医学部合格への道
国語の対策方法(医学部合格への道/第42回)

国語の対策

『医学部合格への道』第42章.医学部国語対策の基本戦術

医学部受験における国語の対策方法。

今回、第42回目は、医学部受験の国語対策のお話です。

今回も医学部受験の神様、和田秀樹先生より、具体的な対策方法についてお話いただきました。

第42章.医学部国語対策の基本戦術

さて、数学、英語の対策を論じたところで、医学部受験国語の話をしてみたい。

私自身、受験生時代、国語は非常に苦手だった。

東大オープンという東大の入試問題と傾向と配点を合わせた模試があったが、それで80点満点で12点しか取れないこともあった

このときには、開き直って、東大の場合は、漢字が毎年4点出るし、東大の漢文はある程度問題集をやっておけば15点くらいは取れるとされていたので、それに特化した対策を行った。

目標点は20点だった。残りは数学と理科で点を取るという算段だった。

ただ、私は不幸なことに共通一次試験の第一期生だった。

こちらのほうは、東大理Ⅲの足きり点が1000点満点(当時は理系でも社会科を2科目受けないといけなかった)で930点とか言われていたので、国語も170点くらいはとらないといけない。

とにかく、練習量を重ねて、五肢択一問題に慣れるようにした。

共通一次であれ、センター試験であれ、解答を新聞で公表する以上、いちゃもんをつけられるような見解がわかれる問題は出題されない。

苦手の現代国語でも、慣れてくると出題者の意図やひっかけ問題が読めるようになり、「この答え以外はない」というのが掴めるようになってきた。

東大オープンの点は相変わらず悲惨だったが、共通一次の本番では一九〇点くらい取れたと記憶している。

ということで、センター国語については、今でも必勝法は、古文と漢文は基礎的な問題集を何か一つ完成させ、その後はひたすらセンター試験の過去問を解くこと

現国については、最初からどんどんセンター試験の過去問を解くことだと信じている。

国立大学の場合は、二次試験で国語が出る大学もある。

ただ、現代国語については、昔と比べて、詩の解釈のような問題が減り、論理的な文章を読ませる問題が増えている。

こういう問題は、定評があり、わかりやすい国語の読解参考書(出口や船口のものなど)をやったうえで、実際の入試問題に数多く当たるとある程度はとれるようになる。

それでもダメなときの究極の国語対策は、国語の出題されない大学を受けることだ。
私立の場合は原則的に入試で国語が出ないし、国公立の二次でも国語のないところが今では大半になった。

国語の受験対策は、「やらない」「問題集を数多く当たる」が王道なのだ。

プロフィール
和田秀樹

和田秀樹

1960年生まれ。東京大学医学部卒業後、現在国際医療福祉大学院教授を含め川崎幸病院精神科顧問や一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長など幅広く活躍中。

書籍では「受験は要領」がベストセラーとなり、医学部合格セミナーを全国で展開し「和田メソッド」を提唱、医学部受験の神様と呼ばれている。また、自身では和田塾緑鐡舎塾長も務め毎年無名校から多くの合格者を輩出している。

目次(※随時更新中)
  1. 第1章.過去問を有効に活用する
  2. 第2章.過去問を使って、どの科目に重点をおくかを考える
  3. 第3章.過去問を使って、その学校に的を絞った対策を行う
  4. 第4章.過去問を使って、志望校を決める
  5. 第5章.医学部受験の共通学力とは
  6. 第6章.医学部受験のための絶対基礎学力とは
  7. 第7章.絶対基礎学力としての読解力
  8. 第8章.意外にわからない絶対基礎学力の不足
  9. 第9章.受験直前に伸びる受験学力
  10. 第10章.本番戦術が合否を決める
  11. 第11章.信じるものが救われる本番に向かう精神力
  12. 第12章.意外に難しいケアレスミス対策
  13. 第13章.ミスらん力で合格を勝ち取る
  14. 第14章.センター本番で最善の力を出すには
  15. 第15章.センター本番で最善の力を出すには(その2)
  16. 第16章.センター試験が終わった時点で、本格的な受験生になる
  17. 第17章.個別性に注目して、最後の逆転にかける
  18. 第18章.過去問の最終利用法(※編集中)
  19. 第19章.受験当日の生活術
  20. 第20章.受験のスタート術
  21. 第21章.受験生と高校生の違いとは?
  22. 第22章.記憶力をどう高めるか?(※編集中)
  23. 第23章.ベストの睡眠時間は?
  24. 第24章.食事の意味
  25. 第25章.時間の家計簿をつける
  26. 第26章.休息の意味
  27. 第27章.和田式受験勉強法とは
  28. 第28章.まず志望校を選ぶ
  29. 第29章.志望校の選び方
  30. 第30章.私立専願という選択肢
  31. 第31章.スタートレベルを知る
  32. 第32章.現実的な受験計画を立てる
  33. 第33章.受験計画が具体的なものにならない人のために
  34. 第34章.一日、一週間、一カ月の計画をどう立てるか?
  35. 第35章.受験勉強の暗記と思考のバランス
  36. 第36章.和田式暗記数学とは
  37. 第37章.和田式暗記数学とは(その2)
  38. 第38章.和田式医学部受験英語攻略法
  39. 第39章.医学部受験対策にこそ和田式受験英語勉強法
  40. 第40章.医学部受験と英作文
  41. 第41章.自由英作文という難敵
  42. 第42章.医学部国語対策の基本戦術
  43. 第43章.医学部理科対策の基本戦術
  44. 第44章.過去問から逆算する医学部理科対策
  45. 第45章.単科の医学部は、とくに過去問対策が重要
  46. 第46章.単科の医学部の生物対策
  47. 第47章.医学部入試面接は落とすためのもの
  48. 第48章.どんな受験生が面接で落とされるのか?
  49. 第49章.医学への興味や関心を示す
  50. 第50章.医学小論文対策の基本
  51. 第51章.小論文そのものの対策の基本
  52. 第52章.小論文の最大のトレーニングは添削
  53. 第53章.模試をどう利用するか
  54. 第54章.模試によって次回以降の戦術を立てる
  55. 第55章.模試の成績を気にしすぎない
  56. 第56章.最高の模試は、自分の志望校の入試問題だ
  57. 第57章.あと何点取れれば受かるという発想をもつ
  58. 第58章.改めて志望校を決める
  59. 第59章.主要科目の見切り時
  60. 第60章.浪人のための得点術
  61. 第61章.朝の5分の計算の意味
  62. 第62章.直前期に脳の働きを高める
  63. 第63章.直前期に思い切り勉強する
  64. 第64章.直前期の生活術
  65. 第65章.直前期の休み方
  66. 第66章.センター直前はシミュレーションが明暗をきめる
  67. 第67章.ミスの事前対策を行う
  68. 第68章.これからが本格的な受験生になる
  69. 第69章.高2生もこれからが本格的な受験生になる
  70. 第70章.受験直前でもまだ伸びる
  71. 第71章.受験本番に強くなる法(その1)
  72. 第72章.受験本番に強くなる法(その2)
  73. 第73章.受験本番が終わったら
  74. 第74章.受験がうまくいかなかったら
  75. 第75章.2020年入試改革の傾向と対策(その1)
  76. 第76章.2020年入試改革の傾向と対策(その2)
  77. 第77章.2020年入試改革の傾向と対策(その3)
  78. 第78章.2020年入試改革の傾向と対策(その4)