医学部入試問題
医学部入試問題-英語「長文読解編」

医学部入試問題-英語「長文読解編」

峰岸先生が徹底解説!『医学部入試問題を斬る』

エースメディカルみなとみらいの峰岸先生が英語の医学部入試を徹底解説。

今回から「医学部入試の攻略」というテーマで医学部入試の対策講座を開設します。

入試問題の解説の他、受験に関する様々なテーマで入試に切り込んでいきます。

入試問題についても英語のみならず各科目はもとより、小論文、面接といったものも幅広く扱う予定です。

第9回.医学部入試問題・英語「長文読解編」①

医学部入試問題・英語「長文読解編」①

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。

今回のテーマは「経済」です慶応大学からの出題です。

今回は最初のパラグラフの2文までを扱います。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

設問
a) otherwiseの意味を30字程度で説明しなさい。
b) It never is.の意味を20字程度で説明しなさい。
c) one unfortunate sailorにどのようなことが起きたのかを60字程度で言いなさい。

¶1 ①Some economists believe that there is no such thing as a bubble because markets are always rational and efficient.

②But history suggests a)otherwise.

③In their time, tulips, canals, railways, gold, silver, property and share prices have all bubbled up and then gone “pop”.

④Each time investors convince themselves that this time it will be different.

⑤b)It never is.

⑥The craziest bubble of all time was tulip mania in the Netherlands in the 1630s.

⑦Tulip bulbs, newly arrived from Turkey, became wildly fashionable, and prices soared.

⑧At the height of the mania, speculators paid 5,500 florins (equivalent to more than $ 50,000 in today’s money) for a single rare bulb.

⑨Charles Mackay, in his classic 1841 book “Extraordinary Popular Delusions and the Madness of Crowds”, tells how c)one unfortunate sailor, who was rather partial to onions, was sent down to a rich man’s kitchen for breakfast, and ate a tulip bulb worth 3,000 florins by mistake.

⑩He ended up in prison, but at least he had a good laugh a year later when prices plunged and bulbs became virtually worthless.

この文章は実は4つのパラグラフから成り立っているのですが設問はすべて第一パラグラフからなされています。

このパラグラフをしっかり読んでみましょう。今回はまず単語の注を付けました。

英文に慣れていない人もこれを参考にもう一度読み進めてください。

まず一度読んで、単語をチェックして、もう一度読んで、さらにもう一度①と②を読んでください。

1□ bubble □バブル 2□ markets □市場 3□ rational □合理的な 4□ efficient □効率的な

5□ history □歴史 6□ suggests □暗示する 7□ otherwise □さもなければ、他のやり方で、~の点を除き

8□ in their time □絶頂期 9□ tulips □チューリップ 10□ canals □運河

11□ railways □鉄道 12□ property □不動産 13□ share prices □株価

14□ bubbled up □膨れ上がる 15□ pop □はじける 16□ each time □そのたびに

17□ investors □投資家 18□ convince □確信する 19□ this time □今回は

20□ tulip mania □チューリップにまつわる狂騒 21□ the Netherlands □オランダ

22□ tulip bulbs □チューリップの球根 23□ newly □新しく 24□ Turkey □トルコ

25□ wildly □広く、けた外れに 25□ fashionable □流行する 26□ soared □高騰する

27□ speculators □相場師、投資家 28□ florins □フロリン(通貨単位)

29□ equivalent to~ □~に相当する 30□ rare □珍しい 31□ classic □古典の

32□ extraordinary □並はずれた 33□ popular □人気ある 34□ delusions □妄想

35□ madness□狂気 36□ crowds □群衆 37□ unfortunate □不運な 38□ sailor □船乗り

39□ partial to ~ □~がとても好きな 40□ by mistake □誤って

41□ ended up □ 最後には~するようになる 42□ plunged □急に下りになる、つっこむ

43□ virtually □実質的には 44□ worthless □無価値な

①文頭のsomeは「~な人もいる、~なものもある」でしたね。believeは「信じる」ではなく「思う、考える」くらいがしっくりくる場合があります。ここでもそうですね。

Some economists believe ~で「~と思う経済学者もいる」ですね。there is no such thing as~の部分は、まず、there is no~で「~は存在しない」ですね。

such thing as~の部分はsuchのつられてasが出てきていますので「~のような」でいいです。a bubbleは「一つのバブル」ですからここでは「バブル、狂騒、騒動」という意味で使っていますね。

because以下は「~という理由で」と訳してください。markets are always rational and efficientの部分ですが、直訳は「市場はいつも合理的で効率的だ」となります。

ここで背景を解説します。経済学は大きく「ケインズ」系(ケインジアン)と「マネタリスト(古典派)」系に分類されます。

ざっくり言うとケインズ系の学者は「政府が関与して経済状況を良くする」と考えマネタリスト系の学者は「政府が関与しなくても競争の下で市場は適切に機能する」と考えています。

通した訳は「市場は常に合理的で効率的であるという理由で、バブルなどというようなものはないと信じている経済学者もいる」ですね。一般にこのような書き出しのときは作者は次に反対の主張をします。

「~という人がいるが私は…と思う」というロジックです。今回もそうなっているか次の文を見ましょう。

②そうですねButで始まっているので①を否定して作者の主張につなげますね。つまり「市場は常に合理的で効率的である」というマネタリスト(古典派)の主張をひっくり返すのですから作者はケインジアンですね。

この文は短いのですが文法的にはとても重要な単語が2つ出てきます。suggestとotherwiseです。ひとつ目のsuggestから解説します。

この動詞の語法は入試に頻出ですからしっかり3点おさえてください。①目的語に動名詞を取ります。②suggest to 人that S should Vの形で「人に~するように提案する」の意味でshouldは省略されることがあります。その場合でも動詞は原形です ③suggest that S Vの形で「~を暗示する」となります。

特に②ではShe suggested to them that Tom go home.(彼女は彼らにトムが帰宅することを提案した)や He suggested to me that the paper be done by tomorrow. (彼は私にレポートを明日までに仕上げることを提案した)のように使います。

次のotherwiseも3点おさえてください。①さもなければ②別のやりかたで、それ以外の方法で③その点を除いて、です。①はHe left home early this morning; otherwise, he would have missed the class.(彼は今朝は早く家をでた。さもなければ授業に遅れていただろう)

②はShe think otherwise.(彼女はそうは思っていない)③The car looks good otherwise a flat tire.(パンクしている以外はこの車はよさそうだ)のように使います。

今回は②の訳しかたで「しかし歴史はそうでないと示している」でいいですね。「そうではない」とはどういうことでしょう?もちろん「バブルはある」ということですね。

ここで設問の1を解きましょう。

<問 otherwiseの意味を30字程度で説明しなさい>

もちろん先ほど私が解説した辞書的な意味を3つ書いても合格点には届きません。

「この文の意味をotherwiseを明らかにして説明しなさい」というが設問の意味です。

手がかりは①の文しかありません。しかし、先ほどの経済の常識であるマネタリストとケインジアンの違いを知っていれば30字の枠内で書くことが明確になってきますね。

ケインジアンの主張を入れればいいのです。

市場は合理的で効率的なものではなく、バブルは存在する。(27字)

このように背景知識があれば自信をもって何が聞かれていて何を答えればよいのかが明確になりますね。

また次回をお楽しみに。

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エースメディカルみなとみらいでは、生徒各個人に合わせて英文のレベルを分け、中学生レベルの英文から科学雑誌の英文までを準備しています。

医学部に受かる力の養成に直結した授業を展開しています。無料レッスン随時受付中です。お問い合わせください。

2015年7月17日

第10回.医学部入試問題・英語「長文読解」②

医学部入試問題・英語「長文読解」②

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「経済」です。慶応大学からの出題です。今回は最初のパラグラフの③以降を扱います。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

【設問】
b) It never is.の意味を20字程度で説明しなさい。
c) one unfortunate sailorにどのようなことが起きたのかを60字程度で言いなさい。( aは前回終了済)

¶1 ①Some economists believe that there is no such thing as a bubble because markets are always rational and efficient.

②But history suggests a)otherwise.

③In their time, tulips, canals, railways, gold, silver, property and share prices have all bubbled up and then gone “pop”.

④Each time investors convince themselves that this time it will be different.

⑤b)It never is.

⑥The craziest bubble of all time was tulip mania in the Netherlands in the 1630s.

⑦Tulip bulbs, newly arrived from Turkey, became wildly fashionable, and prices soared.

⑧At the height of the mania, speculators paid 5,500 florins (equivalent to more than $ 50,000 in today’s money) for a single rare bulb.

⑨Charles Mackay, in his classic 1841 book “Extraordinary Popular Delusions and the Madness of Crowds”, tells how c)one unfortunate sailor, who was rather partial to onions, was sent down to a rich man’s kitchen for breakfast, and ate a tulip bulb worth 3,000 florins by mistake.

⑩He ended up in prison, but at least he had a good laugh a year later when prices plunged and bulbs became virtually worthless.

③In their timeは「一番いいときには」の意味ですからそれに続く名詞の「絶頂期には」ということですね。

動詞は andがつないでいるhave bubbled upと gone “pop” ですね。

ここのandは単なる「並列」ではなく時間の経過を表す順接の接続詞ですね。「~した。そうして~した」という動詞の流れを感じてください。bubbled upは膨れ上がる。

gone “pop” の“pop”は「はじける」という意味です。

名詞のときは炭酸飲料をさします。通した訳は「絶頂期にはチューリップ、運河、鉄道、金、銀、不動産、株価はすべてバブルで膨れ上がり、やがて“はじけ”てしまった」ですね。

④Each timeは後ろにSVを取れば接続詞の様に働き「SVするたびに」の意味ですが、なければ副詞で「その度に」です。ここでは副詞ですね。主語(S)は investors(投資家)ですね。

述語動詞(Ⅴ)はconvinceです。convinceは convince人that~の形で人に「~を確信させる」の意味です。ここでは人はthemselvesですから「自分自身が確信する」という意味になります。

that以下は this timeは「今回は」ですか、SがitでVが will beで補語が differentです。

ここでitが指すものは何ですか?皆が「今回は違う」と思うこと、つまり投資の機会のことを指しますね。通した訳は「その度に投資家たちは、今度こそ今までとは違うはずだと確信する」ですね。

⑤この文の構造は簡単ですね。SがitⅤがisですね。では省略されている言葉は何ですか?

省略が起きる理由は①一度出てきた②言わなくても暗黙の了解でわかっている③リズムなどです。

入試問題の英文に出てくる省略は①が多いですね。ここでも前の文と対照して考えると、itは「投資の機会」ですから、補語は前の文同様differentですね。通した訳は「違うことなど一度もありはしない」でいいですね。

ではここで設問b)を解きましょう。

b) It never is.の意味を20字程度で説明しなさい。

まず与えられた問題で気づくことは字数が少ないということですね。背景説明を入れる余地がありません。省略されている言葉を補えば正解になります。

解答例は「 今までと違う結果になることは決してない」(20字)でいいでしょう。

⑥ここから具体的な過去のバブルの例が登場します。この文のSはThe craziest bubble でVがwasでCが tulip maniaですね。問題ないでしょう。

通した訳は「すべての時代で最も気違いじみたバブルは、1930年代にオランダで起こったチューリップにまつわる狂騒であった」ですね。

⑦どんな事件だったのかの説明が続きます。wildlyは「荒々しく、乱暴に」の意味ですがここではfashionableになった程度を表していますから「ひどく流行し」や「激しく流行し」となりますね。

通した訳は「新しくトルコから届いたチューリップの球根が桁外れに流行し、物価が高騰した」ですね。

⑧At the height of the maniaは直訳は「その狂騒が頂点においては」ですね。ここでは「頂点に達したとき」でいいでしょう。 この文のSはspeculatorsでVはpaidですね。payはpayお金の額for/onモノで「モノにお金の額を払う」ですね。

equivalent to ~ in today’s moneyは「今日のお金だと~に相当する」です。通した訳は「狂騒が頂点に達したとき、相場師たちはたった1個の珍しい球根を買うのに5,500フロリン(今日の金額で50,000ドル以上に相当)を支払った」となります。

⑨この文のSはCharles Mackayですね。次の部分はカンマが2つあるのでカッコに入れてみるとⅤがtellsであることがわかります。

Oはhow以下の名詞節です。その中の主語はone unfortunate sailorで動詞はwas sent down and ate ですね。

a tulip bulb worth~は「~の価値のあるチューリップの球根」ですね。 カッコに入れて飛ばした中身は大文字で表されている固有名詞が入っています。

ここでは本のタイトルですね。ここまでを通すと「チャールズ・マッケイは、1841年の古典的な著書『大衆の誇大妄想と群集の狂気』の中で、玉ネギに目のない不運な船乗りがある富豪の家で朝食に台所へ通され、誤って3,000フロリンもするチューリップの球根を食べてしまったいきさつを述べている」ですね。

⑩この文の1組目のSはHeでVは ended upですね。2組目はSがheで、Ⅴが had で、Oがa good laughですね。2組目の従属節にはさらにSVが2度出てきます。

まずSがpricesでVがplungedです。もう一つはSがbulbsでVがbecameでCがworthlessですね。

通した訳は「彼は結局投獄されたが、少なくとも1年後に物価が急落し、球根が実質無価値になったとき、彼は大笑いした」でいいでしょう。

次回は設問C)の解説から入ります。設問を解いておいてください。

⑨までではなく、しっかり⑩までを考慮してくださいね。

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2015年7月24日

第11回.医学部入試問題・英語「長文読解」③

医学部入試問題・英語「長文読解」③

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「経済」です。慶応大学からの出題です。今回は宿題だった設問(C)の解説から入ります

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

設問(C)「one unfortunate sailorにどのようなことが起きたのかを60字程度で言いなさい。」

ここでは、前パラグラフの話をまとめればいいですね。ただ注意してほしいのはしっかり「おち」までかくことです。

食事に招待された船乗りが玉ねぎと間違えて高価な球根を食べてしまった、だけではだめですね。そのせいで投獄されたことも必要です。

そして、そもそも球根が高価になったのはバブルのせいであり、それがなければ単なる球根であって、玉ねぎとさほど変わらないということを強調しなければなりません、ですからその後の話も解答してください。

つまり結局はバブルがはじけて球根の価値がなくなったときには船乗りはにんまりした、ということですね。

【解答例】高価なチューリップの球根を玉ネギと間違えて食べてしまい、投獄されたが、球根が暴落して無価値になったときには苦笑した。

¶2 ①Another infamous example was the South Sea Bubble in 1720.

②The London-based South Sea Company came up with an ingenious plan to take over Britain’s national debt in return for interest and sole trading rights to the South Seas (South America) and hence, in theory, access to the treasures of the gold and silver mines in Peru and Mexico.

¶3 ①The snag was that Spain already controlled those trading rights, which made it difficult for the company to generate profits.

②Even so, speculators frantically bid up the share price.

③It rocketed from £130 to £1,000 within seven months, then collapsed abruptly, leaving many investors ruined and landing the chancellor of the exchequer of the day in prison.

第2パラグラフ

①Anotherは「もう一つの」ですね。イメージとして同種のものが次々に出てくるときに使います。

infamousは発音に気を付けてくださいね。カタカナで書くと「インフェイマス」ではなく「インファマス」です。「悪名高い」という意味ですね。the South Seaは「南の海」ではありません。各単語の頭が大文字ですから固有名詞ですね。

何に対して南なのかというと、もちろんヨーロッパにとっての南ですから、南アメリカの大西洋ということになります。訳は「南海泡沫事件」と言われるものですが「サウスシ―バブル」でもいいでしょう。

通した訳は「もう一つのいまわしいバブルの例は、1720年のサウスシー・バブルである」ですね。

②ここでは具体的にその事件が解説されています。The London-based South Sea Company は「ロンドンを拠点とするサウスシ―会社」ですね。came up with ~は「~を思いついた」です。

an ingenious plan to ~は「~をするという巧妙な計画」ですね。take over Britain’s national debtは「イギリスの借金を引き受ける」ですね。

in return for ~は「~の見返りにおいて」ですね。interestは「利子」ですね。sole trading rights to the South Seasは「サウスシ―における単独貿易権」ですね。and henceは「よって」です。in theoryは「理論上は」ですね。

access to the treasures of ~は「~の宝に接近すること、入手すること」ですね。ここまでを通した訳は「ロンドンに拠点を置くサウスシー会社が、イギリスの国の借金を肩代わりする見返りに、利息と南洋(南アメリカ)の独占的貿易権を得るという巧妙な計画を提案した。

それによって理論上はペルーやメキシコの金銀鉱山のお宝が手に入るはずであった」ですね。

第3パラグラフ

①この文の主語(S)はsnagは「問題点、障害」で、述語動詞(V)はwasです。補語(C)はthat以下ですから、通すと「問題は~であったのだ」となりますね。that節の中のSはSpain です。Vはcontrolled で目的語はthose trading rightsです。次の, whichは関係詞の連続用法と呼ばれるもので、「追加情報」を表すので「そしてそれは~」と訳します。

made it difficult for~to…は「~が…をすることを難しくする」ですね。通した訳は「これには障害があって、既にスペインがその貿易権を牛耳っていて、そのためにサウスシー会社が利益を上げるのが困難になっていたのだ」ですね。

②文頭のEven soは「たとえそうであっても」です。speculatorsは「投資家たち」です。訳は「それでも相場師たちは半狂乱になって株価を吊り上げた」ですね。

③Itが指すものは「株価」ですね。 rocketedは「急上昇した」です。within seven monthsは「七か月もかからずに」ですね。collapsed は「崩壊した」です。訳は「株価は7ヵ月もかからず130ポンドから1,000ポンドまで急上昇し、それから突然暴落した」ですね。

それにつながるleaving~とlanding~は分詞構文です。「そして~の状態にした」と訳せばいいですね。leaving many investors ruined はleave O CでOをCのままにしておく」ですから「多くの投資家を破産させた」ですね。

次のlandもleaveと同じ使い方をしますので「 the chancellor of the exchequer of the day in prisonをthe chancellor of the exchequer of the dayを投獄した」という訳になります。

the chancellor of the exchequer は「大蔵大臣」です。of the dayは「当時の」です。通した訳は「そのため多くの投資家たちは破産し、時の大蔵大臣は投獄される破目になった」ですね。

これで残る設問はあと1問です。今回は歴史上有名な過去2回のバブルが登場しましたね。

こうしたバブルの本質は何なのでしょうか?

次回はその解釈が出てきます。

流れに注意して続きを読んでいきましょう。お楽しみに。

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2015年7月31日

第12回.医学部入試問題・英語「長文読解」④

医学部入試問題・英語「長文読解」④

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。

今回のテーマは「経済」です。慶応大学からの出題です。

今回は第4パラグラフからすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

¶4 ①Even Sir Isaac Newton averted his gaze from the stars for long enough to buy some shares and make a profit, then buy some more and d)lose a packet.

② His comment?

③“I can calculate the motion of heavenly bodies, but not the madness of people.”

¶5 ①Every time a bubble appears it looks different, but there are common features.

②James Grant, the editor of a New York-based financial newsletter, says the basis of bubbles is usually one part fundamental (e.g., a technological revolution), one part financial (an explosion of cheap credit) and one part psychological (a suspension of traditional valuation norms).

第4パラグラフ

①Even Sir Isaac Newton averted his gaze from~は「アイザックニュートン卿でさえ注視していた~から目をそらせた」ですね。

for long enough to ~は「~するほど十分長い間」ですね。次の部分では動詞を追いかけてください。

buy → make → buy → loseと言ったダイレクトなリズムを感じてください。

株を「買い、儲け、買い足し、そして失った」という流れです。

通した訳は「アイザック・ニュートン卿でさえもいくらか株を買って利益を上げ、さらにいくらか株を買い足して相当なお金を大損するほど長い間、天体観測から注視の目をそらした」ですね。

ここで設問Dを解きましょう

下線部D d) lose a packetの意味を10字程度で言いなさい。
もちろん失ったものの正体ですから「お金」ですね。しかもpacketは「かたまり、札束」のことですから「大金」ですね。設問は「10字程度」と指定しますから余分なことは入れずに単刀直入に答えを書いていいですね。

解答例 大金を失なった。

②この文は筆者が読者の立場に立った疑問を、疑問文の形をとらずそのままダイレクトにクエスチョンマークをつけた文にしています。訳は「彼のコメントですか?」でいいですね。

③ここではニュートンのセリフが引用されています。後半部分はnotの前後に省略された単語を補うとわかりやすいですね。I canとcalculateが省略されています。

but I can not calculate the madness of people.という文になります。訳は「“私は天体の運行は計算できるが、民衆の狂気は計算できない”と答えたのだ」ですね。

第5パラグラフ

①Every time SVで「SVのときはいつも」の意味になります。looks differentは「見た目が違う」の意味です。commonは「共通の」ですね。

featureは「特徴」です。通した訳は「バブルが出現する時はいつも今までのものと違うように見えるが、共通の特徴がある」です。

②この文の主語(S)はJames Grantで述語動詞(V)はsaysですね、saysの右がその目的語であり、言っている中身です。ここを見てみると、Sがbasis (基礎)でVが is で補語(C)がone partです。

このone partが3回出てきますから、訳はその基礎は一つには~でもう一つは~で、最後にもう一つ~だ、となりますね。

通した訳は「ニューヨークに拠点を置く財政紙の編集長、ジェームズ・グラントは、バブルの根底にあるのはたいてい、一つには根本的なもの(例えば、科学技術革命)、一つには財政上のもの(安直な信用の崩壊)、一つには心理的なもの(伝統的な評価基準の終焉)であると言っている」ですね。

いよいよ分析がなされましたね。

次回は最後まで読みましょう。お楽しみに。

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2015年8月7日

第13回.医学部入試問題・英語「長文読解」⑤

医学部入試問題・英語「長文読解」⑤

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。

今回のテーマは「経済」です。

慶応大学からの出題です。

今回は最終パラグラフまで読みすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

¶5 ①Every time a bubble appears it looks different, but there are common features.

②James Grant, the editor of a New York-based financial newsletter, says the basis of bubbles is usually one part fundamental (e.g., a technological revolution), one part financial (an explosion of cheap credit) and one part psychological (a suspension of traditional valuation norms).

③Rising prices draw in ever more investors, all convinced that prices will go on rising.

④Charles Kindleberger, an American economist, put it nicely:

⑤“There is nothing so disturbing to one’s well-being and judgment as to see a friend getting richer.”

第5パラグラフ

前回までの文章で、バブルが生じる要因を、ニューヨークに拠点を置く財政紙の編集長のジェームズ・グラントは、①根本的なもの(例えば、科学技術革命 ②財政上のもの(安直な信用の崩壊)、③心理的なもの(伝統的な評価基準の終焉)であると分析しました。

今回はその続き第5パラグラフの第3文からです。

③この文の主語(S)はRising pricesですね。「価格が上昇すること」です。述語動詞(V)はdraw in です「引っ張り込む」という意味ですね。

その目的語(O)はever more investorsですから、これまでにないほどの数の「投資家」ですね。

次の文の主語はallですね。もちろんall investors「投資家たち全員」のことですね。

Ⅴがconvinced「確信している」ですね。そのOはthat以下です。通して訳は「物価の上昇によってどんどん投資家が引き込まれるのだが、彼らはみな物価が上昇し続けると確信している」ですね。

④文頭に人名がきていますので、その後ろにあるカンマで囲まれた部分は肩書です。「アメリカの経済学者、チャールズ・キンドルバーガー」となります。

次の動詞のputですが、ここでは「言う」という意味です。そして後ろのあるコロン(:)以下でそのいった内容が出てきます。そのまま言ったセリフを引用するのが一般的です。

通した訳は「アメリカの経済学者、チャールズ・キンドルバーガー」は次のようなうまい言い方をしている」ですね。

⑤この文は少し構造が厄介ですね。まずThere is Aは「Aがいる、ある」ですねAが主語です。ここではnothingがSになりますね。

次は「so~as to…」の構文を確認しましょう。「~」の部分には形容詞、副詞、分詞などが入ります。

訳しかたは前から訳すパターンと後ろから訳すパターンの2通りあります。例えば He is so rich as to buy the car.は①のパターンだと「彼はとても金持ちなのでその車を買える」ですね。

②のパターンだと「彼はその車が買えるほど金持ちだ」となります。本文に当てはめて訳しましょう。

まずso disturbing as to seeの部分がこの構文であることをしっかりつかんでください。

ここだけの訳は、disturbingが「かき乱す、邪魔をする」ですから ①「とても邪魔をするので…を見る」もしくは ②「…を見るほど邪魔をする」ですね。

では次に何の「邪魔をする」のかというとdisturbingの目的語はto one’s well-being and judgmentですね。toは「~に対して」ですね。

well-beingは「繁栄、幸福」ですね。judgmentは「判断、判断力」です。そして何を「見る」のかというとa friend getting richerの部分です。

まず、seeは知覚動詞ですからSVOCという第5文型を取ります。OとCの間には隠れた主語と述語動詞の関係があります。Cの部分に~ingがきていれば「が~しているのを…する」と訳しますね。

例えばI saw him driving a car.は「私は彼が車を運転しているのを見た」となります。

本文ではOが a friendですね。Cがgetting richerです。get richは「金持ちになる」という意味ですね。ここではricherというrichの比較級が使われているので「より金持ちになる」ですね。

そしてここまでの部分をThere is nothingにつなげると「…なことほど~なものは他にない」となりますね。通した訳は「友人がより裕福になっていくのを見ることほど人の幸福と判断力をかき乱すものはない」ですね。

いかがでしたか?

慶応義塾らしく歴史や様々な見解を踏まえた上で正しい判断ができるかを問う問題が出されていますね。

次回からはまた新しい問題を解いていきます。お楽しみに。

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2015年8月21日
プロフィール
峰岸敏之

峰岸 敏之

1964年生まれ。早稲田大学大学院・法学研究科前期課程修了、法学修士。大手新聞社で新聞記者を経験後、講師業に転向。

河合塾や城南予備校、栄光ゼミナールなどの大手予備校や医学部予備校などで、大学受験ブロック長や英語科責任者などを務める。指導教科は英語と小論文。

2013年春に横浜に医学部予備校を開校し、「30年以上続く予備校を作り、医学部への合格者を1000人を出す」が目標。

他の記事についてはコチラから
  1. 最新記事を確認:「時事英語」特別講義
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  15. 医学部入試問題-英語「空所補充問題Ⅲ」
  16. 医学部入試問題-英語「下線部和訳Ⅱ」
  17. 医学部入試問題-英語「下線部和訳」
  18. 医学部入試問題-英語「英文設問問題」
  19. 医学部入試問題-英語「空所補充問題Ⅱ」
  20. 医学部入試問題-英語「空所補充問題」
  21. 医学部入試問題-英語「長文読解編Ⅱ」
  22. 医学部入試問題-英語「長文読解編」
  23. 医学部入試問題-英語「要約編」
  24. 医学部入試問題-英語編