医学部入試問題
医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学医学部」

医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学医学部」

峰岸先生が徹底解説!『医学部入試問題を斬る』

峰岸先生が2015年度に実施された新潟大学医学部の英語入試過去問を分かりやすく読み解く。

今回から「医学部入試の攻略」というテーマで医学部入試の対策講座を開設します。

入試問題の解説の他、受験に関する様々なテーマで入試に切り込んでいきます。

入試問題についても英語のみならず各科目はもとより、小論文、面接といったものも幅広く扱う予定です。

第214回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」①

今回から新潟大学医学部の入試問題(2015年)を解いていきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(1)①Over the last 20,000 years, the human brain has shrunk by about the size of a tennis ball.

②Palaeontologists found (a)this out when they measured the fossilized skulls of our prehistoric ancestors and realized they were larger than the modern brain.

③This is a remarkable discovery by any standards, since for most of our evolution the human brain has been getting larger.

④A shrinking brain seems at odds with the assumption that advancing science, education and technologies would lead to larger brains.

⑤Our cultural stereotypes of large egg-headed scientists or super-intelligent aliens with bulbous craniums fit with the idea that smart beings have big brains.

〔注〕palaeontologist 古生物学者

問1.下線部(a)の具体的な内容を述べなさい。

第1パラグラフ

第1文
Over the last 20,000 years, the human brain has shrunk by about the size of a tennis ball.

文頭のOver the last 20,000 yearsは「この2万年間で」です。

そして、この文の主語はthe human brain(人間の脳)で述語はhas shrunk(縮んできた)です。byは「差を表す前置詞」です。

about the size of a tennis ballは「およそテニスボールの大きさ1つ分」です。

訳:この2万年間で、人類の脳はおよそ、テニスボール1つ分だけ縮んできました。

第2文

Palaeontologists found this out when they measured the fossilized skulls of our prehistoric ancestors and realized they were larger than the modern brain.

この文の主語はPalaeontologists(古生物学者)で述語はfound this out(このことを発見しました)です。

次のwhenが「~したとき」という副詞節を作っています。

ここでの主語はthey で、前述のPalaeontologists(古生物学者)です。述語はmeasured(測定しました)です。

「何を測定したのか」はthe fossilized skulls of our prehistoric ancestors(先史時代の人類の祖先の頭蓋骨の化石)です。

次のandは「順接」ですから次の動詞とセットで訳します。and realizedで「そして気が付きました」です。

「何に気づいたのか」はthey(それら)が larger than the modern brain(現代人の脳より大きい)ということに気が付いたのです。

ここでのtheyはもちろんfossilized skulls(頭蓋骨の化石)です。

訳:古生物学者は先史時代の人類の祖先の頭蓋骨の化石を測定して、現代人の脳より大きいということに気が付いたとき、このことを見出しました。

ここで設問1を解きましょう。
問1.下線部(a)の具体的な内容を述べなさい。

この部分は、「このこと」を見い出しました。の「このこと」を聞いているので、もちろん第1文、Over the last 20,000 years the human brain has shrunk by about the size of a tennis ball(この2万年で人類の脳はおよそ、テニスボール1つ分だけ縮んできました)に部分をまとめれば答えになります。

正解:過去2万年の間に人間の脳がテニスボール1個分だけ小さくなっていること。


いかがでしょう。今回からまた新しい話です。

設問は国公立では典型的な問題、和訳と説明問題です。

よって、十分な読み込みが必要になります。

しっかり指示語をとロジックを追いながら読んでいきましょう。次回もお楽しみに。

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2020年6月15日

第215回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」②

今日は第1パラグラフ第3文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(1)①Over the last 20,000 years, the human brain has shrunk by about the size of a tennis ball.

②Palaeontologists found (a)this out when they measured the fossilized skulls of our prehistoric ancestors and realized they were larger than the modern brain.

③This is a remarkable discovery by any standards, since for most of our evolution the human brain has been getting larger.

④A shrinking brain seems at odds with the assumption that advancing science, education and technologies would lead to larger brains.

⑤Our cultural stereotypes of large egg-headed scientists or super-intelligent aliens with bulbous craniums fit with the idea that smart beings have big brains.

〔注〕palaeontologist 古生物学者

問1.下線部(a)の具体的な内容を述べなさい。

第1パラグラフ

第3文
This is a remarkable discovery by any standards, since for most of our evolution the human brain has been getting larger.

この文の主語はThis(このこと)で、これももちろん前文の Over the last 20,000 years, the human brain has shrunk by about the size of a tennis ball.

(この2万年で人類の脳はおよそテニスボール1つ分だけ縮小している)ということを指します。述語はis a remarkable discovery(素晴らしい発見です)です。by any standardsは「どんな基準によっても」です。

「どのような基準を使っても」ということです。

since は「理由」を表します。for most of our evolutionは「私たちの進化のほとんどにとっては」です。

つまり、「およそ1700万年前の人の誕生からずっと」という意味で「ほとんど」と言っています。

ここでの主語はthe human brain (人類の脳)で述語はhas been getting larger(大きくなってきた)です。「進化」の過程では「人間の脳は大きくなってきた」という意味ですね。

訳:これはどんな基準から見てもとても素晴らしい発見です、これまでのほとんどの進化の過程では人間の脳は大きくなってきたからです。

第4文
A shrinking brain seems at odds with the assumption that advancing science, education and technologies would lead to larger brains.

この文の主語はA shrinking brain(縮小している脳)で述語はseems at odds with~で「~に調和しない」です。

「何と調和しないのか」はthe assumption (仮説)です。「どんな仮説か」はthat以下にあります。

この部分での主語は advancing science, education and technologies (先進科学、教育、技術)です。

述語はwould lead(導びくでしょう)です。

「どこに導くのか」は to larger brains(より多きな脳)です。

訳:脳が縮小していることは、先進の科学や教育や先端技術が導き出している、脳が大きくなっているという仮説にそぐわないことです。

第5文
Our cultural stereotypes of large egg-headed scientists or super-intelligent aliens with bulbous craniums fit with the idea that smart beings have big brains.

この文の主語はOur cultural stereotypes (我々の文化的な固定概念)です。

「何に対する固定概念か」はof large egg-headed scientists(大きな卵型の頭をした科学者)やsuper-intelligent aliens with bulbous craniums(球根のような頭蓋をした超高等知性の異星人)です。

述語は fit(適合します)です。「何と適合するのか」はwith the idea(考え)です。「どんな考えか」は that以下にあります。

この部分の主語は smart beings(知的な存在)で述語は have(持っている)です。「何を持っているのか」はbig brains(大きな脳みそ)です。

訳:大きな卵型の頭をした科学者や球根のような頭蓋をした超高等知性の異星人といった我々の文化的な固定概念は、知的な存在は大きな脳みそを持っているという考えに適合します。


いかがでしょう?

人類は脳が大きくなることで他の動物と区別された、というのは定説です。

しかし、それが続いているのかそうでないのかといった議論です。

興味深いですね。次回もお楽しみに。

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2020年6月19日

第216回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」③

今日は第2パラグラフから読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(2)①Small brains are generally not associated with intelligence in the animal kingdom; this is why being called ‘bird-brained’ is regarded as an insult (though in fact not all birds have small brains).

②Animals with large brains are more flexible and better at solving problems.

③(b)As a species, humans have exceptionally large brains ― about seven times larger than should be expected, given the average body size.

④The finding that the human brain has been getting smaller over our recent evolution runs counter to the generally held view that bigger brains equal more intelligence, and that we are smarter than our prehistoric ancestors.

⑤After all, the complexity of modern life suggests that we are becoming more clever to deal with it.

問2.下線部(b)を和訳しなさい。

第2パラグラフ

第1文
Small brains are generally not associated with intelligence in the animal kingdom; this is why being called ‘bird-brained’ is regarded as an insult (though in fact not all birds have small brains).

この文の主語はSmall brains(小さな脳)で述語はare generally not associated with (一般的に関連しません)です。

「何と関連しないのか」はintelligence (知性)です。

in the animal kingdomは「動物界において」です。

セミコロン(;)の」あとでその説明が出てきます。
this is why は「こうした理由で」です。

ここの部分の主語はbeing called(呼ばれること)です。

「何と呼ばれるのか」は ‘bird-brained’(鳥の脳みそ)です。

述語は is regarded (みなされる)です。

「何とみなされるのか」はas an insult (侮辱の言葉として)です。

カッコの中は補足説明です。though in fact は「しかし実際は」です。

not all birds haveは「すべての鳥が持っているわけではない」です。

ここが主語と述語です。small brainsは「小さな脳みそ」です。

訳:動物界において小さな脳は一般的に知性に関連付けられています。そうしたわけで「鳥のような脳みそ」と呼ぶことは侮辱の言葉としてみなされています。(しかし実際にすべての鳥の脳みそが小さいわけではありません)

第2文
Animals with large brains are more flexible and better at solving problems.

この文の主語はAnimals with large brains(大きなのみそを持った動物)です。

述語はare more flexible and better(より柔軟でより優れています)です。

「何に関して柔軟で優れているのか」はat solving problems(問題を解くことに関して)です。

訳:大きな脳を持った動物は問題の解決にあたってより柔軟でより上手です。

第3文
As a species, humans have exceptionally large brains ― about seven times larger than should be expected, given the average body size.

文頭のAs a speciesは「種として」です。

この文の主語はhumans(人類は)で述語はhave (持っています)です。

「何を持っているのか」はlarge brains(大きな脳みそ)です。

exceptionallyは「例外的に」です。

その補足説明がダッシュ( ― )以下です。about seven times larger than ~は「~よりも約7倍大きい」です。

「何より大きいのか」はshould be expected(予測されるべきもの)です。

ここでは比較がなされているのですが「何と何を比較しているのか」は人類が持っている脳の大きさに関して、予想に基づく大きさと現在の実際の大きさです。

ここでshouldは「~であるはずである、~すべきである」で、うしろのbe expectedが受け身ですから、should be expectedは「予想されるべき」ということです。

つまり「予想してその通りであるはずならば」という意味です。

次の文頭のgiven~は「~を考慮すると」です。

the average body sizeは「平均的な体の大きさ」です。

つまり「動物界の中で考えて、人間の体の大きさであれば」という意味です。

設問2はこの文の全訳を求めていますので正解は以下になります。

訳:種としては人類は例外的に大きな脳をもっています。平均的な体の大きさからいうとそうあるはずの大きさの7倍です。(設問2の正解)


いかがでしょう。

人間の脳の大きさは動物界の中でも以上に大きく発達してきた、という事実から「脳の大きさ=知性の大きさ」といった仮説が成り立ってきたのも当然ですね。

そこにさらなる研究が加わっているという点でとても面白い内容ですね。次回もお楽しみに。

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2020年6月26日

第217回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」④

今日は第2パラグラフ第4文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(2)①Small brains are generally not associated with intelligence in the animal kingdom; this is why being called ‘bird-brained’ is regarded as an insult (though in fact not all birds have small brains).

②Animals with large brains are more flexible and better at solving problems.

③(b)As a species, humans have exceptionally large brains ― about seven times larger than should be expected, given the average body size.

④The finding that the human brain has been getting smaller over our recent evolution runs counter to the generally held view that bigger brains equal more intelligence, and that we are smarter than our prehistoric ancestors.

⑤After all, the complexity of modern life suggests that we are becoming more clever to deal with it.

第2パラグラフ

第4文
The finding that the human brain has been getting smaller over our recent evolution runs counter to the generally held view that bigger brains equal more intelligence, and that we are smarter than our prehistoric ancestors.

この文の主語はThe finding(この発見)です。

ここに同格を導く接続詞 thatが続いています。このthat節の中の主語はthe human brain(人間の脳)で述語はhas been getting smaller(小さくなってきている)です。

over our recent evolutionは「私たちの最近の進化において」です。

ここまでが主語ですから、この文の述語は次のruns counter (~に矛盾する・反する)になります。

「何に反するのか」はto the generally held view(一般的に皆に持たれている見解)です。

簡単に言うと「皆の常識的な考え方」という意味ですね。

「どんな考え方か」はここでも同格を導く接続詞 thatが使われています。

このthat節の中の主語はbigger brains(より大きな脳)で述語はequal(等しい)です。

「何に等しいのか」は more intelligence(より高度な知性)です。

次の, and thatは先のthe generally held view(一般的に皆に持たれている見解)の2つ目の中身ですね。

ここでの主語は weで述語はare smarter (私たちはより賢い)です。than our prehistoric ancestorsは「私たちの先史時代の祖先より」です。

訳:最近の進化の過程で人間の脳が小さくなってきているという発見は、脳が大きくなれば知性も高くなる、そして私たちは先史時代の祖先より賢いのであるという一般的に支持されている見解とは食い違うものです。

第5文
After all, the complexity of modern life suggests that we are becoming more clever to deal with it.

文頭のAfter all,は「結局」です。

この文の主語は the complexity of modern life(現代生活の複雑さ)で、述語は suggests(示唆している)です。

「何を示唆しているのか」は 次のthat~の部分です。

この部分での主語はwe で述語はare becoming (ますますなってきている)です。

「何になってきているのか」はmore clever (より賢明に)です。

「何に対して賢明になってきているのか」はto deal with it(それに対処するために)です。

ここでのitはこの文の主語 the complexity of modern life(現代生活の複雑さ)を指します。

訳:結局、現代生活の複雑さによって私たちはそれに対処するためにどんどん賢くなっているということが示されているのです。


いかがでしょう。

脳が大きくなることとその知性との関係が従来の見解を覆すものであるということですね。

では、そもそもの「脳の大きさ=知性」自体が正しいのでしょうか?

知性とは何でしょうか?といったことが疑問になってきますね。

このあたりを丁寧に読んでいきましょう。

次回もお楽しみに。

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2020年7月03日

第218回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑤

今日は第3パラグラフから読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(3)①Nobody knows exactly why the human brain has been shrinking, but it does raise some provocative questions about the relationship between the brain, behaviour and intelligence.

②First, we make lots of (c)unfounded assumptions about the progress of human intelligence.

③We assume our Stone Age ancestors must have been backward because the technologies they produced seem so primitive by modern standards.

④But what if raw human intelligence has not changed so much over the past 20,000 years?

⑤What if they were just as smart as modern man, only without the benefit of thousands of generations of accumulated knowledge?

⑥We should not assume that we are fundamentally more intelligent than an individual born 20,000 years ago.

⑦We may have more knowledge and understanding of the world around us, but much of it was garnered from the experiences of others that went before us rather than the fruits of our own effort.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

問3.下線部(c)について,筆者はどのような具体例を挙げているか。句読点を含め,80字以内で述べなさい。

第3パラグラフ

第1文
Nobody knows exactly why the human brain has been shrinking, but it does raise some provocative questions about the relationship between the brain, behaviour and intelligence.

この文の主語はNobody(誰も~ない)です。

述語はknows(知っている)です。

「どのように知っているのか」はexactly(正確に)で、「何を知っているのか」はwhy the human brain has been shrinking(なぜ人間の脳が縮んでいるのか)です。

次のbutで始まる部分の主語はit(そのこと)で述語は does raise(引き起こしている)です。

このitは前の部分全体であるNobody knows exactly why the human brain has been shrinking(なぜ人間の脳が縮んでいるか誰もわからない)ということを指します。またdoesは「強調」です。

raise(引き起こしている)の対象はsome provocative questions(いくつかの議論を引き起こす問題)です。

「何についての問題か」は about the relationship (関係性)についてです。

「どんな関係性か」はbetween the brain, behaviour and intelligence(脳、行動と知性)です。

訳:なぜ人間の脳が縮んでいるかを正解に知っている人は誰もいません。しかしこのことは、脳、行動と知性との関係についていくつかの議論される問題をまさに引き起こしています。

第2文
First, we make lots of unfounded assumptions about the progress of human intelligence.

文頭のFirstは「まず最初に」です。この文の主語はweで述語はmake です。

その目的語はlots of unfounded assumptions(たくさんの根拠のない仮説)です。

「何についての仮説か」は about the progress of human intelligence(人間の知性について)です。

訳:まず最初に私たちは人間の知性について根拠のない仮説をしています。


いかがでしょう。

「人類の知性についての根拠のない仮説」とはどのようなものでしょう。

この部分は設問になっていますが、これまでのロジックから推測できますね。

「根拠のない」という部分がかぎですね。

「証拠もなく何となくそのように思っていること」ですから、知性=脳の大きさであり、現代人の知性は昔の人類より優れている、といったことですね。

次回もこのあたりをしっかり読んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年7月10日

第219回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑥

今日は第3パラグラフ第3文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(3)①Nobody knows exactly why the human brain has been shrinking, but it does raise some provocative questions about the relationship between the brain, behaviour and intelligence.

②First, we make lots of (c)unfounded assumptions about the progress of human intelligence.

③We assume our Stone Age ancestors must have been backward because the technologies they produced seem so primitive by modern standards.

④But what if raw human intelligence has not changed so much over the past 20,000 years?

⑤What if they were just as smart as modern man, only without the benefit of thousands of generations of accumulated knowledge?

⑥We should not assume that we are fundamentally more intelligent than an individual born 20,000 years ago.

⑦We may have more knowledge and understanding of the world around us, but much of it was garnered from the experiences of others that went before us rather than the fruits of our own effort.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

問3.下線部(c)について,筆者はどのような具体例を挙げているか。句読点を含め,80字以内で述べなさい。

第3パラグラフ

第3文
We assume our Stone Age ancestors must have been backward because the technologies they produced seem so primitive by modern standards.

この文の主語はWeで述語はassume(仮定する)です。「どのような仮定か」が次の文で書かれています。

この部分の主語はour Stone Age ancestors(私たちの石器時代の祖先)です。述語はmust have been backward (発達が遅かった)です。

次のbecause~でそう考える理由が述べられています。

この部分の主語はthe technologies(彼らの科学技術)でここにthey produced(彼らが作り出した)がかかります。

述語はseem 見える)です。「どのように見えるのか」はso primitive(非常に原始的に)です。

by modern standardsは「現代の基準によれば」です。

訳:私たちは、石器時代の祖先が作り出した科学技術は現代の基準によれば非常に原始的であるという理由で、彼らの発達は遅れていたという仮説を立てています。

ここで設問を解きましょう

問3.下線部(c)について,筆者はどのような具体例を挙げているか。句読点を含め,80字以内で述べなさい。

下線部はFirst, we make lots of unfounded assumptions about the progress of human intelligence.(まず最初に私たちは人間の知性について根拠のない仮説をしています)ですから、この「根拠のない仮説」を具体例を挙げて説明すればいいですね。

これは第3文に書かれていますね。

ポイントは、「石器時代の祖先の知性は現代人より遅れてた」という結論と、その論拠の「石器時代の祖先の科学技術は現代の基準によれば非常に原始的であるという理由」という部分をまとめればよいですね。

正解:石器時代の私たちの祖先が持っていた科学技術は現代の基準によれば非常に原始的であるという理由で彼らの知性は現代人のものより遅れてたという根拠のない仮説(74字)


いかがでしょう。

今回のパッセージの裏にあるものは、石器時代の私たちの祖先の知能と現代の私たちの知能を単純比較ができるとしたら、そこに優劣はあるのでしょうか?という話です。

単に現代人は過去の祖先たちの経験により蓄積されたノウハウによって過去より「レベルの高い」生活をしているのであって、現代人の知能の優秀さによるものではないのかもしれません。

次回もこのあたりをしっかり読んでいきましょう。

お楽しみに。

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2020年7月17日

第220回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑦

今日は第3パラグラフ第4文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(3)①Nobody knows exactly why the human brain has been shrinking, but it does raise some provocative questions about the relationship between the brain, behaviour and intelligence.

②First, we make lots of (c)unfounded assumptions about the progress of human intelligence.

③We assume our Stone Age ancestors must have been backward because the technologies they produced seem so primitive by modern standards.

④But what if raw human intelligence has not changed so much over the past 20,000 years?

⑤What if they were just as smart as modern man, only without the benefit of thousands of generations of accumulated knowledge?

⑥We should not assume that we are fundamentally more intelligent than an individual born 20,000 years ago.

⑦We may have more knowledge and understanding of the world around us, but much of it was garnered from the experiences of others that went before us rather than the fruits of our own effort.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

第3パラグラフ

第4文
But what if raw human intelligence has not changed so much over the past 20,000 years?

この文の文頭の what if~の形は「もし~だとしたらどうでしょう?」といった決まり文句です。

ここでの主語はraw human intelligence(人間のもともとの知性)です。

rawは「生の、未加工の」という意味です。

述語はhas not changed (変わっていない)です。so muchはnotとつながって「あまり~ない」です。

over the past 20,000 yearsは「過去2万年にわたって」です。

訳:しかしもし人間のもとからの知性が過去2万年にわたってあまり変化していないとしたらどうでしょう?

第5文
What if they were just as smart as modern man, only without the benefit of thousands of generations of accumulated knowledge?

この文も同じ形ですね。What if ~ですから「もし~ならどうでしょう」という形です。この部分の主語はtheyでここでは過去の人類ですね。

述語はwere just as smart as modern man(現代人と同じくらい賢明である)です。

only without~は「単に~がない」です。「何がないのか」は the benefit (恩恵)です。

「どんな恩恵か」はof thousands of generations(何千もの世代による) of accumulated knowledge(蓄積された知識)です。

訳:ただ単に何千もの世代に蓄積された知識がないだけで、彼らが現代人と同じくらい賢明であるとしたらどうでしょうか。

第6文
We should not assume that we are fundamentally more intelligent than an individual born 20,000 years ago.

この文の主語はWeで述語はshould not assume (仮定すべきではない)です。

「何を仮定するのか」はthat以下です。ここでの主語はwe(私たち)で述語はare fundamentally more intelligent(根本的に賢明である)です。

than an individual born 20,000 years agoは「2万年前に生まれた人より」です。

訳:私たちは2万年前に生まれた人よりも根本的に聡明であると仮定すべきではありません。


いかがでしょう。

やはり、人間一人ひとりの能力自体がレベルアップしてきたという考え方には疑問があるということですね。

少数の革新的な天才的な人間がいてそのノウハウが次の世代に伝えられることで人類全体はレベルアップしてきたということですね。

次回もこの続きをしっかり読んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年7月27日

第221回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑧

今日は第3パラグラフ第7文から読んでいきましょう。解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(3)⑦We may have more knowledge and understanding of the world around us, but much of it was garnered from the experiences of others that went before us rather than the fruits of our own effort.

(4)①Second, the link between brain size and intelligence is naively simplistic for many reasons.

②It is not the size that matters but how you use it.

③There are some individuals who are born with little brain tissue or others with only half a brain as a result of disease and surgery, but they can still think and perform within the normal range of intelligence because what brain tissue they do have left, they use so efficiently.

④Moreover, it’s the internal wiring, not the size, that is critical.

⑤Brain volume based on fossil records does not tell you how the internal microstructures are organized or operating.

⑥(d)Relying on size is as ridiculous as comparing the original computers of the 1950s that occupied whole rooms with today’s miniature smartphones that fit into your pocket but have vastly more computing power.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

問4.下線部(d)を和訳しなさい。

第3パラグラフ

第7文
We may have more knowledge and understanding of the world around us, but much of it was garnered from the experiences of others that went before us rather than the fruits of our own effort.

この文の主語はWeで述語はmay have(持っているかもしれない)です。

「何を持っているのか」は more knowledge and understanding of the world around us(私たちの周りの世界につていのより大きな知識と理解)です。

次のbut以下では主語が much of it(それの多くの部分)です。

itは先の文のmore knowledge and understanding of the world around us(私たちの周りの世界につていのより大きな知識と理解)を指します。

述語は was garnered (獲得された)です。from the experiences of othersは「他人の経験から」です。

「どのような経験か」はthat went before us(私たち以前に行った)です。

つまり、「私たちの時代から見てbefore(それより前)に亡くなってしまった(人)」という意味です。rather than the fruits of our own effortは「私たち自身の結果よりも」です。

訳:私たちは私たちの周りの世界についてより多くの知識をもち、多くのことを理解しているかもしれません。しかし、それの多くは私たち自身の努力の結果で得たものというよりも亡くなった先人たちの経験からえられたものです。

第4パラグラフ

第1文
Second, the link between brain size and intelligence is naively simplistic for many reasons.

文頭のSecondは「第2に」です。

この文の主語はthe link(つながり)です。「どんなつながりか」はbetween brain size and intelligence (脳の大きさと知性)です。

述語はis naively simplistic(必要以上に簡略化されています)。は「素朴に、世間知らずに、単純に」という意味であまり良い評価の高いことには使いません。

ここでは「極度に」という程度にして後ろのsimplisticを強調していると考えたほうが訳しやすいです。 for many reasonsは「多くの理由で」です。

訳:第2に、脳の大きさと知性の関係は様々な理由であまりにも単純化されています。


いかがでしょう。

脳の大きさと知性は関係ない、という主張の繰り返しと論拠です。

次回もこの続きをしっかり読んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年7月31日

第222回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑨

今日は第4パラグラフ第3文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(4)①Second, the link between brain size and intelligence is naively simplistic for many reasons.

②It is not the size that matters but how you use it.

③There are some individuals who are born with little brain tissue or others with only half a brain as a result of disease and surgery, but they can still think and perform within the normal range of intelligence because what brain tissue they do have left, they use so efficiently.

④Moreover, it’s the internal wiring, not the size, that is critical.

⑤Brain volume based on fossil records does not tell you how the internal microstructures are organized or operating.

⑥(d)Relying on size is as ridiculous as comparing the original computers of the 1950s that occupied whole rooms with today’s miniature smartphones that fit into your pocket but have vastly more computing power.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

問4.下線部(d)を和訳しなさい。

第4パラグラフ

第2文
It is not the size that matters but how you use it.

この文は短いですが重要です。

ポイントは3つです。

1つ目は強調構文が取れていて、その訳ができているかです。

2つ目はmatterを動詞の「重要である」と訳せたかどうかです。

3つ目はnot A but B(AではなくB)という構造が取れたかという点です。

1つ目の強調構文の説明です。

強調構文は、元の文に[It is ~that]をかぶせた文です。

強めたい語句を~の部分に入れます。

thatより右側から訳して、最後に強調する語句を訳します。

よって、公式ともいうべき[It is ~that]を外して考えると構造が取れます。

本文では[It is ~that]を外すと[not the size but how you use it] mattersという構造が見えます。

thatの右のmattersですが、これはポイントの2点目です。

matterは名詞で「問題」ですが動詞で「重要である」という意味があり、本文でそう訳せたかが重要です。

よって、強調構文は「重要なのは~である」という構造になります。

ポイントの3点目はnot A but B(AではなくB)です。

Aがthe size(その大きさ)でBがhow you use it(どのようにそれを使うか)です。

訳:重要なのは脳の大きさではなく、どのようにそれを使うかなのです。

第3文
There are some individuals who are born with little brain tissue or others with only half a brain as a result of disease and surgery, but they can still think and perform within the normal range of intelligence because what brain tissue they do have left, they use so efficiently.

この文は長いので、カンマのある, butの部分で2つに分けましょう。

前半部分はThere are(~がある・いる)構文で始まっているので、主語は動詞の後ろです。

この文では主語が2回出てきます。一回目はsome individuals(何人かの人は)でもう一回はothers (他の人は)です。

some individuals who are born with little brain tissueの部分のwho are born with little brain tissue(ほとんど脳細胞を持たずに生まれた)は、some individuals(何人かの人)にかかります。

次のothers(他の人)は文頭のThere are some individualsと対比していますので「他に~の人もいる」と訳します。

「どのような人か」は with only half a brain (脳の半分しかもっていない)です。as a result of disease and surgeryは「病気や手術の結果として」です。

後半をみましょう。ここでの主語はthey(この人たち)で述語はcan still think and perform (まだ思考も実演もできる)です。

within the normal range of intelligence は「正常の知性の範囲で」でです。

最後のbecause what brain tissue they do have left, they use so efficiently.の部分は構造が取りにくいかもしれません。

becauseがあるので前文の理由が述べられていますから、最初にあるwhatが疑問詞ではないですね。what brain tissueで「どのような脳細胞」です。

they do have leftはtissue とtheyが名詞でつながっているのでここに関係代名詞が省略されていると考えられます。

doは強調ですから、「彼らに残された同細胞すべて」という訳になります。

ということは、この部分の主語はつぎのtheyで述語はuse so efficiently(とても効果的に使う)です。

「何を使うのか」が先のwhat brain tissue they do have left(彼らに残された脳細胞のすべて)です。

訳:生まれつき脳細胞がほとんど存在していない人もいれば病気や手術のせいで脳細胞が半分の人もいます。しかし彼らは正常な知性の範囲で十分に思考し実演できます。それは彼らが残された脳細胞のすべてをとても効果的に使っているからなのです。


いかがでしょう。

脳(細胞)がほとんどなかったり、小さくても十分に正常に脳が機能しているという事実から、その大きさは重要でなく、どのように使うのかにその重要性がある、との主張です。

次回もこの続きをしっかり読んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年8月14日

第223回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑩

今日は第4パラグラフ第4文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(4)①Second, the link between brain size and intelligence is naively simplistic for many reasons.

②It is not the size that matters but how you use it.

③There are some individuals who are born with little brain tissue or others with only half a brain as a result of disease and surgery, but they can still think and perform within the normal range of intelligence because what brain tissue they do have left, they use so efficiently.

④Moreover, it’s the internal wiring, not the size, that is critical.

⑤Brain volume based on fossil records does not tell you how the internal microstructures are organized or operating.

⑥(d)Relying on size is as ridiculous as comparing the original computers of the 1950s that occupied whole rooms with today’s miniature smartphones that fit into your pocket but have vastly more computing power.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

問4.下線部(d)を和訳しなさい。

第4パラグラフ

第4文
Moreover, it’s the internal wiring, not the size, that is critical.

文頭のMoreoverは追加を表し「さらに」と訳します。

次の文it’s the internal wiring, not the size, that is critical.は、これまでに見てきた強調構文であることが見抜けましたか?

まず、it’s とthatを消しましょう。すると、the internal wiring, not the size is criticalという文がでてきました。

ここでnot A but B(AではなくてB)という構造を思い出しましょう。

このようにBが前にでるとbutがなくなりB, not Aという形になります。本文ではA はthe internal wiring(内部の配線)でBはthe size(大きさ)です。

よって、the internal wiring, not the sizeの部分は「大きさではなくその内部の配線」と訳せます。

ここに強調構文を入れて考えるとcriticalは「重要である」という意味ですから。「重要なのは~である」といった構造が取れます。

訳:さらに、重要なのはその大きさではなく内部の配線なのです。

第5文
Brain volume based on fossil records does not tell you how the internal microstructures are organized or operating.

この文の主語はBrain volume(脳の容量)です。

based on fossil recordsは「化石の記録に基づく」です。

このbasedをこの文の述語動詞と誤って取らないようにしてください。その判断基準は、うしろにdoes not tellがあるからです。

「過去形のように見えて実は過去分詞であり、名詞を修飾する」といった構造は読解をする上でしっかり見抜くべき項目です。

よって、ここまでが主語で述語はdoes not tell(話していない)です。

「誰に何を話していないのか」は you(あなた)に how~(いかに~か)を「話していない」です。

このyouは「あなたたち」ですが、中身は「私たち」のことです。

how the internal microstructures are organized or operatingの部分の主語はthe internal microstructures (内部の微細な構造)で述語はare organized or operating(構成され操作される)です。

訳:化石の記録に基づく記録からは脳の容量は私たちにどのように内部の微細な構造が成り立って機能しているのかを教えてはくれません。


いかがでしょう。

脳の内部構造と働きこそがその質を決めるのである、という一貫した主張ですね。

次回もこの続きをしっかり読んでいきましょう。お楽しみに。

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2020年9月04日

第224回.医学部入試問題-英語「長文読解-新潟大学」⑪

今日は第4パラグラフ第6文から読んでいきましょう。

解説の都合上本文やパラグラフに番号を入れています。

(4)①Second, the link between brain size and intelligence is naively simplistic for many reasons.

②It is not the size that matters but how you use it.

③There are some individuals who are born with little brain tissue or others with only half a brain as a result of disease and surgery, but they can still think and perform within the normal range of intelligence because what brain tissue they do have left, they use so efficiently.

④Moreover, it’s the internal wiring, not the size, that is critical.

⑤Brain volume based on fossil records does not tell you how the internal microstructures are organized or operating.

⑥(d)Relying on size is as ridiculous as comparing the original computers of the 1950s that occupied whole rooms with today’s miniature smartphones that fit into your pocket but have vastly more computing power.

〔注〕palaeontologist 古生物学者bulbous cranium 球根のような形の頭蓋garner 獲得する

問4.下線部(d)を和訳しなさい。

第4パラグラフ

第6文
Relying on size is as ridiculous as comparing the original computers of the 1950s that occupied whole rooms with today’s miniature smartphones that fit into your pocket but have vastly more computing power.

この文の主語はRelying on~(~に依存すること)です。

「何に依存するのか」はsize(大きさ)です。この文の述語はis as ridiculous(ばかげている)です。

ここでasが入っているのは次の部分にもう一つ出てくるasとペアになってas ridiculous as~(同じくらいばかげている)という形になっているからです。

では「何と何が同じくらいばかげているのか」は先のRelying on~(~に依存すること)と2回目のasの後ろにある comparing は「比較すること」です。

ここで「何と何を比較するのか」はcompare A with B (AをBと比較する)という語法を思い出してください。

よってAはthe original computers of the 1950s(1950年代の初期のコンピュータ)の部分です。このコンピュータの説明がthat以下であります。

occupiedは「占領する」です。

「どのくらい占領したのか」は whole rooms(部屋全体)です。

roomsとなっている点に注意してください。ここでは数部屋を占める大きなコンピュータがイメージできなければいけません

compare A with B のB(AとBを比較する)のBは today’s miniature smartphones that fit into your pocket but have vastly more computing powerの部分です。

miniature smartphonesは「小さなスマートフォン」です。

これをthat以下で説明しています。fit into your pocketは「あなたのポケットにちょうど収まる」です。

but have vastly more computing powerは「しかし、より大きな処理能力を持っている」です。

訳:大きさに依存することは、いくつもの部屋を占めていた1950年代の初期のコンピュータとポケットにぴったり入る大きさで処理の応力のより大きい今日の小さなスマートフォンを比べるのとおなじくらいばかげています。

ここで設問4を解きましょう。下線部(d)の和訳ですから。

主語のRelying on size(大きさに依存すること)をもう少しはっきりと因果関係を書いてもよいでしょう。

正解:知性の高さを脳の大きさに依存することは、いくつもの部屋を占めていた1950年代の初期のコンピュータとポケットにぴったり入る大きさで処理の応力のより大きい今日の小さなスマートフォンを比べるのとおなじくらいばかげています。


いかがでしょう。

今回でこの問題は終わりです。次回からまた新しい問題を解いていきましょう。

お楽しみに。

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2020年9月18日
プロフィール
峰岸敏之

峰岸 敏之

1964年生まれ。早稲田大学大学院・法学研究科前期課程修了、法学修士。大手新聞社で新聞記者を経験後、講師業に転向。

河合塾や城南予備校、栄光ゼミナールなどの大手予備校や医学部予備校などで、大学受験ブロック長や英語科責任者などを務める。指導教科は英語と小論文。

2013年春に横浜に医学部予備校を開校し、「30年以上続く予備校を作り、医学部への合格者を1000人を出す」が目標。

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