入試改革後の問題傾向とは

新しく導入される試験では、教科や科目の枠を超えた融合問題がネックとなってくる。

そのため、融合問題対策に割く時間をきちんと取れるかどうかが明暗を分けるだろうと、医学部受験の神様こと和田先生はおっしゃっています。

今回は、この新試験にはどのような傾向があるのかを詳しく解説して頂きました。

第77章．２０２０年入試改革の傾向と対策（その３）

さて、今回の新制度入試改革では、センター試験の代わりになる試験で、「合教科・科目型」「総合型」の問題が導入されることになっている。

旧来の５教科６科目に加えて、「合教科・科目型」「総合型」という別の科目が足されるのか、各々の科目の問題の中に、この手の問題が一定の割合で組み入れられるのかはまだ確定していないようだが、少なくとも２０２０年までは指導要領の改訂がなされないので、一部の進学校を除けば、この対策の時間が授業でなされないことになる。

実際、何人かの高校の教師の方に聞いても、これに対する対策をする予定がない、あるいは余裕がないという返答が大半だった。

「合教科・科目型」「総合型」の問題とは、要するに教科・科目の枠を超えた融合問題のことだ。

たとえば、日本史の知識を問う問題と合わせて、統計資料を数学的に読み解かせたり外国の文献史料を引用して英語の読解力を試したりと、そういったイメージであると想定される。

現実に、昨年のセンター試験の追試験の数学１・数学Aの問題で、「都道府県別の人口と自動車保有台数」の統計を素材にした散布図の読み取りが問われる問題が出された。

地理では、こうした統計資料の読み取り問題、考察問題は以前からあり、特段珍しい設問ではないが、これが数学の問題として出されたことに意味がある。

また、数Ⅰの学力に加えて、読解力を問う問題にもなっている。

この手の融合問題は、本年度の入試でも散見される。

少なくとも、この手の問題の対策をしている受験生としていない受験生では大きな差がつくだろう。

ただ、この手の問題を、現行の入試問題から読み取ったり、文部科学省から公開される想定問題集などを分析したりして、どのような問題が出されるのかを予想したり、その対策をしたりするのは、大手の予備校にとっては朝飯前のことといえる。

実際、私は共通一次試験の第一期生だが、この手の予想問題集を使って勉強して、９割以上の得点を取った。

重要なポイントは、この手の対策に振り回されずに、最後の１年をこの手の対策のためにとっておけるようにすることだろう。