医学部は留年が多い?進級が厳しい大学や単位を落とす学生の特徴

医学部医学科は留年する学生が多く、大学によっては6年間ストレート卒業が非常に難しいところもあります。

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医学部は留年が多い?進級が厳しい大学や単位を落とす学生の特徴

医学部医学科では、深刻な医師不足解消を目的に2008年度から入学定員数の増加が続きました。これにともない医学部を志望する受験生も増えましたが、医学部は必修科目をひとつ落とすだけでも留年になるなど、進級判定が他学部と比べ厳しい実情があります。こうした医学部特有の環境に馴染めず、留年・退学してしまう学生も少なくありません。

この記事では、6年制大学医学部医学科の留年について、医学部の進級が厳しい理由や留年しやすい学生の特徴をご紹介します。また、国公立・私立大学のストレート卒業率を用いて、医学部によって進級判定の厳しさは異なるのか解説していきます。

医学部を志望する受験生は知っておくべき内容となっていますので、ぜひ参考になさってください。

【目次】

留年とは?

そもそも留年とは、進級や卒業するための要件を満たさなかった学生がもう一度同じ学年をやり直すことをいいます。

進級や卒業をするには、各大学が定める必要単位数をとっておかなければなりません。単位がとれていない学生は進級・卒業が認められないため留年となり、次年度も同じ学年をやり直して単位を取得する必要があります。

留年になる理由は「単位」

進級もしくは卒業できず留年になってしまう理由は次のとおりです。

1. 進級・卒業に必要な単位数が取得できなかったから

大学では、学生自身が受講する授業を選ぶ「履修登録」を学期の初めに行います。

履修登録の際には、進級・卒業に必要な単位数を考えながら授業を組み合わせていく必要があります。

単位を取得するための条件は授業によって異なりますが、出席率やテスト、レポートの成績で判断されるのが一般的です。

進級・卒業のための必要単位数が取れなければ、留年となってしまいます。

2. 必修科目の単位を落としてしまったから

必修科目とは、必ず履修し単位を取得しなければならない科目です。

必修科目の単位を落としてしまった場合は、卒業するまでに再履修して単位を取得する必要があります。

医学部の場合、ひとつでも必修科目を落としてしまうと留年に大きく近づくため、他学部と比べ進級のハードルは高いといえるでしょう。

留年するとその分学費の負担が増える

6年制の医学部の場合、ストレートで卒業しても6年分の学費が必要です。

留年するとその分余計にお金がかかるため、経済的な負担がさらに大きくなってしまいます。

特に私立大学の医学部では、国公立大学よりも高額な学費が設定されています。

留年した分の学費が支払えないという事態にならないよう、必要単位数や必修科目の取得は常に意識しなければなりません。

何回留年すると退学になるのか

大学に在籍できる年数は、一般的に在籍期間の2倍までとなっています。6年制の医学部では最長12年まで在籍可能なため、最大6回までは留年できるいうことです。

ただし、大学によっては留年回数の規定を設けている場合があります

規定を超えると退学になってしまうため、志望する医学部の最長在籍期間や留年条件などは必ず確認しておきましょう。

退学と放校の違い

何度も留年したら医学部に在籍できなくなってしまいます。

この場合、退学や放校という言葉が使われますが、それぞれどんな意味になるのか確認していきましょう。

退学には自主退学と懲戒退学の2種類があり、放校(放学)は後者に該当します。

  • 【自主退学】学生が自分の意思で医学部を退学すること
  • 【懲戒退学】犯罪・非行・過度な留年など学生に非がある理由で大学側が強制的に退学させること

つまり、留年を重ねた場合は懲戒退学に該当し、復学することができなくなる医学部も多いです。

医学部の進級が厳しい理由

医学部には「医師国家試験に合格する」という明確な目標があり、医師として有すべき知識や技能を6年かけて学んでいきます。医学部で留年が多いのは、進級するための判定が他学部よりも厳しいからだと考えられます。

医学部の進級が厳しい具体的な理由は次のとおりです。

専門科目の難易度が高い

医学部では、1〜4年生で基礎医学や臨床医学を学び、5・6年生で臨床実習に臨むカリキュラムが組まれています。

また、臨床実習前教育として、1・2年生から早期体験実習も行います。

この医学部のカリキュラムで特に留年しやすいのは、難易度が高く複数の医学科目を学ぶ「基礎医学」です。

基礎医学では、解剖学、分子生物学、生化学、生理学などの医学科目を学んでいきます。

どの科目も覚えるべき項目が膨大で範囲も広く、実習をこなしながら勉強に励むには相当な努力が必要です。

さらに、ひとつでも必修科目を落とすと留年になるという緊張感とも戦わなければなりません。

医師は人の命を預かる職業のため

医学部で勉強するカリキュラムは、医師として必要な知識が技能を身につけるためのものです。

人の命を預かる「医師」という職業柄、医学部の進級判定が厳しくなるのは当然でしょう。

また、近年は医学部の入学定員数が増えたことで、医学を学ぶ志や強い目的意識といった医師を目指すうえで必要な要素を持たない学生が現れているという声もあります。

こうしたミスマッチをなくすためにも、医学部では進級判定を厳しくする必要があるのです。

医師国家試験合格率に影響するため

医師国家試験とは、「臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能」を確認するための試験です。

医学部生にとっては、6年間の学びの集大成ともいえます。

医学部生が医師国家試験を受験するには、医学部を卒業見込みであることが条件です。

つまり、医学部の卒業試験に合格しなければ医師国家試験を受けることはできません。

簡単に卒業させてしまっては医師国家試験の合格率に影響するため、進級判定を厳しくしているのです。

医学部によって進級判定の厳しさは違う?

医学部を設置する大学は全国に数多くありますが、進級判定の厳しさは各大学によって異なります。

以下の表は、国公立大学・私立大学医学部の最低修業年限での卒業率をまとめたものです(令和2年度)。

一度も留年することなく6年ストレートで卒業した医学部生の割合は、大学によって大きく差があることがわかりました。

国立大学の場合(2020年度)

大学名 最低修業年限での卒業率
北海道大学 86.6%
旭川医科大学 84.0%
弘前大学 83.5%
東北大学 88.1%
秋田大学 90.6%
山形大学 82.4%
筑波大学 83.3%
群馬大学 77.2%
千葉大学 89.5%
東京大学 92.0%
東京医科歯科大学 85.2%
新潟大学 82.0%
富山大学 91.0%
金沢大学 89.7%
福井大学 83.5%
山梨大学 75.2%
信州大学 81.7%
岐阜大学 88.8%
浜松医科大学 94.2%
名古屋大学 95.7%
三重大学 96.0%
滋賀医科大学 76.1%
京都大学 91.0%
大阪大学 85.2%
神戸大学 92.3%
鳥取大学 78.2%
島根大学 67.9%
岡山大学 80.0%
広島大学 87.5%
山口大学 83.8%
徳島大学 72.8%
香川大学 85.1%
愛媛大学 99.0%
高知大学 76.5%
九州大学 86.6%
佐賀大学 86.8%
長崎大学 86.0%
熊本大学 79.3%
大分大学 100.0%
宮崎大学 80.0%
鹿児島大学 91.5%
琉球大学 78.6%
国立大学 平均 85.2%

国立大学で最も卒業率が高かったのは大分大学(100%)で、入学したすべての医学部生がストレートで大学を卒業しています。

一方、最も低かったのは島根大学(67.9%)でした。

全体的に偏差値の高い医学部ほどストレート卒業率が高い傾向がありますが、大分大学(100%)や愛媛大学(99%)は特別偏差値が高いわけではありません

志望校を検討する際は、各大学の卒業率も参考にすることをおすすめします。

公立大学の場合(2020年度)

大学名 最低修業年限での卒業率
札幌医科大学 92.7%
福島県立医科大学 90.0%
横浜市立大学 85.6%
名古屋市立大学 90.5%
京都府立医科大学 85.0%
大阪市立大学 81.1%
奈良県立医科大学 79.3%
和歌山県立医科大学 97.6%
公立大学平均 87.5%

公立大学で最も卒業率が高かったのは和歌山県立医科大学(97.6%)で、最も低かったのは奈良県立医科大学(79.3%)でした。

公立大学全体の平均は87.5%と、国立大学の平均(85.2%)よりも高いのが特徴的です。

私立大学の場合(2020年度)

大学名 最低修業年限での卒業率
岩手医科大学 74.6%
自治医科大学 92.7%
獨協医科大学 91.7%
埼玉医科大学 78.1%
杏林大学 68.4%
慶應義塾大学 90.3%
順天堂大学 96.1%
昭和大学 83.1%
帝京大学 65.0%
東京医科大学 79.2%
東京慈恵会医科大学 90.1%
東京女子医科大学 92.0%
東邦大学 100.0%
日本大学 68.5%
日本医科大学 77.2%
北里大学 83.3%
聖マリアンナ医科大学 75.7%
東海大学 76.5%
金沢医科大学 84.3%
愛知医科大学 77.4%
藤田医科大学 83.6%
大阪医科大学 81.8%
関西医科大学 80.4%
近畿大学 74.5%
兵庫医科大学 80.7%
川崎医科大学 65.8%
久留米大学 90.4%
産業医科大学 81.0%
福岡大学 74.5%
私立大学平均 81.1%

私立大学で最も卒業率が高かったのは東邦大学(100%)で、最も低かったのは帝京大学(65%)でした。

私立大学の平均は81.1%で、国公立大学と比べると卒業率に幅があることがわかります。

私立大学が国公立大学よりも卒業率が低い理由は、医学部入学時の難易度が影響していると考えられます。

国公立大学は全体的に偏差値が高く、共通テスト(旧センター試験)と個別試験両方に合格する必要がありますが、私立大学では個別試験のみ実施する大学がほとんどです。

国公立大学と私立大学では少なからず学力差があるため、卒業率にも違いが出ているのではないでしょうか。

引用:文部科学省 『令和2年度 医学部医学科⼊学状況』https://www.mext.go.jp/content/20200904-mxt_igaku-100001063-2.pdf

医学部で留年しやすい学生の特徴や共通点

医学部で留年しやすい学生には、次のような特徴や共通点があります。

大学生活を満喫し過ぎて勉強を怠る

まずは、これまでの環境とガラリと変わった大学生活を満喫し、医学部の勉強を怠って留年してしまうパターンです。

遊びではなくても、体育会系の部活や医療系サークル、アルバイトなどに熱中し過ぎてしまい、結果的に勉強が疎かになるケースも考えられます。

難関の医学部受験を突破した医学部生にとって、大学生活を満喫したいという気持ちは特に強いかもしれません。

しかし、勉強を怠って留年してしまっては元も子もないため、うまく両立できるように心がける必要があります。

医学部入学が最終ゴールになってしまった学生

他学部と比べ、医学部受験を突破するには相当な勉強量が必要です。

そのため、医学部への入学で燃え尽き、目標を見失って留年してしまうパターンもあります。

「医師になる」ではなく、いつの間にか「医学部に入学する」が最終ゴールとなっているのです。

医学部は、入学してからも常に勉強が必要な環境です。

医師を目指す強い志やモチベーションがなければ、まわりについていけず途中で勉強を諦めてしまい、留年する可能性は高くなるでしょう。

医学部を志望するなら、大学入学後の勉強や実習についていけるかという点もしっかり考えておく必要があります。

交友関係があまりない学生も注意

医学部では、交友関係が少ない学生も留年の危機に陥る可能性があります。

医学部の試験では過去問題の情報が重要となるため、こうした情報を共有できる友人がいなければ不利になってしまうからです。

医学部内で交友関係を築いていれば、試験に出やすい問題や効率的な勉強方法などを互いに情報交換できます。

留年を避けるにはまわりとの情報共有が非常に重要になってくるため、交友関係は大切にすべきでしょう。

留年リスクよりも合格できる大学を優先すること

留年が怖いからと合格できる可能性が高い医学部を回避した志望校の選び方はおすすめできません。

何故かと言うと、そもそも医学部に入学できなければ、医師になる可能性さえ見い出せないからです。

まずは医学部に合格することを最優先に考え、入学の選択肢が複数ある場合は留年の厳しさを進学する際の参考材料にすることをおすすめします。

留年する学生が多いと評判の医学部に入学したからと言って、必ず留年するとは限りません

大学側も故意に大量の留年者を出しているのではなく、入学した時期やテストの難易度によって進級率は大きく異なってきます。

また、進級が厳しい医学部に入学した場合は、留年リスクが高いということを最初から覚悟して大学生活を送ることが可能です

上記で紹介した留年しやすい学生の特徴に該当しないよう注意し、日ごろから勉強する習慣をつけておけば、6年ストレート卒業も実現できます。

超難関入試の医学部を合格した人なら勉強生活には慣れているはずです。

医学部に入学後も継続してそのままの生活を送ると良いでしょう。

まとめ

医学部の入学定員数は年々増加していますが、留年する医学部生も多いのが実情です。

医学部生に留年が多い理由としては、必須科目をひとつ落とすだけで留年になるなど、医学部特有の進級判定の厳しさが挙げられます。

しかし、一度も留年することなくストレートで医学部を卒業した人数の割合は、大学によって大きく異なります。

進級判定の厳しさを判断するポイントにもなるため、志望大学の卒業率はチェックしておくことをおすすめします。

そして、進級が厳しい医学部に入学してしまった場合は、日々の学生生活から留年しやすいという危機感を持って日ごろから必死になって勉強する姿勢が大切です。

医学部医学科は合格するまでがゴールではなく、医師になった後も勉強の日々が継続するので、楽しいキャンパスライフよりも留年を回避し、医師として活躍する将来を優先して勉学に励みましょう。

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