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現役国立大学医学生に聞いた本音医学部ランキング2023

現役国立大学医学生に聞いた本音医学部ランキング2023

こんにちは、医学部受験サポーターのむぎなべです。 医学部受験を考えている人の多くが志望校に悩むもの。 受験する医学部を検討する際、さまざまなランキングを見ているのではないでしょうか。 しかしそのほとんどが、偏差値ランキン

こんにちは、医学部受験サポーターのむぎなべです。

医学部受験を考えている人の多くが志望校に悩むもの。

受験する医学部を検討する際、さまざまなランキングを見ているのではないでしょうか。

しかしそのほとんどが、偏差値ランキングや学費ランキングといったものではないでしょうか。

今回は、現役医学部生の筆者だからこそ知る医学部事情を背景に、他では見られないユニークな観点から医学部ランキングしていこうと思います。

2023年医学部注目度大学

2023年医学部注目度大学

まず初めに、現役医学部生の筆者が選ぶ、全国医学部注目度ランキングをご紹介します。

  1. 東京医科歯科大学
  2. 自治医科大学

東京医科歯科大学医学部医学科

1つ目の注目度が高い医学部は東京医科歯科大学です。

東京都の湯島にキャンパスがあるので非常に便利です。

東京医科歯科大学は2022年度より「指定国立大学法人」に認定されました。

これは世界のトップ国立大学と競い、先進的な人材を育成している教育、研究機関が指定されるもので、東京医科歯科大学は医療系単科大学としては唯一登録されています

人気、偏差値的にもかなり高く、まさしく日本の医療界の次世代のリーダーとなりうる学生が在籍している大学です。

実際、東京医科歯科大学はかなり充実したカリキュラムを提供しています。

1年次から3年次までの英語の授業があるほか、研究者志望の学生のためのプログラム、問題解決型の授業といったように世界で通用する学生を育てるための授業が多いです。

海外の医学部とも提携しているので留学に興味がある学生には特におすすめです。

自治医科大学医学部医学科

自治医科大学はへき地などの地域医療の確保をするために設立された私立大学です。

しかしながら、ただの私立大学ではありません。

この大学はすべての都道府県において2~3名ずつが選抜されており、その全員に対して修学資金が貸与されます

そのため、学生は授業料などの負担が一切ありません。

全国の医学部の中でもトップクラスに実質的な学費が安い大学といえるでしょう。

学生生活も非常に特徴的です。

自治医科大学は全寮制となっており、同級生と過ごす時間は非常に長いです。

運動施設も揃っており、課外活動も本気で楽しめることができる大学です。

そして自治医科大学の一番の特徴としては高い国家試験合格率にあります。

1978年から2023年までの間において医師国家試験の合格率全国トップの回数が21回という驚くべき記録を誇っています。

学閥の強い医学部トップ5

学閥の強い医学部トップ5
医学部というと、『白い巨塔』のイメージのために、出身大学による格差が大きいと思う人が。

しかし実際にはすでにそのような考え方は古いとされています。

現に、新型コロナ対策で活躍された臨床の先生方の多くは東大や京大といった旧帝大とは別の大学出身でした。

それでもやはり、各大学の影響力というのは実在するもの。

大学卒業後、研修医となってからももちろん実力で評価されるものですが、やはり面接など書面上では出身大学による「格付け」による序列が無意識にされてしまいます。

そこでここでは、「学閥」として、附属病院での人事に自大学出身者を優遇する傾向の多い大学をご紹介します。

あくまで附属病院での人事であり、決して「排他的」ではありません

  1. 東京大学、京都大学
  2. 慶應義塾大学、名古屋大学、大阪大学
  3. 千葉大学、金沢大学、日本医科大学
  4. 東北大学、慈恵会医科大学
  5. 九州大学、北海道大学

やはり歴史の古い、国公立の旧帝大に学閥の強さが見てとれます。

教授レベルにもなると、その大学のシステムや歴史を知り、他講座の教授陣とも渡りあえる人材が求められ、自ずと出身大学者ばかりとなってしまうのではないでしょうか。

留年率トップ5

留年率トップ5
実は、毎年の国家試験後に厚生労働省が発表するデータから、各大学の受験生のうち、入学から6年ちょうどで受験した人が何人いたかがわかります。

すなわち、その年のストレート卒業率がわかるのです。

医学部といえば、学ぶ科目もとても多く、実は留年が珍しくありません。

というのも、医学部は単位のほとんどが必修で、試験の不合格は落第すなわち留年となってしまうのです。

せっかく医学部に来たのに留年を繰り返しては、医師になる夢が遠ざかります。

私立医学部となると留年するだけ学費もかかるため、毎回の試験に確実に合格していくことが大切。

ここではまず、2022年第116回医師国試受験生の中で、留年率が高かった医学部ランキングのトップ5をご紹介します。

順位 大学 留年率
1 川崎医科大学 35.5%
2 杏林大学 32.5%
3 福岡大学 31.8%
4 愛知医科大学 28.2%
5 横浜市立大学 26.7%

上位4校は私立医学部で、5位の横浜市立大学のみが公立大学となっています。

留年率が高い大学にある程度共通して言えることとしては、医学部の中でも比較的入りやすいとされている大学であるということです。

入試難易度が低い分、6年間ストレートに進級することができる学生の割合も低いのかもしれません。

一方、横浜市立大学医学部は入試難易度が高いにも関わらず留年率が高くなってしまっています。

在学生の口コミなどによると、横浜市立大学は2年→3年への進級が非常に厳しく、そのためにストレートに進級する学生の割合が少ないのだと思われます。

進級しやすい医学部トップ10

進級しやすい医学部トップ10
次は先ほどの留年率ランキングとは反対に、進級しやすい医学部ランキングを紹介したいと思います。

順位 大学名 ストレート卒業率
1 順天堂大学 97.7%
2 名古屋大学 95.6%
3 東京慈恵会医科大学 95.5%
4 鹿児島大学 94.9%
4 神戸大学 94.9%
6 浜松医科大学 94.2%
7 東京女子医科大学 93.8%
8 筑波大学 93.7%
9 東北医科薬科大学 93.0%
10 自治医科大学 92.7%

こちらが進級しやすい医学部ランキングトップ10になります。

上位に位置する大学はやはり国公立、私立問わず偏差値が高い大学が多い傾向にあります

優秀な学生が多い大学は厳しくしなくても自主的に勉強するため、進級も緩いのではないかと思います。

とはいえ、進級が緩い大学の中でも落ちやすい科目と落ちにくい科目があるのでどうしても留年したくない方は先輩などに落ちやすい科目などを聞いておき、その科目は特に重点的に勉強しておくといいでしょう。

なお、この数字はあくまでも6年間で卒業した学生の割合となっています。

学生が自主的に休学して語学留学などに行った場合も数字上は留年とカウントされてしまうので、ストレート卒業率が低いからといって必ずしも進級が厳しいというわけではないです

【過去5年平均】国家試験合格率ランキング

国家試験合格率ランキング
次に過去5年間での国家試験の合格率についてランキング形式で紹介していきます。

順位 大学名 過去5年間
国家試験
合格率
1 自治医科大学 99.6%
2 国際医療福祉大学 99.2%
3 順天堂大学 97.8%
3 東北医科薬科大学 97.8%
5 横浜市立大学 97.3%
6 東京医科歯科大学 97.0%
7 筑波大学 96.2%
8 東京慈恵会医科大学 96.1%
9 兵庫医科大学 96.0%
9 浜松医科大学 96.0%

こちらが国家試験の合格率ランキングです。

なお、国際医療福祉大学は1年分、東北医科薬科大学は2年分のみのデータとなっています

自治医科大学は冒頭の注目大学でも取り上げましたが、かなり合格率が高いですね。

毎年のように合格率は100%を記録しており、国家試験合格率に関しては全医学部の中でも文句なしのトップクラスです。

そのほか、国際医療福祉大学や東北医科薬科大学のように新設校もランクインしていますね。

新設校は教育に力を入れる傾向にあるので、そのためではないのでしょうか。

大学生活の比較ランキング

大学生活の比較ランキング
今度は、医学部に入学後の大学生活でランキングに。

高校とは違い、医学部は6年間と長く、確かに学ぶことも大事ですが、その使命を果たすためにも適度な息抜きはとても重要。

日々追われる勉強生活にメンタルがやられる医学部生も珍しくないので、キャンパスの周辺環境は非常に重要です。

とはいえ、キャンパス周辺に都会さを求めるか、のどかさを求めるかは人それぞれ。

そこでここでは、都会度ランキングとのどかさランキングを別にトップ5でご紹介します。

なお、ランキング作成には筆者が各医学部を訪問した印象や全国医学部生からの口コミを中心に作成しました。

都会度ランキング

医学部生も大学生。

最寄駅におしゃれなカフェがあるかなどは充実度に大きく関わります。

また、周辺に他学部や他大学があることも交友関係が広まり大きな刺激に。

立地が良ければ楽しいこともそれだけ近くに多いですが、留年の危機も表裏一体。

強い自制心が必要です。

都会度ランキング上位はこの5大学。

  1. 東京医科歯科大学、順天堂大学
  2. 大阪公立大学(旧:大阪市立大学)、大阪医科薬科大学
  3. 北海道大学、慶應大学
  4. 九州大学、久留米大学
  5. 東大、日本医科大

なお、関東に位置する私立大学の多くは、立地が好条件であることが多く、ランク付には苦戦を要しました。

一概に、関東の私立であれば多くの人が都会度が高いと感じることでしょう。

のどかさランキング

医学部生が求めるのは立地の良さだけではありません。

人によっては、のどかな町で集中して勉学に励みたい人もいます。

実際、筆者もどちらかというどこかな町にある医学部生ですが、自然豊かな環境はそれだけで心の癒しになります

買い物やお出かけには車を使えば不便ではない医学部がほとんどです。

のどかさランキング上位はこの5大学。

  1. 琉球大学
  2. 富山大学、自治医科大学
  3. 福井大学、宮崎大学、藤田医科大学
  4. 高知大学、旭川医科大学、愛知医科大学
  5. 香川大学、福島大学、大分大学

私立大学は受験生を誘致するためにも、ある程度立地条件の良い場所に立てるため、のどかな私立医学部は少ないのが現状。

逆に、地方の国公立大学では市街地から車で30分近く離れることも珍しくありません。のどかさを求めるなら国公立医学部、都会さを求めるのなら私立医学部と一般的には言えるでしょう。

なお、医学部によっては学年ごとにキャンパスが違う場合もあります。

気になる方は入学前にしっかり調べておくことをおすすめします。

教育環境ランキング

教育環境ランキング
医学部は医師となる人材を育成するための教育機関です。

優秀な医師の養成には、変革期にある「医学教育の改革」進捗度、さまざまな手技の練習場であるシミュレーションルームの充実度などが必要。

さらには、国際化する社会に対応するためにも、海外での臨床実習や世界からの評価・評判も考慮する必要が。

ここでは、上記の内容を踏まえた教育環境ランキングを作成しました。

  1. 東京医科歯科大学
  2. 東京大学、慶應義塾大学
  3. 京都大学、順天堂大学
  4. 大阪大学
  5. 国際医療福祉大学

上位には毎年、世界規模の英語論文雑誌に掲載するレベルの研究を発表する名門校がランク。

特に、東大、京大、阪大といったように旧帝大は強いですね。

一方私立医学部でランクインしたのが順天堂大学、慶應義塾大学、国際医療福祉大学です。

国際医療福祉大学はその名の通り、教育環境そのものが国際性を強く意識した大学であり、日本トップクラスの英語力を兼ね備えた医学部生が集っています。

実際に、柔軟な変革やシミュレーションルームの拡充、海外大学との連携などには潤沢な大学運用資産が必要不可欠であり、名門校ほどその実現が可能だと推測されます。

【最新情報】受験おすすめ医学部トップ5

最後に、ここまでのさまざまなランキングを踏まえて、筆者が2023年度受験生におすすめする医学部を国公立医学部・私立医学部別にランキングトップ5をご紹介します。

国公立

【1位】東京医科歯科大学

1位は東京医科歯科大学です。

人気、入試難易度は日本トップクラスですが、国家試験合格率、教育環境の充実度など様々な面において日本トップクラスです。

立地的にも都内にあるため、非常に充実した学生生活を送ることができるのではないかと思います。

特に卒後東京都内で働きたい方にはおすすめの大学となっています。

【2位】横浜市立大学

2位は横浜市立大学です。

横浜という東京にも負けないほどの好立地にあり、非常に便利です。

留年率も国公立大学の中では比較的高い方ではあるのですが、裏を返せばそれだけ勉強に集中しなけらばならない環境にあるということができるでしょう。

厳しい環境で研鑽を積みたい方におすすめの大学です。

【3位】琉球大学

3位は琉球大学です。

沖縄県唯一の医学部となっており、非常にのどかな環境で勉強することができます。

琉球大学の特徴としては熱帯医学という独自の科目を開設している点にあります。

離島実習などもあり、琉球大学でしか学べない内容が数多くあります。

入試難易度も比較的低いのもおすすめポイントですね。

【4位】名古屋大学

4位は名古屋大学です。

旧帝国大学の1つであり、入試難易度はかなり高いです。

しかし、進級率では全国2位となっており、比較的ゆとりのある学生生活を送ることができるのではないかと思います

立地的にも名古屋という都会にあるため、遊ぶ場所には事欠かないでしょう。

楽しい学生生活を送りたい方におすすめです。

【5位】東京大学

5位は東京大学です。

誰もが知る日本最難関の大学であり、特に研究面では日本トップクラスとなっています。

東京大学の特徴としては進振り制度というものがあることですね。

これは1,2年生の成績をもとに3年生以降の学ぶ学科を選ぶことができるという制度ですね。

この制度を活用することで、大学に入ってから医学以外の分野を学びたくなったとしても入試なしで医学部以外の学科に進むことができます。

私立

【1位】自治医科大学

私立医学部の1位は自治医科大学です。

学費は実質無料であり、教育にもかなり力を入れています。

全寮制で学生同士のつながりも強く、一生ものの友人ができることでしょう。

注意点として、自治医科大学では卒業後一定期間へき地で勤務することが義務づけられています。

へき地医療にあまり興味がない方はやめておいた方がいいでしょう

【2位】順天堂大学

私立医学部の2位は順天堂大学です。

私立医学部の新御三家と呼ばれる名門医学部であり、入試難易度はかなり高いです。

順天堂大学の特徴は1年生のみ千葉のキャンパスで寮生活を送る点にあります。

医学部の学生だけでなく、スポーツ健康科学部の学生とも共同生活を送るので交友関係がかなり広がると思います。

【3位】藤田医科大学

私立医学部の3位は藤田医科大学です。

教育に力を入れていることで有名な大学であり、教育環境はかなりそろっています。

附属病院の病床数が日本トップクラスと多く、病院実習で行った際には様々な症例を経験することができるでしょう

入試難易度的には私立医学部の中間程であり、コスパの面で優れていると言えるでしょう。

【4位】国際医療福祉大学

国際医療福祉大学医学部は2017年に設立された歴史の浅い大学です。

この大学は特に国際交流という点において力を入れており、学生の7人に1人は留学生という他の大学には無いような環境になっています。

英語で授業が行われるなど、大学独自の取り組みも多く、海外留学を視野に入れている学生には特におすすめです。

【5位】東京慈恵会医科大学

5位は東京慈恵会医科大学です。

順天堂大学と同じく私立医学部御三家と呼ばれる大学であり、倍率、難易度は高いです。

進級率からもわかるように自由な校風で有名であり、課外活動や研究活動など各々の興味のあることに没頭することができます。

歴史ある大学でOBの数も多く、実習先などでも目をかけてもらえることも多いかと思います。

まとめ〜医学部受験での志望校決め〜

ここまで、筆者のさまざまな視点から全国の医学部をランキングしてきました。

多くの医学部受験生が志望校決めのためにネットを検索しても偏差値や学費のランキングだらけのなか、この記事がみなさんの参考になれると光栄です。

なお、河合塾や駿台といった人気大手予備校ではより詳細なデータ・情報を収集していることがあるので、本科生であればぜひ活用して見てください。

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