうのだ。

次に大事なことは、人がよくやるミスを自分はやらないように対策をしておくことだ。

実は、拙著に『ケアレスミスをなくす５０の方法』（ブックマン社）という本がある。

これは、私の主宰する緑鐵受験指導ゼミナールのスタッフに、受験生がやりそうなミスのパターンを５０個集めさせて、それぞれに対策を打ち出した本だ。

たとえば、条件式を見落とすというミスのパターンに対して、問題を解く前に条件を解答欄の下に書いておき、解き終わってから条件式と照らし合わせて、合うものだけを解答欄に書いて、あとは条件のほうは消しゴムで消すというようなものだ。

このような習慣を試験前につけておくだけで、本番でのミスが格段に減るはずだ。

もちろん、これは受験の直前に読む価値があると信じるが、それ以上に、高校２年生、１年生から習慣にしておくと、模試などでも高得点が望める。

あと、センター試験を前にして意外に大切なのは四則計算力だ。

センター数学で満点を目指すだけでなく、化学や生物の計算問題でも計算が速く正確にできるほうが圧倒的に有利だ。

計算力に自信がない人は、中学受験用の計算問題をセンター試験までは１日１５分程度やっておくと、ミスも減るうえに計算も速くなる。

私はこの手のミスをしない能力をミスらん力と読んでいる。これを身に着けて合格を手元に引き寄せてほしい。