医学部入試問題
医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」

医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」

峰岸先生が徹底解説!『医学部入試問題を斬る』

峰岸先生が2016年度に実施された信州大学医学部の英語入試の過去問を分かりやすく読み解く。

今回から「医学部入試の攻略」というテーマで医学部入試の対策講座を開設します。

入試問題の解説の他、受験に関する様々なテーマで入試に切り込んでいきます。

入試問題についても英語のみならず各科目はもとより、小論文、面接といったものも幅広く扱う予定です。

第225回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」①

今回から信州大学医学部の入試問題(2016年)を解いています。

今日は第1パラグラフから読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(1)①Somebody conducted a poll of college students recently to find out why they had come to college, and a vast number of them, I think the actual figure was 80 percent, said that the reason they had enrolled in college was to learn how to make money.

②Now money is a very important commodity, and (1)if you had lived through the Great Depression as I did as a young man, it would have been burned deep into you.

③You’d never forget just how important it is to have some money.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquire conquer deserve mean stir

問2 下線部(1)を和訳しなさい

第1パラグラフ

第1文

Somebody conducted a poll of college students recently to find out why they had come to college, and a vast number of them, I think the actual figure was 80 percent, said that the reason they had enrolled in college was to learn how to make money.

この文の主語はSomebody(誰か)で、述語はconducted a poll (調査を実施した)です。

pollは「聞き取り調査、世論調査」です。of college studentsは「大学生の」です。recentlyは「最近に」です。

to find out は不定詞ですから①目的②結果あたりの訳から考えてみるのが良いでしょう。

①なら「そして分かった」②なら「見いだすために」と訳します。why they had come to collegeは「なぜ大学に入学したのか」です。よって②「見出すために調査した」という訳が良いでしょう。

次の文の主語はa vast number of them(彼らのうちかなり多くの人)です。次にカンマに囲まれた部分、つまりカンマが2つある部分が出てきますので、ここはカッコに入れて読み飛ばしましょう。

すると述語said that~(~と言った)が出てきます。「何と言ったのか」はthat以下にある主語と述語に書かれています。主語はthe reason(その理由)です。

ここに they had enrolled in college(彼らが大学に入学した)がかかります。述語はwas to learn(学ぶことでした)です。「何を学ぶのか」は how to make money(お金の稼ぎ方)です。

では、カンマが2つあり、カッコに入れていったん飛ばした部分,I think the actual figure was 80 percent,を見ましょう。ここでの主語はIで述語はthink (思う)です。「何を思うのか」はthe actual figure(本当の数字)が was 80 percent(80パーセントである)ということです。

訳:
なぜ学生が大学に来たのかを調べるためにある人物が最近聞き取り調査を実施した。そしてかなり多くの人、実際の数字は80パーセントだと思うが、が大学に来た理由はお金を稼ぐ方法を学ぶためだと答えた。

第2文

Now money is a very important commodity, and if you had lived through the Great Depression as I did as a young man, it would have been burned deep into you.

文頭のNowは「今や」です。ここでの主語はmoney(お金)で述語は is a very important commodity(とても重要なもの)です。

commodityは「商品・役に立つもの」です。ここではすでにimportantという単語があるので「もの」くらいでよいでしょう。

次のand if ~の部分は設問にもなっていますので、次回しっかり読んで訳していきましょう。

訳:
なぜ学生が大学に来たのかを調べるためにある人物が最近聞き取り調査を実施した。そしてかなり多くの人、実際の数字は80パーセントだと思うが、が大学に来た理由はお金を稼ぐ方法を学ぶためだと答えた。

前半の訳 今ではお金はとても重要なものになっています

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今回から「大学生になる意義」について書かれた大学の先生からのメッセージを読んでいきましょう。

教授陣の思いを感じながら読んでください。次回もお楽しみに。

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エースメディカルみなとみらいでは、生徒各個人に合わせて英文のレベルを分け、中学生レベルの英文から科学雑誌の英文までを準備しています。

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2020年9月26日

第226回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」②

今日は第1パラグラフの第2文の後半部分から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(1)①Somebody conducted a poll of college students recently to find out why they had come to college, and a vast number of them, I think the actual figure was 80 percent, said that the reason they had enrolled in college was to learn how to make money.

②Now money is a very important commodity, and (1)if you had lived through the Great Depression as I did as a young man, it would have been burned deep into you.

③You’d never forget just how important it is to have some money.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquire conquer deserve mean stir

問2 下線部(1)を和訳しなさい

第1パラグラフ

第2文

Now money is a very important commodity, and if you had lived through the Great Depression as I did as a young man, it would have been burned deep into you.

前回はNow money is a very important commodity,(今ではお金はとても重要なものになっています)まで訳したので、次のand if~の部分を見ていきましょう。

文頭のif you had lived はif節の中にhadが入っているので「過去」の話です。

「もしあなたが生きていたら」と訳します。through the Great Depression は「大恐慌を通して」です。the Great Depression は大文字になっているように固有名詞です、アメリカで1929年からおきた大不況のことです。

次のas I did は「私が生きたように」です。このdidは代動詞ですから、前に出てきたlivedの代わりです。

次のas a young manは「私が若かった時」です。このasは接続詞のasでI wasが省略されています。asが2回あるので比較だ、と安直に思わないようにしてください。

次のit would have been burnedは「そのことは焼き付けられていただろう」です。

「どのように焼き付けられたのか」は deep into youは(あなたに内部に深く)です。

この部分は、先のif you had lived(もしあなたが生きていたら)というif節を受ける帰結節です。ここは助動詞の過去形もあることから「仮定法」ですね。

設問を解きましょう

問2 下線部(1)を和訳しなさい

仮定法に注意して時制を間違えないように訳してください。

正解:
そしてもしあなたが私と同じように大恐慌を生き抜いてきたなら、そのことはあなたの内部に焼き付けられているでしょう。

訳:
今ではお金はとても大切なものです。そしてもしあなたが私と同じように大恐慌を生き抜いてきたなら、そのことはあなたの内部に焼き付けられているでしょう。

第3文

You’d never forget just how important it is to have some money.

この文の主語はYouで述語はwould never forget(決して忘れないでしょう)です。 「何を忘れないのか」は how important it is(それがいかに重要であるか)です。このitは後ろにある to have some money(お金をもっていること)を指します。

訳:
あなたはお金を持っていることがいかに大切であるかを決して忘れないでしょう。

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大学で学ぶ意義として「お金をせぐため」と答える学生に対して、その考えを肯定しつつもさらに「深い意義」を提示していきます。その提示部分を次回読んでいきましょう。次回もお楽しみに。

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2020年10月06日

第227回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」③

今日は第2パラグラフから読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(2)①Nevertheless, if your motive for going on to further college work is only to make money, you’re not interested in a college education.

②What you’re really after is a training school.

③There’s nothing wrong with training schools.

④Whether you are eager to be a first-rate artisan, or a good carpenter, or a mason, or to get into one of the learned professions like medicine, training is essential.

⑤But this is only one side of college life and in some ways not the most important side.

⑥The sad thing is that we live in a society that is in danger of losing the very concept of a liberal education.

第2パラグラフ

第1文

Nevertheless, if your motive for going on to further college work is only to make money, you’re not interested in a college education.

文頭のNeverthelessは「それにもかかわらず」です。大学に通う意味として学生が挙げた「お金を稼ぐことの大切さ」を認めたうえで反論をしていきます。

まずif ~で条件節を作っています。ここでの主語はyour motive(あなたの動機)です。 for going on to further college work は「さらなる大学での課題に進んでいく」です。述語はis only to make money(ただお金を稼ぐことだけ)です。

次の部分の主語はyouで述語はare not interested in~(~に興味をもっていない)です。「何に興味を持っていないのか」はa college education.(大学教育に)です。

訳:
それにもかかわらず、もしあなたが大学に進んでいく目的が単にお金を稼ぐことだけなら、あなたは大学の教育に興味を持っていないことになります。

第2文

What you’re really after is a training school.

この文の主語はWhat you’re really after(あなたが本当に追い求めているもの)です述語はis a training school(訓練学校です)になります。

訳:
あなたが本当に求めているものは訓練学校です。

第3文

There’s nothing wrong with training schools.

この文はThere’s ~(~がある)構文ですから、~の部分が主語になります。ここではnothing wrong(悪いところは何もない)です。 with training schoolsは「訓練学校に関して」です。

訳:
訓練学校に関しては何も悪いことはありません。

第4文

Whether you are eager to be a first-rate artisan, or a good carpenter, or a mason, or to get into one of the learned professions like medicine, training is essential.

文頭のWhether ~の部分の訳ですが、後半でtraining is essential(訓練は必須です)と主語と述語がありますから、M(副詞節)として訳します。

Whether ~は副詞節の時は「もし~ならば」か「たとえ~でも」です。

ここでは前者です。主語はyouで述語は are eager to be(なることを切望している)です。

「何になることを切望しているのか」はa first-rate artisan(一流の芸術家)や a good carpenter(上手な大工)や a mason(石職人)です。

to get into one of the learned professions(知識の必要な職業に進んでいく)は先の述語の are eager to~ (~を切望している)からつながってきます。

like medicineは「医療のような」です。

訳:
もしあなたが一流の芸術や腕のいい大工や石工になることを切望していたり、医療のような知識のある仕事に進んでいきたいなら、訓練は必須です。

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いかがでしょう?仕事では訓練が必要であることを提示したうえで、大学と訓練校の違いを明確にして、大学教育の意義を提示するようですね。次回もロジックを追いかけましょう。お楽しみに。

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2020年10月19日

第228回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⓸

今日は第2パラグラフ第5文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(2)①Nevertheless, if your motive for going on to further college work is only to make money, you’re not interested in a college education.

②What you’re really after is a training school.

③There’s nothing wrong with training schools.

④Whether you are eager to be a first-rate artisan, or a good carpenter, or a mason, or to get into one of the learned professions like medicine, training is essential.

⑤But this is only one side of college life and in some ways not the most important side.

⑥The sad thing is that we live in a society that is in danger of losing the very concept of a liberal education.

(3)①Why liberal?

②What is “liberal” about it?

③Some knowledge of our language can help us here.

④A liberal education originally ( a ) the sort of education that you gave to a free man. A slave needs to ( b ) only certain skills.

第2パラグラフ

第5文

But this is only one side of college life and in some ways not the most important side.

この文の主語は thisで先のtraining(訓練)のことです。 述語はis only one side(唯一の面)です。

「何の唯一の面か」は of college life(大学生活)です。 in some waysは「いくつかの点で」です。

次のnot the most important side(最も重要である側面ではない)の部分はその前にthis is(訓練は)が省略されています。

訳:
しかし、訓練は大学生活の一面にしかすぎません。そしていくつかの点では訓練は最重要なことではないのです。

第6文

The sad thing is that we live in a society that is in danger of losing the very concept of a liberal education.

この文の主語はThe sad thing(悲しいこと)で述語はis that ~(~ということです)です。~の中身を見ると、ここでの主語はwe(私たちは)で述語は live in a society(社会の中で生きている)です。ここに that以下がかかります。

in danger of~ は「~の危険がある」です。「どんな危険か」はlosing(失うこと)の危険です。

「何を失うのか」は the very concept(概念そのもの)です。「何の概念か」はof a liberal education(一般教養)です。

訳:
私たちは一般教養のまさにその概念を失ってしまう危険のある社会に生きているということは悲しいことです。

第3パラグラフ

第1文

Why liberal?

この文は問題ないですね。

訳:
なぜ一般教養なのでしょうか。

第2文

What is “liberal” about it?

まずWhat is A?は「Aとは何か」です。これにabout itがついていますので「それについて」という限定がなされます。

訳:
それに関して、何についての「一般教養」なのでしょうか。

第3文

Some knowledge of our language can help us here.

この文の主語はSome knowledge (多少の知識)です。

「何についての知識か」はof our language (私たちの言語についての知識)です。述語はcan help us(私たちを手助けしてくれます)です。

訳:
ここで私たちの言語についての多少の知識が手助けになります。

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いかがでしょう?一般教養は英語でliberal studiesといいます。もちろんlibertyは「自由」ですから一見全くつながらない感じですが、実は深い歴史がかくされています。

そのあたりをしっかり味わって次回も読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年10月30日

第229回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑤

今日は第3パラグラフ第4文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(3) ①Why liberal?

②What is “liberal” about it?

③Some knowledge of our language can help us here.

④A liberal education originally ( a ) the sort of education that you gave to a free man.

⑤A slave needs to ( b ) only certain skills.

⑥That is true not merely of a chattel slave but of the wage slave and even of the wealthy man who is completely enslaved to his business.

⑦Our democracy proudly insists that all its citizens are, or ought to be, free men.

⑧If so, each of us ( c ) a liberal education― one that helps us not merely to make a living but to live a fully satisfactory life.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquire / conquer / deserve / mean / stir

第3パラグラフ

第4文

A liberal education originally ( a ) the sort of education that you gave to a free man.

この文は設問1で選択肢を入れなければなりませんから、つながりを見ていきましょう。

まず、文頭からどこまでつながるのかですが一文字目のAは冠詞ですから名詞が出てくるところまでつながります。次の liberalは形容詞ですから、名詞にかかります。

次のeducation(教育)が名詞なのでここでいったん切ります。originally(もともと)は副詞です。次に( a )がありますが、いったん飛ばします。

the sort of education は「一種の教育」です。これは名詞句です。that you gaveの部分ではgiveの目的語がないのでthatは関係代名詞であることがわかります。

関係代名詞の作る節は形容詞句ですからeducationにかかります。この部分の訳は「あなたが与える一種の教育」となります。

次のto a free man(自由人に与える)は先のgiveからつながってきます。give A to Bで「AをBに与える」です。

よって、これをつなげると「一般教養というものは、もともと誰からも拘束されない人に与えられた一種の教育を(a)です」となります。

ここで設問1を解きましょう。

選択肢はacquire(獲得する)・conquer(征服する)・deserve(値する)・mean(意味する)・stir(かき混ぜる)です。

ここではmeanが入ります。あとは時制を考えます。

この文はoriginally(もともと)とありますから過去形で表しますね。

正解:
(a)meant

訳:
一般教養というものはもともと、誰からも束縛されない人に与えられた教育の一つの形を意味していました。

第3パラグラフ

第5文

A slave needs to ( b ) only certain skills.

この文の主語はA slave(奴隷)で述語はneeds to ( b )(bする必要があった)です。「何の必要があったのか」は only certain skills(ある種の技術だけをbすること)です。

( b )に入る単語を考えましょう。

設問1の残っている選択肢はacquire(獲得する)・conquer(征服する)・deserve(値する)・stir(かき混ぜる)ですからここではacquire(獲得する)が入ります。あとは時制を考えます。

(b)の直前にtoがあり、これはneed to~の形をとる不定詞ですから、原形でよいですね。

正解:
(b)acquire

訳:
奴隷はある種の技術のみを習得する必要しかありませんでした。

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いかがでしょう?選択肢がすべて動詞なので、まず意味を完成させてあとは時制を決定すればいいですね。

次回も設問を解きながら本文を読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年11月07日

第230回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑥

今日は第3パラグラフ第6文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(3)①Why liberal?

②What is “liberal” about it?

③Some knowledge of our language can help us here.

④A liberal education originally ( a ) the sort of education that you gave to a free man.

⑤A slave needs to ( b ) only certain skills.

⑥That is true not merely of a chattel slave but of the wage slave and even of the wealthy man who is completely enslaved to his business.

⑦Our democracy proudly insists that all its citizens are, or ought to be, free men.

⑧If so, each of us ( c ) a liberal education ― one that helps us not merely to make a living but to live a fully satisfactory life.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquire / conquer / deserve / mean / stir

第3パラグラフ

第6文

That is true not merely of a chattel slave but of the wage slave and even of the wealthy man who is completely enslaved to his business.

この主語はThat(このこと)で、前の文の内容を指します。述語は is true (真実ではありません)です。

次のnot merely ~を見たら、not only A but also B(AだけでなくBも)を思い出してください。これと同じ働きをします。

また、ここにtrue of~(~にあてはまる)がかかってきます。ここではAはa chattel slave(財産としての奴隷) で Bは the wage slave (賃金をもらう奴隷)とthe wealthy man(裕福な人)です。

「どのような裕福な人か」はwho is completely enslaved(すっかり奴隷化している人)です。

「何に対して奴隷化しているのか」は to his business(自分の仕事に)です。つまり仕事に人生を奪われている人も「奴隷」と呼んでいます。

訳:
このことは単に文字通りの奴隷だけでなく、賃金をもらっている奴隷や仕事にすっかり奴隷のようになってしまった裕福な奴隷にも当てはまります。

第7文

Our democracy proudly insists that all its citizens are, or ought to be, free men.

この文の主語はOur democracy(我々の民主主義)で述語はinsists (主張しています)です。「何を主張しているのか」はthat~以下です。

この部分の主語は all its citizens(あらゆる人は)で述語は are, or ought to be, free men(自由人である、自由人であるべきである)です。

訳:
私たちの民主主義はあらゆる人は自由でなりそうでなればならないと高らかに主張しています。

第8文

If so, each of us ( c ) a liberal education ― one that helps us not merely to make a living but to live a fully satisfactory life.

この文の文頭のIf soは「もしそうであれば」です。つまり「私たちが奴隷ではなく自由人であるならば」ということです。

次のeach of us ( c ) a liberal education の部分ですが、each of us (私たちはみな)が主語で( c )もは動詞が入り、目的語としてa liberal education(一般教養)が来ています。

つまり、私たちは奴隷ではない自由人なので、自由人が学ぶことができる一般教養を受けるのは当然の権利でもある、という趣旨で文を組み立てると良いですね。次回はここの設問から説きましょう。

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いかがでしょう?なぜ一般教養が大事なのかは「奴隷制度から解き放された自由人が学ぶためのものである」という歴史が述べられました。

それだけ価値のあるものなのですね。次回も読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年12月04日

第231回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑦

今日は第3パラグラフ第8文から読んで、設問を解いていきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(3)①Why liberal?

②What is “liberal” about it?

③Some knowledge of our language can help us here.

④A liberal education originally ( a ) the sort of education that you gave to a free man.

⑤A slave needs to ( b ) only certain skills.

⑥That is true not merely of a chattel slave but of the wage slave and even of the wealthy man who is completely enslaved to his business.

⑦Our democracy proudly insists that all its citizens are, or ought to be, free men.

⑧If so, each of us ( c ) a liberal education ― one that helps us not merely to make a living but to live a fully satisfactory life.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquire / conquer / deserve / mean / stir

第3パラグラフ

第8文

If so, each of us ( c ) a liberal education ― one that helps us not merely to make a living but to live a fully satisfactory life.

前回は、「私たちは奴隷ではない自由人なので、自由人が学ぶことができる一般教養を受けることは当然の権利でもある」という趣旨で文を組み立てるところまで来ました。これをもとに設問を解きましょう。

設問 問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquire / conquer / deserve / mean / stir

この文の前半部分は、その意味を考えると ( c )に a liberal education(一般教養)に対して「値する・ふさわしい」といった意味の言葉が来ると考えられます。

選択肢はacquire(獲得する)・conquer(征服する)・deserve(値する)・mean(意味する)・stir(かき回す)ですから、正解はdeserveです。

では後半を見ましょう。 ダッシュ(―)以下は補足説明ですからここでのoneはa liberal education(一般教養)をさすことがわかります。そしてその説明が続きます。

ここでのthatはその直後に動詞helps(手助けする)が来ているので、関係代名詞であることがわかります。

動詞はhelps(手助けする)です。

「誰を助けるのか」はus(私たち)です。次のnot merely ~をみたら、not only A but also B(単にAだけでなくBも)と同義であることを思い出してbutを探してください。

するとbut to live a fully satisfactory lifeの部分がみつかりますので、この「単にAだけでなくBも」を使って訳します。

Aはto make a living 「生活をする」です。Bはto live a fully satisfactory life(十分に満足する生活を送る)です。

訳:
もしそうであれば、私たち一人一人が一般教養を受けるに値するのです。そして、一般教養は私たちが単に生活するだけでなく満足した生活をすることの手助けをしてくれるのです。

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いかがでしょう?一般教養は私たちが単に生活していくレベルからの質を向上させ、豊かに生きるということの手助けをするという重要な働きをしているということですね。

次回も読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年12月19日

第232回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑧

今日は第4パラグラフから読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(4)①How does a liberal education do that?

②Well, one of the ways in which it liberates us is by providing us with (2)much ampler living room.

③Each of us is bornin one little corner of this world and in one narrow segment of time.

④It doesn’t matter too much whether it’s in Hicksville, Nebraska, in 1901 or in Flatbush,Brooklyn, New York, in 1843.

⑤Either will prove rather cramped quarters if that is all we ever know.

⑥But history and literature can liberate us: they can make us acquainted with the rest of the world and with all of the experience of humanity itself.

問3 下線部(2)の内容を10字以内の日本語で説明しなさい。

第4パラグラフ

第1文

How does a liberal education do that?

この文の構造はわかりやすいですね。

では、文末のthatは何を指すでしょうか?

これは前のパラグラフの最後の分部にIf so, each of us deserves a liberal education ― one that helps us not merely to make a living but to live a fully satisfactory life.

(もしそうであれば、私たち一人一人が一般教養を受けるに値するのです。そして、一般教養は私たちが単に生活するだけでなく満足した生活をすることの手助けをしてくれるのです)とあるので、ここの後半部分を指すと考えられますね。

訳:
どのように一般教養をそれを成し遂げるのでしょうか?

第2文

Well, one of the ways in which it liberates us is by providing us with (2)much ampler living room.

文頭のWellは議論や意見のまとめ・終了時に使われていて「それでは、そして、次に、よって」と訳します。

この文の主語はone of the ways(一つの方法)です。ここに関係代名詞を含む in which it liberates us の部分がかかってきます。

この文は、もともとはit liberates us in the way(それは私たちをある方法で解放してくれる)です。

ここのthe wayが共通するので関係代名詞whichにかわり、直線の前置詞inと一緒に前に出てきてこの文ができています。訳す時は「私たちを解放してくれる方法」と訳します。

また、ここでのitは前文にあるa liberal education(一般教養)を指します。

少し離れましたがこの文の述語はis by ~の分部です。「~によってです」と訳します。

「何によってか」はproviding「提供することによって」です。

「誰に何を提供するのか」は provide A with B「AをBに提供する」という形になっているので、Aはus(私たちに)でBはmuch ampler living room(もっと広いリビングルーム)になります。

訳:
そして一般教養が私たちを解放してくれる一つの方法は私たちにもっと十分に広い居住空間を与えることです。

ここで設問を解きましょう

問3 下線部(2)の内容を10字以内の日本語で説明しなさい。

下線部はmuch ampler living room(もっと広い部屋)です。もちろんこれは比喩です。

どのような比喩かというと、「人間が奴隷ではなく自由人としてよりよく生きるためには一般教養を受ける権利がある」という論拠に基づくものです。

よって「より大きな部屋」は一般教養を学んで理解して実践するという土壌のことです。

解答 多くの知識や考え方

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いかがでしょう?

問3の解答を10字でまとめるのは少しきついかもしれませんが、まずは字数に関わりなくその核心を突く答えが出せるかが勝負です。

十分にロジックを理解していればつかめるはずです次回も読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年12月25日

第233回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑨

今日は第4パラグラフ第3文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(4)①How does a liberal education do that?

②Well, one of the ways in which it liberates us is by providing us with (2)much ampler living room.

③Each of us is born in one little corner of this world and in one narrow segment of time.

④It doesn’t matter too much whether it’s in Hicksville, Nebraska, in 1901 or in Flatbush, Brooklyn, New York, in 1843.

⑤Either will prove rather cramped quarters if that is all we ever know.

⑥But history and literature can liberate us: they can make us acquainted with the rest of the world and with all of the experience of humanity itself.

問3 下線部(2)の内容を10字以内の日本語で説明しなさい。

第4パラグラフ

第3文

Each of us is born in one little corner of this world and in one narrow segment of time.

この文の主語はEach of us (私たち一人ひとり)で。述語はis born(生まれている)です。

「どこで生まれているのか」は in one little corner of this world (世界の片隅)や in one narrow segment of time(時間の一時代の狭い範囲)にです。

訳:
私たち一人ひとりは世界のどこかで一つの時代の狭い範囲に生まれてきます

第4文

It doesn’t matter too much whether it’s in Hicksville, Nebraska, in 1901 or in Flatbush, Brooklyn, New York, in 1843.

この文の文頭のItは何を指すのでしょうか。後ろにwhether~とあるので、仮主語をしていったん処理しましょう。

すると述語はdoesn’t matter too much (あまり問題ではない)となります。whether~の部分の主語はit(それ)で、生まれた状況を指します。

述語はis in~(~の中)です、~の部分にはHicksville, Nebraska, in 1901 (1901年、ネブラスカ州、ヒックスビル)や Flatbush, Brooklyn, New York, in 1843(1843年ニューヨーク州ブルックリン、フラットブッシュ)です。

よって、whether~を名詞節として考え、「~かどうか」と処理すると文の意味がつながりるので、この文は仮主語のitと新主語のwhether~の関係でできていると考えて大丈夫です。

訳:
1901年、ネブラスカ州、ヒックスビルで生まれたか、1843年ニューヨーク州ブルックリン、フラットブッシュで生まれたかは大して重要ではないのです。

第5文

Either will prove rather cramped quarters if that is all we ever know.

まず主節と従属節を分けましょう。ifがある前後で分けましょう。ifは接続詞ですからここから後ろが従属節になります。

主節の文の主語はEither(どちらも)で述語はwill prove(証明します)です。

「何を証明するのか」は rather cramped quarters(かなり込み入った地域)です。

従属節を見ましょう。この部分の主語はthatです。述語はis all(すべてです)になります。

ここに関係詞whichが省略されてwe ever know(私たちがこれまでに知っている)がかかります。

訳:
それ以外の場所を私たちが知らないのであれば、どちらも狭苦しい一角でしかないのです。

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いかがでしょう?話が一般論になってきました。私たち一人ひとりの存在ということを考えています。

どのようなロジックにつながるのでしょうか。次回も読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2021年1月15日

第234回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑩

今日は第4パラグラフ第6文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(4)⑥But history and literature can liberate us: they can make us acquainted with the rest of the world and with all of the experience of humanity itself.

(5)①I’m well aware that the jet plane has allowed us to ( d ) space and has given us at least a tourist’s view of the rest of the globe.

②But all airports are alike and all luxury hotels are alike, and if you know nothing of ( A ), all the palaces, all the cathedrals, and all the castles soon come to look very much alike; just scampering around the globe does not give you much further information or ( e ) the imagination.

③It is the opening up of the past that is really important, telling you about human beings of thousands of years ago and providing you with a valuable perspective on our own age.

④We are not the only superpower to arise.

⑤The story of mankind is rich and interesting and can contain wisdom.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。

acquir / conquer / deserve / mean / stir

第4パラグラフ

第6文

But history and literature can liberate us: they can make us acquainted with the rest of the world and with all of the experience of humanity itself.

この文はコロンがあるのでその部分で2つに分けましょう。

前半部分の主語はhistory and literature (歴史と文学)です。述語はcan liberate us(私たちを解放してくれます)です。

後半部分の主語は theyですが、ここではhistory and literature (歴史と文学)を指します。述語はcan make(させてくれる)です。

「誰に何をさせてくれるのか」はus(私たち)に acquainted with(会わせてくれる)です。

「何と会わせてくれるのか」はthe rest of the world(世界の残りの人だち)です。さらにその後の部分も先ほどの動詞acquaintedからつながってきます。

with all of the experience of humanity itselfは「人類そのもののすべての体験」です。

訳:
しかし、歴史と文学は私たちを解放してくれます。つまり歴史や文学を学ぶと、世界中の人を知り合いになれますし、人類自身が体験してきたすべてのことに触れることができるのです。

第5パラグラフ

第1文

I’m well aware that the jet plane has allowed us to ( d ) space and has given us at least a tourist’s view of the rest of the globe.

この文の主語・述語はI’m well aware で「私は十分気が付いている」です。

「何に気が付いているのか」は that以下にあります。ここでの主語はthe jet plane(飛行機)で述語はhas allowed us (私たちが~するのを許す)です。

「何をするのか」はto ( d ) space (空間を~する)です。この~の部分が(d)です。

and has given usは「そして私たちに~を与えてくれる」です。「何を与えてくれるのか」はat least a tourist’s view (少なくとも旅行者の視点)です。

「何に対する視点か」はof the rest of the globe(世界の残りについて)です。

ここで設問1の( d )に入れる語を検討しましょう。

選択肢はacquire(獲得する)・conquer(征服する)・deserve(値する)・mean(意味する)・stir(かき混ぜる)ですから、「空間を~できる」に適切な語はconquer(征服する)ですね。正解はconquerです。

訳:
私は飛行機に乗れば、地理的な問題は解決できるし世界の残りを旅行者の視点で見ることができるのです。

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いかがでしょう?無生物主語の訳し方ですが、直訳でもよいのですが日本語としてしっくりこない場合は、主語の部分を「条件:もし~すれば」や「理由:~なので」と訳すとうまくいくことが多いです。

最後の文では「飛行機に乗る」ということが「一般教養を身につける」という比喩であり、「地理的な問題は解決できるし世界の残りを旅行者の視点で見る」とは「大局的にものを見る視点がえられる」ということの比喩であることに気が付いてください。

次回もロジックを読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2021年2月05日

第235回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑪

今日は第5パラグラフ第2文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(5)①I’m well aware that the jet plane has allowed us to ( d ) space and has given us at least a tourist’s view of the rest of the globe.

②But all airports are alike and all luxury hotels are alike, and if you know nothing of ( A ), all the palaces, all the cathedrals, and all the castles soon come to look very much alike; just scampering around the globe does not give you much further information or ( e ) the imagination.

③It is the opening up of the past that is really important, telling you about human beings of thousands of years ago and providing you with a valuable perspective on our own age.

④We are not the only superpower to arise.

⑤The story of mankind is rich and interesting and can contain wisdom.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。
acquire / conquer / deserve / mean / stir

問4 文中の( A )に入れるのに,もっとも適切な語を本文中から1語抜き出しなさい。

第5パラグラフ

第2文

But all airports are alike and all luxury hotels are alike, and if you know nothing of ( A ), all the palaces, all the cathedrals, and all the castles soon come to look very much alike; just scampering around the globe does not give you much further information or ( e ) the imagination.

この文は長いのでセミコロンの前後で分けましょう。

前半部分は短い主語と述語が羅列しています。1つ目はall airports(あらゆる空港)で述語はare alike(似ています)です。

2つ目はall luxury hotels(あらゆる高級ホテル)で述語はare alike(似ています)です。

次の部分はifという接続詞があります。if~は 「もし~なら」「例え~でも」「~かどうか」の訳をします。

ここは、副詞節ですので条件節「もし~ならば」として考えましょう。

ここでの主語はyouで述語は know nothing of ~(~について何も知らないなら)です。この~の部分が( A )ですが、後ろの部分を見てみましょう。

ここでは主語が3つ出てきて述語は1つです。主語はall the palaces(すべての場所)と all the cathedrals(すべての聖堂)と all the castles(すべてのお城)です。

述語はsoon come to look very much alike(すぐに全部がとても似ているように見えてくるだろう)です。

次のセミコロン(;)以下の部分は、その前までのまとめ的な役割です。

ここでの主語は just scampering around the globe(ただ単に地球をうろうろする)です。述語はdoes not give(与えません)です。

「誰に何を与えないのか」は you(あなた)に much further information (より深い情報)です。

つぎのor ( e ) the imaginationの部分ですがorが何をつないでいるのかを考えるとthe imagination(想像力)という名詞の前に( e )があるので、( e )には動詞が入り、先の主語は just scampering around the globe(ただ単に地球をうろうろする)を受ける動詞が入ることが推測されます。

つまり動詞の1目がdoes not give(与えません)であり2つ目が( e )です。

ここで設問1の( e )に入れる語を検討しましょう。

選択肢はacquire(獲得する)・conquer(征服する)・deserve(値する)・mean(意味する)・stir(かき混ぜる)ですから、「より深い情報を与えないし、想像力を~しない」となります。よって想像力を刺激する」という意味にしたいのでstir(かき混ぜる)が入りますね。

正解はstirです。

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いかがでしょう?

今回のロジックは「単に世界を歩き回ったとしても、より深く、大きなものは手に入りません。

その理由はすべてが同質な物に見えてくるからです。

なぜ同質に見えるのかはその違いを見る目、知識がないからです。その知識は歴史といった背景を学ぶことで得られます」というロジックです。

もちろんこの「歴史の知識」は「一般教養で得ることができるものです」という考えが裏にありますね。

次回もロジックを読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2021年2月12日

第236回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑫

今日は第5パラグラフ第2文と問4から進めていきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(5)①I’m well aware that the jet plane has allowed us to ( d ) space and has given us at least a tourist’s view of the rest of the globe.

②But all airports are alike and all luxury hotels are alike, and if you know nothing of ( A ), all the palaces, all the cathedrals, and all the castles soon come to look very much alike; just scampering around the globe does not give you much further information or ( e ) the imagination.

③It is the opening up of the past that is really important, telling you about human beings of thousands of years ago and providing you with a valuable perspective on our own age.

④We are not the only superpower to arise.

⑤The story of mankind is rich and interesting and can contain wisdom.

問1 文中の( a )~( e )に入れるのに,もっとも適切な語を下から選び,文法的に正しい形で記入しなさい。ただし,同じものを繰り返して用いないこと。
acquire / conquer / deserve / mean / stir

問4 文中の( A )に入れるのに,もっとも適切な語を本文中から1語抜き出しなさい。

問4の( A )に入れる語句を考えましょう。

前回、( A )を含む部分を「もしあなたがAについて何も知らないなら」と訳しました。これを受ける部分は( e )にstirを入れて訳すと「すべての場所、すべての場所、すべての聖堂、すべてのお城がすぐに全部がとても似ているように見えてしまうようになるでしょう。

ただ単に地球をうろうろしても、あなたはより深い情報えられませんし、想像力を刺激されることもないでしょう」となります。

「もし~を知らなければ、すべて同じに見えてしまう」というロジックですから、「何」について知らないとこうした事が起きるのかは、「広い視点を持たなければ」という意味であることがわかります。

ではこの「広い視点」に該当する語句を本文から探すと、第4パラグラフ第6文にBut history and literature can liberate us: they can make us acquainted with the rest of the world and with all of the experience of humanity itself.

(しかし、歴史と文学は私たちを解放してくれます。つまり歴史や文学を学ぶと、世界中の人を知り合いになれますし、人類自身が体験してきたすべてのことに触れることができるのです)。とありますから、history and literatureがキーワードです。

設問は一語とありますのでどちらが正解に適しているかですが、「すべて同質に見える」という視覚で考えると「history」を知っていれば建築様式の違いが判るでしょう。

また、「すべて同質に思える」という内的なもので考えると「文学」が答えになるでしょう。本問では網羅性の観点から「history」が良いでしょう。これは次の第5パラグラフの第一文で裏打ちされています。

正解はhistoryです。

訳:
もしあなたが歴史について何も知らないなら、すべての場所、すべての場所、すべての聖堂、すべてのお城がすぐに全部がとても似ているように見えてしまうようになるでしょう。

ただ単に地球をうろうろしても、あなたはより深い情報えられませんし、想像力を刺激されることもないでしょう。

第5パラグラフ

第3文

It is the opening up of the past that is really important, telling you about human beings of thousands of years ago and providing you with a valuable perspective on our own age.

この文は長いので2か所に区切りましょう。カンマがあるのでその前後で見ていきます。

まずIt is the opening up of the past that is really importantの部分ですが、この文は強調構文です。

その根拠は「It is」と「that」を取ると「the opening up of the past is really important」という文になりますね。

「It is」と「that」を外して文が成立すればそれは強調構文です。

the opening up of the past is really importantの主語はthe opening up of the past(過去に向かって開くこと)で述語はis really important(本当に大切です)となります。

これをもとに、主語を強調すればよいですね。この部分の訳は「過去に向かって目を開くことはとても大切なことです」となります。

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いかがでしょう?

今回のロジックは前回からのつながりで、過去を見る目が多様性を作り出し、それを生かせばより良い生活を過ごすことができる。というものです。

次回もロジックを読み込んでいきましょう。お楽しみに。

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2021年3月02日

第237回.医学部入試問題-英語「長文読解-信州大学医学部」⑬

今日は第5パラグラフ第3文から読み進めていきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の英文を読んで以下の問に答えなさい。

(5)①I’m well aware that the jet plane has allowed us to ( d ) space and has given us at least a tourist’s view of the rest of the globe.

②But all airports are alike and all luxury hotels are alike, and if you know nothing of ( A ), all the palaces, all the cathedrals, and all the castles soon come to look very much alike; just scampering around the globe does not give you much further information or ( e ) the imagination.

③It is the opening up of the past that is really important, telling you about human beings of thousands of years ago and providing you with a valuable perspective on our own age.

④We are not the only superpower to arise.⑤The story of mankind is rich and interesting and can contain wisdom.

第5パラグラフ

第3文

It is the opening up of the past that is really important, telling you about human beings of thousands of years ago and providing you with a valuable perspective on our own age.

この文は長いので2か所に区切りましょう。カンマがあるのでその前後で見ていきます。

まずIt is the opening up of the past that is really importantの部分ですが、この文は強調構文です。

その根拠は「It is」と「that」を取ると「the opening up of the past is really important」という文になりますね。「It is」と「that」を外して文が成立すればそれは強調構文です。

the opening up of the past is really importantの主語はthe opening up of the past(過去に向かって開くこと)で述語はis really important(本当に大切です)となります。

これをもとに、主語を強調すればよいですね。この部分の訳は「過去に向かって目を開くことはとても大切なことです」となります。

後半部分を見ましょう。文頭のtelling(話す)は分詞構文ですね。

接続詞と主語を考えると主語は真主語のthe opening up of the past(過去に向かって目を開くこと)ですから、「そして」そのことは話してくれます、とつながるのが自然ですね。

接続詞はandを考えましょう。次に「誰に何を話すのか」はyou (あなた)にabout human beings(人間について)です。

「どんな人間か」は of thousands of years ago(何万年も前の人間)です。

次の部分をみると、providing you ~、とまた分詞構文になっています。ここは先ほど同じ構造だと考え、「そして提供してくれます」と訳すとつながります。

「誰に何を提供してくれるのか」はyou(あなた)に with a valuable perspective(価値のある見識)です。「いつの見識か」は on our own age(私たちの時代についての)です。

訳:
重要なのは過去に目を向けることなのです。それは何千年もの前の人々について語り私たちの時代のについて価値のある見識を与えてくれるのです。

第4文

We are not the only superpower to arise.

この文の主語はWeで述語はare not the only superpower(たった一つの大国)です。

to ariseは「存在している」です。歴史的な観点で書いていますね。

訳:
私たちの今の国家だけが超大国ではないのです。

第5文

The story of mankind is rich and interesting and can contain wisdom.

この文の主語はThe story of mankind (人類の話)です。

述語はis rich and interesting (豊かで面白い)です。さらに動詞がありますが、主語はThe story of mankind (人類の話)です。can contain wisdomは「英知を含んでいる」です。

訳:

人類の歴史は豊かで面白く英知を含んでいるのです。

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いかがでしょう?

現代の私たちは過去の先人たちの積み重ねの恩恵を受けています。それを学ぶには広く心を開いて過去を学ぶこと一般教養を身に着けることだと述べています。

この意見には多くの人が同意するのでなないでしょうか。今回でこの問題は終わりです。

次回からまた新しい問題を解いていきましょう。お楽しみに。

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2021年3月05日
プロフィール
峰岸敏之

峰岸 敏之

1964年生まれ。早稲田大学大学院・法学研究科前期課程修了、法学修士。大手新聞社で新聞記者を経験後、講師業に転向。

河合塾や城南予備校、栄光ゼミナールなどの大手予備校や医学部予備校などで、大学受験ブロック長や英語科責任者などを務める。指導教科は英語と小論文。

2013年春に横浜に医学部予備校を開校し、「30年以上続く予備校を作り、医学部への合格者を1000人を出す」が目標。

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