模試の活用方法

医学部受験までには模試を何度も受けることになります。

この模試をどのように活用するかで合格への可能性が大きく変わってくるので、模試は受験において非常に重要なパートです。

模試のおすすめの利用方法について今回も医学部受験の神様、和田秀樹先生に詳しくお聞きしました。

第53章．模試をどう利用するか

秋というと模試が花盛りの時期である。

模試の結果で、偏差値が出され、それにしたがって志望校への合格可能性というものが算定される。そこで多くの受験生は、模試で少しでもいい点を取ろうと頑張るし、勉強もする。

受験生の模試の利用法としてはおおむね二つあるだろう。

一つは、受験のための予行演習、あるいは力試しのため。

二つ目は、自分の仕上がり状況の確認や、どういうミスをするか、時間配分はどうかなどのチェックのため。

おそらく、多くの受験生は、一つ目の利用法でとどまっているのではないだろうか？

確かに模試を受けたことがない人が受験本番に臨めば、場の雰囲気にのまれてしまいやすいし、答案用紙の書き方にさえ慣れていないことはあるだろう。

センター型の模試の場合は、もちろん、マークシートの解答用紙付きの問題集も出ているので、自宅で予行演習はできないことはないが、やはり、試験会場で予行演習を何回かやっておくに越したことはない。

しかし、その結果を気にし過ぎるのも、また模試の弊害でもある。

そこで偏差値や合格可能性はわかるわけだが、次回以降説明するように、それが志望校の入試でどのくらいあてになるのかは実は考えないといけないことだ。

もう一つ、検討しなければいけないのは、今後、どのくらい学力が上がるのかという読みである。

この時期になると、４月、５月時点ほどの差はないが、やはりまだまだ理科などの仕上がりは浪人生のほうが強い。だから、偏差値や合格可能性は浪人生のほうが高く出る。

多くの進学校では、表面上の偏差値や合格可能性より、現役生の中での順位（これはわかるようになっている）を気にするのがトレンドだ。

たとえば、東大なら現役生の中で、２０００番くらいの中に入っていれば、おおむね合格できると読めるわけだ。

だとすると、模試の偏差値や合格可能性より、これからどれだけ伸びるのかのほうが重要になる。そこで二つ目の利用法が浮上するのだが、それは次回ご説明したい。