医学部入試問題
医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学医学部」

医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学医学部」

峰岸先生が徹底解説!『医学部入試問題を斬る』

エースメディカルみなとみらいの峰岸先生が今回は名古屋市立大学医学部の過去問を解説します。

今回から「医学部入試の攻略」というテーマで医学部入試の対策講座を開設します。

入試問題の解説の他、受験に関する様々なテーマで入試に切り込んでいきます。

入試問題についても英語のみならず各科目はもとより、小論文、面接といったものも幅広く扱う予定です。

第154回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」①

今回から名古屋市立大学医学部の入試問題(2015年)を解いていきましょう。

今日は第1パラグラフから読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(1)①DNA taken from the tooth of a European hunter-gatherer has given scientists a new look at modern humans before the rise of farming.

②The Mesolithic* man, who lived in Spain around 7,000 years ago, had an unusual mix of blue eyes, black or brown hair, and dark skin, according to analyses of his genetic make-up.

(2)He was probably lactose* intolerant and had more difficulty digesting starchy* foods than the farmers who transformed diets and lifestyles when they took up tools in the first agricultural revolution.

*注
Mesolithic:中石器時代の lactose:乳糖 starchy:でんぷんの

第1パラグラフ

第1文
DNA taken from the tooth of a European hunter-gatherer has given scientists a new look at modern humans before the rise of farming.

主語はDNAでここにtaken以下がかかります。from the tooth of a European hunter-gathererの部分は「ヨーロッパの狩猟採集民の歯から」です。

述語は has given(与えている)です。「誰に、何を与えているのか」は scientists(科学者)に a new look (新しい考え方)です。

「何に対する新しい考え方か」はat modern humans(現生人類)に対してです。

ここに before the rise of farming(農業が始まる前の)がかかります。

「狩猟採集民」は文字通り食料を外部から調達していた民族のことです。

「現生人類」はどこまでをこの分類に含めるのかについての統一見解がないのですが、細かく知る必要はありません。

「今“私たち”になった人類」という分類で考えればよいでしょう。

訳:科学者たちは、ヨーロッパの狩猟採集民の歯から採取したDNAによって、農耕が始まる以前の現生人に対する新しい見解を持つようになりました。

第2文
The Mesolithic* man, who lived in Spain around 7,000 years ago, had an unusual mix of blue eyes, black or brown hair, and dark skin, according to analyses of his genetic make-up.

主語はThe Mesolithic* man(中石器時代の男性)です。

ここにカンマに囲まれた, who lived in Spain around 7,000 years ago,(約7,000年前にスペインで生きていた)がかかります。

述語はhad an unusual mix of~(通常ではない~のミックスをしていた)です。

「何のミックスか」はblue eyes, black or brown hair, and dark skin(瞳は青で髪は黒か茶で肌は褐色)です。

次のaccording to ~は「~によると」です。analyses of his genetic make-upは「彼の遺伝的な構造分析」です。

訳:約7,000年前にスペインで生きていた中石器時代の男性は、彼の遺伝的な構造分析によると、瞳は青で髪は黒か茶で肌は褐色という通常では見られない組み合わせをしていました。

第2パラグラフ

He was probably lactose intolerant and had more difficulty digesting starchy foods than the farmers who transformed diets and lifestyles when they took up tools in the first agricultural revolution.

主語はHeで述語は2つあります。一つ目はwas probably lactose intolerant(おそらく乳糖不耐性である)でもう一つは had more difficulty digesting starchy foods(でんぷんを含んだ食べ物の消化が難しい)です。

than the farmersは「農耕生活者よりも」です。その説明がwho~です。

transformed diets and lifestylesは「食事や生活を変えた」です。

「いつ変えたのか」はwhen they took up (取り上げたとき)です。「何を取り上げたのか」はtools(道具)です。

in the first agricultural revolutionは「最初の農業革命の時に」です。

訳:彼はおそらく乳糖不耐症ででんぷんを含む食物を消化するのが農耕民より難しかったようです。農耕民は最初の農業革命の間に道具を手に取ることで、食事も生活スタイルも変えました。


いかがでしょう。

「農業革命」は、ここでは狩猟生活から農耕生活に切り替わったことを指していますね。

通常は18世紀にイギリスで起きた「人口革命」ともいわれるほどの十分な食料をもたらす農業方法の革命を指します。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年9月21日

第155回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」②

今日は第3パラグラフから読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(3)①The invention of farming brought humans and animals into much closer contact, and humans likely evolved stronger immune systems to protect against infections that the animals passed on.

②But scientists may have overestimated the impact farming had in shaping the human immune system, because tests on the hunter-gatherer’s DNA found that he already carried mutations* that boost the immune system to tackle various nasty bugs.

*注 mutations:遺伝情報の変化

第3パラグラフ

第1文
The invention of farming brought humans and animals into much closer contact, and humans likely evolved stronger immune systems to protect against infections that the animals passed on.

主語はThe invention of farming(農業の革新)で述語は brought(もたらした)です。

「誰に・何をか」は humans and animals(人間と動物)に into much closer contact(より緊密な関係)です。

さらにその結果としてhumans (人間)はlikely(おそらく) evolved(発達させた)という文が続きます。

「何を発達させたのか」は stronger immune systems(おそらく進化した免疫システム)です。

to protect against infectionsは「感染から守るために」です。「何の感染か」は that~ですから the animals passed on(動物から伝染した)です。は「渡す・伝える」です。

pass on to Aで「Aに渡す・伝える」という意味になるので、the animals passed on(to human)「動物が(人間に)渡す」が直訳です。

ですから「動物から伝染した」という訳でよいでしょう。

訳:革新的な農業によって人間と動物の距離が近くなり、動物からの感染を防ぐために人間はより強い免疫系をおそらく発達させました。

第2文
But scientists may have overestimated the impact farming had in shaping the human immune system, because tests on the hunter-gatherer’s DNA found that he already carried mutations* that boost the immune system to tackle various nasty bugs.

主語はscientists(科学者)で述語はmay have overestimated(高く見積もりすぎたかもしれない)です。

「何を高く見積もりすぎたのか」は the impact(影響)です。「どんな影響か」は farming had(農耕が与えた)です。

「いつか」は in shaping(形作るときに)です。「何を形作るのか」は the human immune system(人が免疫系を作る)です。

because以下は「高く見積もりすぎたかもしれない」ことの根拠が述べられます。

この文の主語はtests(検査)です。「何に対する検査か」は on the hunter-gatherer’s DNA(狩猟民のDNA)です。

述語は found that~(~であることを示した)です。

「何を示したのか」は he already carried mutations(遺伝情報の変化がすでにこの狩猟民におきていたこと)です。

「どんな変化か」はthat boost the immune system(免疫系を強化する)変化です。

to tackle various nasty bugsは「様々な不潔なばい菌に対応するために」です。

訳:しかし科学者は人間は免疫系を構築する際に、農耕生活が与えた影響を高く評価しすぎかもしれません。その理由は、この狩猟民のDNA検査では不潔なばい菌に対応するために免疫系を高めるような遺伝情報の変化をすでにさせていたことがわかりました。


いかがでしょう。

農耕生活をすることによってさまざまに人類の変化がもたらされました。

免疫系との関係を考察する文ですが、どんな事実がわかるのでしょう。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年9月28日

第156回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」③

今日は第3パラグラフ第3文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(3)③Some live on in modern Europeans today.

(4)①”Before we started this work, I had some ideas of what we were going to find,” said Carles Lalueza-Fox, who led the study at the Institute of Evolutionary Biology in Barcelona.②”(1)①out / ②completely / ③of / ④turned / ⑤to / ⑥ideas / ⑦most / ⑧those / ⑨be / ⑩wrong.”

問1 下線部(1)を文意に合うように記号で並べなさい。

第3パラグラフ

第3文

Some live on in modern Europeans today.

主語はSome(いくつかは)で述語はlive on(生き続けている)です。

「どこで生きているのか」は in modern Europeans today(今日でも現代のヨーロッパ人のなかにです。

訳:今日でもヨーロッパ人の中に生き残っているものもあります。

第4パラグラフ

第1文
“Before we started this work, I had some ideas of what we were going to find,” said Carles Lalueza-Fox, who led the study at the Institute of Evolutionary Biology in Barcelona.

この部分はセリフです。

発言者はCarles Lalueza-Fox, who led the study at the Institute of Evolutionary Biology in Barcelona(バルセロナにある進化生物学研究所のカルエス・ラルエサ・フォックス氏)です。

Before we started this workは前置きです「この仕事(研究)を始める前に」です。

主語はIで述語はhad some ideas(いくつかの考えがあった)です。「何についての考えか」は of what we were going to find(我々が発見しようとするもの)についてです。

訳:バルセロナにある進化生物学研究所のカルエス・ラルエサ・フォックス氏は「私たちはこの研究を始める前に我々が発見するものについていくつかの考えがありました」と述べています。

第2文
ここで問1(下線部(1)を文意に合うように記号で並べなさい)を考えていきましょう。

この部分はセリフですから先のフォックス氏の発言の一部です。「いくつかの考えがあった」に続く流れです。

まず語群を整理します①out:外へ / ②completely:完全に / ③of:~について / ④turned:向かう / ⑤to:~へ / ⑥ideas:考え / ⑦most:最も / ⑧those:それらの / ⑨be:~である / ⑩wrong:間違っている

一文を作るわけですから動詞を確定します。

すると④turned:向かう、か⑨be:~である になりますが、
⑨be:~であるは単独では述語動詞にはなれませんから④turned:向かう、で決定します。

次に主語を考えます。
名詞は⑥ideas:考え、しかありませんのでこれで主語と述語動詞が確定 (ideas turned) しました。

あとは修飾語を考えていきます。語群を眺めていてturn out to be ~(~であることが判明する)にピンとくるようにしてください。

これを思い出せば~の部分には⑩wrong:間違っている、がくると思いつきます。

残ったものを、ここまで作ったかたまりに当てはめると②completely:完全には ⑩wrong:間違っている、にかければよいことになり⑦most:最もは③of:~について、とセットになり ⑧those:それらの ⑥ideas:考え、の前に置かれることになります。

よって正解はmost of those ideas turned out to be wrong(⑦、③、⑧、⑥、④、①、⑤、⑨、②、⑩)となります。

訳:「そうした考えのほとんどは間違っていたことが判明しました」


いかがでしょう。

語群整序は前回のシリーズでかなり練習しました。

その成果がでていますか?そうでない人は復習をしておきましょう。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年10月05日

第157回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」④

今日は第5パラグラフから読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(5)①The Spanish team started their work after a group of cavers (A)stumbled upon two skeletons in a deep and complex cave system high up in the Cantabrian Mountains of northwest Spain in 2006.

②The human (B)remains, which belonged to two men in their early 30s, had been extremely well preserved by the cool environment of the cave.

問2 下線部(A)の意味している内容と最も類似の意味をもつ単語を選んで記号で答えなさい。
a) dug b) made c) discovered d) obtained e) caught
問3 下線部(B)と同じ意味の単語1語を文中から抜き出して答えなさい。

第5パラグラフ

第1文
The Spanish team started their work after a group of cavers (A)stumbled upon two skeletons in a deep and complex cave system high up in the Cantabrian Mountains of northwest Spain in 2006.

主語はThe Spanish team(スペインのチーム)で述語は started (始めた)です。

「何を始めたのか」はtheir work(研究を)です。after~は「~した後で」です。a group of caversは「洞窟を探検していたグループ」です。

stumbled upon は「偶然見つけた」です。「何を見つけたのか」はtwo skeletons (2体の骸骨)です。

「どこで見つけたのか」はin a deep and complex cave system(深く複雑になっている洞窟の形状のなかで)です。

「その位置」は high up in the Cantabrian Mountains of northwest Spain (スペイン北西のカンタブリアン山脈の上方)です。「いつ見つかったのか」はin 2006(2006年)です。

訳:2006年、スペイン北西のカンタブリリアン山脈の上部にある深く複雑な構造の洞窟で、洞窟探検のグループが2体の骸骨を偶然に見つけたあとでスペインの調査チームが調査を始めました。

ここで設問を解きましょう。

(A)stumbled uponのstumbleはもともと「よろめく、つまずくという意味です」。

選択肢をみましょう。

a) dugはdig(掘る)の過去形です。b) madeはmakeの過去形です。c) discoveredは「発見した」です。 d) obtainedは「手に入れた」です。e) caughtは「捕まえた」です。

下線はstumbledにだけひかれているので受験生としては混乱するかもしれませんが、(A)stumbled upon は「偶然見つける」という意味があります。出題者の意図をしっかりくみ取ってください。

よって、ここではc) discoveredは「発見した」が最も近いと思われます。正解は( c )です。

第2文
The human (B)remains, which belonged to two men in their early 30s, had been extremely well preserved by the cool environment of the cave.

主語はThe human (B)remains(ヒトの遺骨)です。次にあるカンマは2か所あるのでいったんここをとばします。

そうすると述語had been extremely well preserved (非常に良い状態で保存されていた)がつながります。

「どのように保存されていたのか」はby the cool environment of the cave(洞窟の涼しい環境で)です。飛ばした部分を見ましょう。

, which belonged to two men in their early 30s,(そしてそれは30代の2人の男性に相当した)です。

これを先の主語にかけていけばいいですね。

訳:発見された遺骨は30代の二人の男性のもので、洞窟の低温度の環境で非常に良い状態で保存されていました。


いかがでしょう?

同意語の選択は文脈を追えばできますね。

しっかり前後をみて当てはまる選択肢を考えてください。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年10月12日

第158回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑤

今日は第6パラグラフから読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(6)①Carbon dating* put the remains at around 7,000 years old, before farming had swept into Europe from the Middle East. ②The timing fitted with ancient artefacts* found at the site, including reindeer teeth that were strung and hung from the people’s clothing.

(7)①The scientists focused their efforts on the better preserved of the two skeletons.

carbon dating:放射性炭素年代測定法  artefacts:人工物

第6パラグラフ

第1文
Carbon dating* put the remains at around 7,000 years old, before farming had swept into Europe from the Middle East.

主語はCarbon dating (放射性炭素年代測定)で述語はput(告げた)です。「告げた」とはこの測定方法で「わかった・判明した」ということです。

「何がわかったのか」は the remains(その遺体)がat around 7,000 years old(約7000年前のものであること)です。

before~は「~より前に」です。「何より前か」を読むには順に、farming (農業)がhad swept into (広まった)、Europe(ヨーロッパに)、from the Middle East(中東から)と読んでいけばわかりますね。

「放射性炭素年代測定」は年代測定方法の一種で、炭素の壊変度合いを調べて対象物の年代を推測する方法です。炭素14の半減期(5730年)を利用して測定します。

訳:放射性炭素年代測定のよると、この遺体は約7000年前のもので、農業が中東からヨーロッパに広がる以前のものでした。

第2文
The timing fitted with ancient artefacts* found at the site, including reindeer teeth that were strung and hung from the people’s clothing.

主語はThe timing (その時期は)で、述語はfitted with ~(~と一致した)です。

「何と一致したのか」はancient artefacts(古代の人工物)です。ここにfound at the site(その現場で発見された)がかかります。

including以下は分詞構文です。 reindeer teethは「トナカイの歯」です。 were strung and hungは「糸を通されて吊るされた」です。from the people’s clothingは「服から」です。

訳:その時期はその現場から見つかった人工物と一致しました。その人工物には穴をあけて服につるされているトナカイの歯が含まれています。

第7パラグラフ

第1文
The scientists focused their efforts on the better preserved of the two skeletons.

主語はThe scientists(科学者)で述語はfocused (焦点を当てた)です。「何をどこにか」はtheir efforts(努力)を on the better preserved of the two skeletons(保存状態がより良い2つの遺骨に)です。

訳:科学者たちは、保存状態のより良好だった2体の遺骨に集中的に取り組みました。


いかがでしょう。

放射性炭素年代測定を使ってかなり細かく年代の特定ができるようになってきました。

それによって定説が覆されることもあります。

今回もそれを暗示しています。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年10月19日

第159回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑥

今日は第7パラグラフ第2文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(7)②After several failed attempts, they managed to reconstruct the man’s entire genome* from DNA found in the root of a third tooth.

③It is the first time researchers have obtained the complete genome of a modern European who lived before the Neolithic* revolution.

(8)①The DNA threw up a series of surprises.

genome:ゲノム(すべての遺伝情報) Neolithic:新石器時代の

第7パラグラフ

第2文
After several failed attempts, they managed to reconstruct the man’s entire genome* from DNA found in the root of a third tooth.

After several failed attemptsは「何回かの失敗の後で」です。

主語はthey で「研究グループ」です。述語はmanaged to ~で「何とか~した」です。

「何をしたのか」はreconstruct (再構築)です。「何の再構築か」はthe man’s entire genome(その男性の完全なゲノム)です。

from DNA found in the root of a third toothは「第3歯の根元で見つかったDNAから」です。

訳:何回かの失敗の後、研究グループはこの男性の第3歯の根元から採取したDNAから完全なゲノムを復元しました。

第3文
It is the first time researchers have obtained the complete genome of a modern European who lived before the Neolithic* revolution.

主語はItです、これは後ろの文を指します。

述語はis the first time(初めてです)です。researchers have obtainedは「研究者が入手した」です。

「何を入手したのか」はthe complete genome (完全なゲノム)です。

「どんなゲノムか」はof a modern European who lived before the Neolithic revolution(新石器革命より前に生きていた現世のヨーロッパ人)です。

 he Neolithic revolution(新石器革命)は、前回筆者が使っていたthe first agricultural revolution(最初の農業革命)と同義でつかっているようですね。

訳:研究者が新石器革命より前に生きていた現世のヨーロッパ人の完全なゲノムを入手したのはこれが最初でした。

第8パラグラフ

第1文
The DNA threw up a series of surprises.

主語はThe DNA(このDNA)で述語はthrew up (吐き出した)です。「何を吐き出したのか」はa series of surprises(たくさんの驚き)です。

訳:このDNAは驚きの連続でした。


いかがでしょう。

ゲノム情報から様々なことが分析され推測されていきます。

今回の場合は皮膚の色と目の色につながる発見が「驚きの連続」だったのですね。

それは従来のものとはどのように違うのでしょう?次回もこの続きを読み解いていきましょう。

お楽しみに。

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2018年10月26日

第160回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑦

今日は第8パラグラフ第2文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(8)②When Lalueza-Fox looked at the genome, he found that rather than having light skin, the man had gene variants that tend to produce much darker skin.

③”This guy had to be darker than any modern European, but we don’t know how dark,” the scientist said.

(9)①Another surprise finding was that the man had blue eyes.

第8パラグラフ

第2文
When Lalueza-Fox looked at the genome, he found that rather than having light skin, the man had gene variants that tend to produce much darker skin.

When Lalueza-Fox looked at the genomeは「フォックス氏がこのゲノムを見たとき」です。

主語はhe(彼は)で、述語はfound that~(~に気が付いた)です。

「何に気が付いたのか」は rather than having light skin(明るい皮膚の色というより) the man(この男性は) had gene variants(遺伝子の因子を持っていた)ということです。

「どんな因子か」は that tend to produce much darker skin(より濃い肌の色を作り出す傾向のある)です。

light skin(明るい皮膚の色)はここでは白色ということですね。

訳:フォックス氏はこのゲノムを見たときに、この男性の肌の色は白色というより、より濃い色を作り出すゲノム因子を持っていることに気が付きました。

第3文
“This guy had to be darker than any modern European, but we don’t know how dark,” the scientist said.

この部分はセリフです。発言者はthe scientist(この科学者)とあるようにフォクスさんです。

発言の中身はThis guy(この男性)が主語で述語はhad to be(~であったはずです)です。「何であったはずか」はdarker(濃かった)です。

than any modern Europeanは「どんなヨーロッパ人よりも」です。

but we don’t know how darkは「しかし、どの程度濃かったのかはわかりません」です。

訳:フォックスさんは「この男性はどんなヨーロッパ人よりも肌に色が濃かったはずです。どれだけ濃かったのかはわかりませんが」と言っています。

第9パラグラフ

第1文
Another surprise finding was that the man had blue eyes.

主語はAnother surprise finding(もう一つの驚くべき発見)です。

述語は was that ~(~でした)です。「~」の部分はthe man had blue eyes(この男性の目は青でした)です。

訳:もう一つの驚くべき発見は、この男性の目は青かったということでした。


いかがでしょう。

ヨーロッパ人の「白い肌」に「青い目」という組み合わせができるに至る順番が逆だったかもしれないということですね。

従来の定説が覆される可能性の話は面白いですね。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。

お楽しみに。

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2018年11月06日

第161回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑧

今日は第9パラグラフ第2文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(9)②That was unexpected, said Lalueza-Fox, because the mutation for blue eyes was thought to have arisen more recently than the mutations that cause lighter skin colour.

③The results suggest that blue eye colour came first in Europe, with the change to lighter skin ongoing through Mesolithic times.

(10)①On top of the scientific impact, artists might have to rethink their drawings of the people.

第9パラグラフ

第2文
That was unexpected, said Lalueza-Fox, because the mutation for blue eyes was thought to have arisen more recently than the mutations that cause lighter skin colour.

この文は順番に頭から訳していきましょう。

That was unexpectedは「そのことは予想外でした」です。said Lalueza-Foxの部分は主語が Lalueza-Fox(ラルエサ・フォクス)で述語はsaid(述べた)です。

述べた中身が文頭にきています。because~は「(予想外だったということの)理由」を述べています。

この部分の主語は the mutation(突然変異)で「何に対してか」は for blue eyes(青い目に対して)です。

述語はwas thought で「考えられた」です。「どのように考えられていたのか」はto have arisen more recently(より最近に生じた)ということです。

「いつよりも最近か」はthan the mutations that cause lighter skin colour(肌の色が白くなった突然変異よりも最近)です。

訳:フォックス氏はこの発見は予想外であったと述べています。その理由は青い目への突然変異は肌の色が白くなった突然変異よりも後、つまり、より最近に生じたと考えられていたからです。

第3文
The results suggest that blue eye colour came first in Europe, with the change to lighter skin ongoing through Mesolithic times.

主語はThe results(この結果は)で、述語はsuggest that ~(~を示しています)です。その中身を見ましょう。

主語はblue eye colour(青い目の色)で述語はcame first(最初に生じた)です。

「どこで生じたか」はin Europe(ヨーロッパで)です。with the changeは「変化とともに」です。

「どんな変化か」は to lighter skinは「肌の色が白くなる」変化です。

ongoingは「現在まで続く」です。through Mesolithic timesは「中石器時代から」です。

訳:この結果によると、ヨーロッパで、まず目の色が青くなっていき、中石器時代から現在につながるまでに、肌の色が白くなっていったことを示しています。

第10パラグラフ

第1文
On top of the scientific impact, artists might have to rethink their drawings of the people.

文頭のOn top of ~は「~に加えて」です。

scientific impactは「科学的な衝撃」です。

次の部分の主語はartists(芸術家たち)で述語はmight have to rethink(再考せざるを得ないかもしれない)です。

「何を再考するのか」their drawings of the people(自分たちの描いた人間の姿)です。

訳:科学的な衝動に加えて、芸術家たちも自分が描いた人間の姿を再考しなければならないのかもしれません。


いかがでしょう。

芸術おいても、古代人の姿で「青い目」で「肌の黒い」ものは見たことがないですね。

この様子はおもしろいですね。次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年11月09日

第162回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑨

今日は第10パラグラフ第2文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(10)②”You see a lot of reconstructions of these people hunting and gathering and they look like modern Europeans with light skin.

③You never see a reconstruction of a mesolithic hunter-gatherer with dark skin and blue eye colour,” Lalueza-Fox said.

④Details of the study are published in the journal, Nature.

(11)①(2)The Spanish team went ( a ) to compare the genome ( b ) the hunter-gatherer ( c ) those of modern Europeans from different regions to see how they might be related.

問4 下線部(2)のa,b,cの( )に入る最も適切な言葉を以下から1回ずつ選んで入れ,文章を完成させなさい。
under  of  over  to  on

第10パラグラフ

第2文
“You see a lot of reconstructions of these people hunting and gathering and they look like modern Europeans with light skin.

この部分はセリフです。主語はYou(あなた)で述語はsee(目にする)です。

a lot of reconstructions (たくさんの復元物)です。「何の復元物か」はof these people hunting and gathering(狩猟や採取をしている人)です。

次の文の主語はtheyで述語はlook (見える)です。「どのように見えるのか」はlike modern Europeans (現世のヨーロッパ人)です。with light skinは「明るい肌の色をした」です。

訳:「あなたは狩猟や採取をしている人の復元をよく目にするでしょう。そこにいる人は白い肌を持つ現世ヨーロッパ人のようにみえるでしょう。

第3文
You never see a reconstruction of a mesolithic hunter-gatherer with dark skin and blue eye colour,” Lalueza-Fox said.

この文もセリフの続きです。発言者はフォックスさんです。

この文は前文と対応して書かれています。

主語はYou(あなたは)で述語はnever see a reconstruction (復元物を目にしない)です。

「何の復元物か」はof a mesolithic hunter-gatherer (中石器時代の狩猟・採取民)です。

その状態はwith dark skin and blue eye colour(濃い肌の色で青い目をしている)です。

訳:あなたは濃い肌の色をしていて目の色が青い中石器時代の狩猟採集民の復元物は目にしないでしょう」とフォックスさんは話します。

第4文
Details of the study are published in the journal, Nature.

主語はDetails of the study (研究の詳細)で述語はare published(出版されます)です。 in the journal, Natureは「“ネイチャー”誌に」です

訳:その詳細な研究はネイチャー誌で発表されます。

第11パラグラフ

第1文
(2)The Spanish team went ( a ) to compare the genome ( b ) the hunter-gatherer ( c ) those of modern Europeans from different regions to see how they might be related.

この文は穴埋めなので、構造をとってみましょう。

主語はThe Spanish team(スペイン人のチーム)で述語はwent ( a )です。

次のto compareは、toが不定詞か前置詞かわからないので動詞compareに着目しておきます。compare A to Bで「AとBを比較する」です。これを頭に入れて読み進めましょう。


いかがでしょう。

穴埋め問題はこれまでの流れからやり方はわかると思います。

さっそく解いてみてください。

次回もこの答え合わせをやり、続きを読み解いていきましょう。

お楽しみに。

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2018年11月16日

第163回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑩

今日は前回の続きで第11パラグラフの設問を解いていきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の文章を読み、下の問いに答えなさい。

(11)①(2)The Spanish team went ( a ) to compare the genome ( b ) the hunter-gatherer ( c ) those of modern Europeans from different regions to see how they might be related.

問4 下線部(2)のa,b,cの( )に入る最も適切な言葉を以下から1回ずつ選んで入れ,文章を完成させなさい。
under of over to on

第11パラグラフ

第1文
(11)①(2)The Spanish team went ( a ) to compare the genome ( b ) the hunter-gatherer ( c ) those of modern Europeans from different regions to see how they might be related.

前回、構造をとりましたね。主語はThe Spanish team(スペイン人のチーム)で述語はwent ( a )です。

次のto compare のtoは不定詞か前置詞かの問題があるので先に「AとBを比較する」のcompare A to Bから考えましょう。

Aの部分には the genome (ゲノム情報)が来ますから、これを「この遺骨のDNAから採取したDNAと現代のヨーロッパ人のDNAを比べる」というロジックになりますね。

ここまでが前半です。述語のwent ( a )は目的語がありませんのでここで完結するものと考えます。ここで問4を解きましょう。

問4 設問: 下線部(2)のa,b,cの( )に入る最も適切な言葉を以下から1回ずつ選んで入れ,文章を完成させなさい。

under of over to on

( a )を解きましょう。
The Spanish team went ( a )の部分は主語と述語ですから、選択肢under・of・over・to・onが次のto compareにつながるかを見ながらすすめましょう。

go underは「下に進む」・ go overは「超えていく」はto compareを不定詞と取って文法的には成り立ちますが意味をなしませんのでダメです。

・go toは「に行く」・go ofは後ろにto compareをとれません。

残った選択肢のonはgo on to doで「~を続ける」となります。

よってここではonが正解になります。

( b )を解きましょう。
( a )の後ろを2か所にきります。

まず、to compare the genome ( b ) the hunter-gatherer ( c ) those of modern Europeans from different regionsまでがひとつながりになります。

the genome ( b ) the hunter-gathererの部分は後ろのthose of modern Europeans from different regionsと対比されます。

ここのthoseはさきのthe genomeの繰り返しを避けたものです。

よって「狩猟・採取民のゲノム」という意味にするには選択肢のofを選べばよいでしょう。

( c )を解きましょう。

先述したようにcompareはtoを取るので( c )入れてみて意味が通るか検証しましょう。

するとThe Spanish team went on to compare the genome of the hunter-gatherer to those of modern Europeans from different regions (スペインチームは、この狩猟・採取民のDNAと、異なった地域の現代のヨーロッパ人のDNAの比較を続けました)となり意味が完成します。よって正解はtoです。

正解 問4.a. on b. of c. to

正解を入れた文はこのようになります。
The Spanish team went on to compare the genome of the hunter-gatherer to those of modern Europeans from different regions to see how they might be related.

文末にある to see how they might be relatedは「いかにそれらが関係しているかを調べるために」です。

訳:スペインのチームは狩猟・採取民のゲノムと異なる地域の現代ヨーロッパ人のゲノムを相互に関連があるのかどうかを調べるために比較しました。


いかがでしょう。

整序の問題の解き方は①文の意味をある程度個定し、かたまりを作る②与えられた単語の品詞を手掛かりに素早く並べる、を徹底してください。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年11月30日

第164回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑪

今日は第11パラグラフ第2文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の文章を読み、下の問いに答えなさい。

(11)②They found that the ancient DNA most closely matched the genetic makeup of people living in northern Europe, in particular Sweden and Finland.

(12)①The discovery of mutations that strengthened the immune system against bacteria and viruses suggests that the shift to a farming culture in Neolithic times did not drive all of the changes in immunity genes that Europeans carry today.

②At least some of those genetic changes have a history that stretches further back.

第11パラグラフ

第2文
They found that the ancient DNA most closely matched the genetic makeup of people living in northern Europe, in particular Sweden and Finland.

主語はThey(研究チーム)で述語はfound (発見した)です。「何を発見したのか」はthat以下です。

その中身を見てみましょう。主語はthe ancient DNA(古代のDNA)です。述語はmost closely matched (もっとも近くマッチした)です。

「何にマッチしたのか」はthe genetic makeup(遺伝子の構造)です。

「どんな遺伝子構造か」はpeople living in northern Europe(北ヨーロッパに住む人)です。

in particular Sweden and Finlandは「特にスウェーデンとフィンランド」です。

訳:研究チームは、この古代のDNAは北ヨーロッパ、とくにスウェーデンやフィンランドに住む人の遺伝子構造に最も適合することをつかみました。

第12パラグラフ

第1文
The discovery of mutations that strengthened the immune system against bacteria and viruses suggests that the shift to a farming culture in Neolithic times did not drive all of the changes in immunity genes that Europeans carry today.

主語はThe discovery of mutations(突然変異の発見)です。

ここに関係代名詞 that以下がかかります。

「どんな突然変異か」はstrengthened the immune system(免疫系を強めた)です。

「何に対する免疫系か」はagainst bacteria and viruses(バクテリアやウイルス)に対してです。

述語は suggests~で「~を示唆しています」でし。

その中身を見ると主語はthe shift to a farming culture in Neolithic times「中石器時代の農耕文化へのシフト」です。

述語は did not drive all of the changes(すべての変化をもたらしたわけではない)です。

この文はnotとallがあるので「部分否定」で「~というわけではない・~とは限らない」と訳します。

in immunity genes は「免疫の遺伝子で」です。that Europeans carry todayは「今日のヨーロッパ人が持っている」です。

訳:バクテリアやウィルスに対する免疫を強めた遺伝子の発見は今日のヨーロッパ人が持っている免疫の遺伝子のあらゆる変化が中石器時代の農耕文化へ移っていったことによるものではないことを示唆しています。

第2文
At least some of those genetic changes have a history that stretches further back.

文頭のAt leastは「少なくとも」です。主語はsome of those genetic changes(こうした遺伝子の変化のいくつかは」です。

述語はhave a history(歴史を持っている)です。「どんな歴史か」は stretches further back(かなり昔にひろがってさかのぼる)です。

訳:少なくとも、こうした遺伝子の変化の中には、かなり以前にさかのぼる歴史を持ったものもあるのです。


いかがでしょう。

中石器時代に人類が農耕文化を始めたことで遺伝子のあらゆる変化が起きた、と考えることは時には誤っているかもしれないということですね。

次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年12月07日

第165回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑫

今日は第12パラグラフ第3文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の文章を読み、下の問いに答えなさい。

(12)③”One thing we don’t know is what sort of pathogens* were affecting these people,” said Lalueza-Fox.

(13)①Martin Jones, professor of archaeological science at Cambridge University, said the immunity genes were the most striking result. ②”(3)Many people believe that the move from a hunter-gatherer lifestyle to settled farming was initially bad for our health.

pathogens:病原体

問5 下線部(3)を65字以内の日本語に訳しなさい

第12パラグラフ

第3文
“One thing we don’t know is what sort of pathogens* were affecting these people,” said Lalueza-Fox.

この文はセリフです。発言者はフォックスさんです。

セリフの中身をみると、主語はOne thing we don’t know (私たちがわからないことの一つ)です。

「何がわからないのか」の部分が述語にあたります。what sort of pathogens were affectingは「どのような種類の病原体が影響しているのか」です。

「誰に影響しているのか」はthese people(こうした人に)です。

訳:ローレンゾ・フォックスさんは「私たちがわからないことの一つは、どんな種類の病原体がこうした人に影響しているのかということです」と話しています。

第13パラグラフ

第1文
Martin Jones, professor of archaeological science at Cambridge University, said the immunity genes were the most striking result.

主語はMartin Jones(マーティン・ジョーンズ)さんです。

その肩書は professor of archaeological science at Cambridge University(ケンブリッジ大学の考古科学教授)です。述語はsaid(述べました)です。

その中身は、主語がthe immunity genes(免疫系の遺伝子)で述語はwere the most striking result(もっとも衝撃的な結果でした)です。

訳:ケンブリッジ大学のマーティン・ジョーンズ考古科学教授は、免疫系の遺伝子が最も衝撃的な結果であると述ました。

第2文
Many people believe that the move from a hunter-gatherer lifestyle to settled farming was initially bad for our health.

ここで問5を解きましょう。

問 下線部(3)を65字以内の日本語に訳しなさい

主語はMany people(多くの人)で述語はbelieve(思っている)です。

「何を思っているのか」は that以下です。ここの主語はthe move(移動)で、述語はwas initially bad for our health.(健康にとって初めのうちは悪い)です。

initiallyは「当初は」です。from a hunter-gatherer lifestyle to settled farming(狩猟の生活から定住した農耕生活へ)はthe move(移動)にかかります。

訳出のポイントとしてはMany people believe that ~の部分の直訳は「多くの人は~と信じている」ですが、「一般的に信じられている(考えられている)ことは~だ」や「一般的には~だ」でよいでしょう。

構造ではthe move from A to B(AからBへの移動)という部分をしっかりつかんでください。

Aはa hunter-gatherer lifestyleでBはsettled farmingですBの部分ではlifestyleが省略されています。

問5

訳例1 多くの人は狩猟生活から定住した農耕生活への移行は健康にとって初めのうちは悪いものだと考えていました。

訳例2 一般に、狩猟生活から定住した農耕生活へ移ったことは健康には害があったと当初は考えられていました。


いかがでしょう。下線部和訳のポイントは、構造をしっかりつかむこと。

指示語をおさえることです。次回もこの続きを読み解いていきましょう。お楽しみに。

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2018年12月21日

第166回.医学部入試問題-英語「長文読解-名古屋市立大学」⑬

今日は第13パラグラフ第3文から最後までを読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

次の文章を読み、下の問いに答えなさい。

(13)③A number of factors contributed, particularly living closely together with
other humans and animals, shrinking the food web, and crowding-out water supplies.

④The authors are drawing attention to the role of pathogens in pre-agricultural lives, and that is interesting.”

第13パラグラフ

第3文
A number of factors contributed, particularly living closely together with other humans and animals, shrinking the food web, and crowding-out water supplies.

この部分も前から続くセリフの一部です。発言者はジョーンズ教授です。

A number of ~は「たくさんの~」です。「~」の部分にはfactors(要素)がきています。ここまでが主語です。述語はcontributed(原因となった)です。

particularly は「特に」です。livingはここでは動名詞で「住むこと」です。

closely together with other humans and animalsは「他の人間や動物と一緒に近くに」です。

次のshrinkingも動名詞で「縮めたこと」です。この部分も先のparticularly は「特に」からつながるものです。

「何を縮めたのか」は the food web(食物の範囲)です。crowding-out は「押し出す」です。water suppliesは「水分の供給」です。

この部分も動名詞ですから、particularly (特に)は、living(住むこと)、shrinking(縮めたこと)、crowding-out(締め出したこと)の3つのことを羅列しています。

これがfactors(要素)の中身で、contributed(原因となった)ことです。

訳:たくさんの要因がありますが、特に、他の人間や動物と一緒に近くで生活したこと、食べ物の種類を狭めたこと、水の供給を締め出してしまったことです。

第4文
The authors are drawing attention to the role of pathogens in pre-agricultural lives, and that is interesting.”

この部分もセリフです。主語はThe authors(著者たち)で述語は are drawing attention(注目している)です。

「何に注目しているのか」はto the role (役割)です。「どんな役割か」はof pathogens (病原体)です。

「どこの病原体か」はin pre-agricultural lives(農耕以前の生活)です。次の部分はthat(そこが)が主語で is interesting(面白いところです)が述語です。

訳:著者たちは農耕が始まる前の生活の病原体の役割に注目しています。そそして、そのことが興味深いのです」


いかがでしょう。今回でこの文章は終わりです。次回からまた新しい問題を解いていきましょう。お楽しみに。

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2019年1月11日
プロフィール
峰岸敏之

峰岸 敏之

1964年生まれ。早稲田大学大学院・法学研究科前期課程修了、法学修士。大手新聞社で新聞記者を経験後、講師業に転向。

河合塾や城南予備校、栄光ゼミナールなどの大手予備校や医学部予備校などで、大学受験ブロック長や英語科責任者などを務める。指導教科は英語と小論文。

2013年春に横浜に医学部予備校を開校し、「30年以上続く予備校を作り、医学部への合格者を1000人を出す」が目標。

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