センター試験で物理の勉強法対策について書いています。
『センター物理は満点が取りやすい』
あること無いことが実しやかに、書かれているネットですが、これに関しては『本当』です。
さらに踏み込んで言うなら、最も効率良く短時間で高得点を狙うには『物理は最適』だといえます。
なので、難関大志望者では9割は当たり前、差をつけることはできないけど、差をつけられないためにとっておかなければならない科目なのです。
センター物理の点が取りやすい理由
- 専門性が高くなく、普段の日常に起こる事象を取り上げていること
- 内容が深すぎず、広すぎない
- 問題が本質を突くものばかりで基本に忠実な生徒に優しいこと
少し挙げてみただけでこれだけあります。どの教科もそうだと思うのですが、センターレベルの物理では、答えがある程度予想することができます。
それは、センターレベルでは問題の設定を複雑にすることができないため、『簡単な問題設定にならざるをえないこと』、『日常に起きていることなのでイメージを持ちやすいこと』にあります。
あらかじめセンター試験の勉強法の本態を解説すると、本質を理解しながら進めて行こうというなります。そのため、『センター物理はエッセンスと過去問を極めれば9割を越える』と無責任な情報にも信憑性が生まれてきますよね。
ここでは、さらに一歩進めて具体的に何をどれくらい、どう使えばいいのかも含めて解説していきます。
参考:【受験物理の最良書】物理のエッセンスのおすすめの勉強法
さて、こんなに高得点を取るのに簡単な効率の良い教科はないと書いていると、なめてかかる人が増えそうなのでここでやめておきます。笑
ただこれは、あくまでも他の科目に比べたらの話です。気を引き締めて、勉強をしていきましょう。
センター物理の問題を分析する
まずは、センター物理の問題を分析していきたいと思います。センター試験の勉強法の始まりは何度も言いますが、『問題の傾向と対策を練ること』から始まります。
戦う前に敵を知る。この言葉を是非、忘れないで勉強に取り掛かるようにしてください。
センター英語、センター英語リスニングもそうだったように、センター物理も例に漏れずに問題の傾向はかなり似ています。
以下に、過去4年分の過去問の問題の傾向をまとめます。
2011年(平成23年)センター試験物理
2012年(平成24年)センター試験物理
2013年(平成25年)センター試験物理
2014年(平成26年)センター試験物理
大手予備校東進さまより分かりやすくまとめられていたのでお借りしました。リンク先では過去のセンター試験の問題の講評や問題、解答など詳しく載っています。
さて、察しの良い人はもう既に気づいていると思います。そう、『過去四年間の問題出題範囲は一致』しているのです。逆に言うなら、万遍無くセンター試験は出してくれているので、広くやらなければならないということになるのですが汗
ただ、出題される範囲は大きくは一致していて、大体どの範囲からどれくらいの分野が出題されるかは予想できるのですが、細かく何が出るかは毎年マイナーチェンジを繰り返しています。なので、大切なのは苦手な分野を作らないようにすることです。
センター物理の大まかな概略を示します。
大問1(30点/100点) 小問集合
大問2(20点/100点) 電磁気
大問3(20点/100点) 波動
大問4(30点/100点) 力学・気体の状態変化小問集合の内容や、電磁気・波動・熱力学の出題される分野は毎年ある程度変わりますが、大きい出題範囲とその配点は変わりませんので覚えておきましょう。
大問1 小問集合
大問1では、毎年ほぼ6題の小問が登場します。
それぞれ、いろんな分野から満遍なくでており、またあまり見かけないような試行だったり日常に起きている出来事をそのままイラストにしたものまであります。全ての問題が1問1イラスト1試行の問題でできています。
実は、この小問集合を完璧に満点取ることが一番満点を取るための障害なのかもしれません。
というのも、後述しますが大問2,3,4で登場する7個の試行はセミナー物理の基礎例題クラスであったりエッセンス物理に登場する基本例題をまんま問題にしたような試行が行われます。
なので、公式をそのまま用いれば解けるような問題が多いです。
しかし、この小問6問は本質的なことを単純に聞いてくるので、簡単なのですが、理解が浅いと解けなくなります。つまり、知っていれば一瞬で解けるけど、本質を理解していないと解けないということになります。計算とかをあまりしなくて良い分、そういった怖さがあります。
物理は、『試行が起こる⇒どうなるかを予測する。』という単純な図式で成り立っています。もっと書くと
①試行が起こる。
②その試行に自然のどの法則が働くかを全て考える。
③法則が働いた結果、どういった作用が及ぼすか考える。
④複数の作用が働いた結果、どういう運動を行うかを考える。
⑤実際に起こる運動を数式に表して計算する。
この①から⑤までをしっかり過不足無く考えきらなければなりません。普通の物理の問題では⑤がとても難しく、ミス無く計算しきるのには骨が折れるのですが、大問1では⑤がシンプルな代わりに、③のどういった作用が及ぼされるのかをしっかりと考える必要があるのです。
大問2 電磁気
大問2では問題がA,Bと分かれています。A,Bでそれぞれ1つの大掛かりな試行が行われ、それについての問題がそれぞれ2問ずつ聞かれるという形式です。
ここでの試行は、かなり基本的なものばかりで、例題クラスの問題が続くことになります。
満点を取るためのポイント
- イラストをしっかり見て、問題を把握する。
- どの公式を使うかを考え、正確に当てはめていく。
- 計算ミスに気をつける。
では、電磁気の対策を考えます。問題は主に、電気回路・磁石・電磁石の3つです。覚えなければいけない公式も少ないですし、電気回路や磁石などは中学生の理科でも触れている内容ですので、とっつきやすいと思います。
ただ、これらの現象は日常の現象ではありますが、いまいちイメージを持つのが難しい分野であるので、しっかり練習していきましょう。
大問3 波動
波動も大問2の電磁気と同じく問題がA,Bに分かれており各2問ずつ問があります。なので、1つ1つの試行を問題文をよく読み、イラストをよく読んで理解していく必要があります。
波動でよく出されている範囲
- 回折格子
- 光の動きや像
- 音の伝わり方、振動など
- ドップラー効果とそのしくみ
実は、私が物理で一番苦手だったのがこの分野なんですよね。
セミナー物理を始めに使っていたころは本当に何も理解できていなくて、物理のエッセンスで勉強始めるまで理解できませんでしたし、何が分かっていないのかもわかっていない状態でした。
波動の分野自体はとても日常に馴染み深いもので、懐中電灯であったり、救急車のドップラー効果であったり、水面の波の伝わり方だったり、会話とかの音の伝わりとか。。。でも、何でそうなるのか、そのしくみは全然頭に入ってこないんですよね。笑
どの分野でもそうなのですが、波動は『どうしてそうなるのか』という回折格子だったりドップラー効果だったり波だったり、試行ごとにその仕組みの本質を理解するようにしましょう。
大問4 力学、気体の状態変化
大問4では、一番始めに勉強する物体の運動から気体の状態変化といった分野からの出題になります。問題は大問2,3から更に増え、問題A,B,Cと3つの問題に分かれています。
物体の運動を中心とした力学の問題は、問題設定自体はとても単純で、何度も目にしたことある試行で公式もすぐ思い浮かぶものだと思います。
ただ、センター試験物理では、これをグラフにしたり少しでも見慣れない形にしようとしてきます。ただ、しっかりとした理解をもっていて、冷静に対処すればなんでもない問題だと思います。
センター物理で7割取るための勉強法
70%を超えることが持つ意味
センター試験では大体、どの大学でも文系・理系共に理科2科目を選択させる大学が多いようですね。
なので、化学ほどではないでしょうが、物理を選択する生徒は多いでしょう。
ある程度は圧縮されることを考えても、物理は少ない時間で他の科目よりも効率よく点数を稼ぐことができます。
なので、7割をとることはさほど難しいことではありません。そして、7割程度でいいのでしたら、ちゃんと公式の使い方をさらっと勉強していけば1ヶ月もしないうちに取れるようになるでしょう。
確実に7割を取るためには
センター試験のみを受験する
恐らく、数学や英語よりも文系の方を中心にセンター試験のみで物理を使用して、二次試験では物理を受験しない人はたくさんいるでしょう。なので、そんな方はこちらを御覧ください。
まずあらかじめ言っておくと、物理で7割を取ることはとても簡単です。その理由はうえにも書きましたが改めて書きます。
センター物理が効率よく高得点が取れる理由
- 覚えなければならない公式が少ない。
- 覚えなければいけない試行(問題設定となる実験というか動作)が少ない
- 日常とリンクしている分野が多いので理解しやすい。楽しい。
- センターレベルに該当する問題量が圧倒的に少ない。
なので、物理アレルギーというか理系アレルギーを起こしているのでなければ物理はかなりオススメだということを理解してください!!
さて、まず勉強法なのですが、いきなり過去問をやろうといってもまず無理でしょう。なので、満点取る人も東大目指す人もまずは、当サイトで押している『物理のエッセンス』から始めるといいでしょう。
参考:【受験物理の最良書】物理のエッセンスのおすすめの勉強法
上記で詳しい勉強法や、どう使えばいいのかが書いてあるので参考にしてください。
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基本的には、物理のエッセンスさえやり込めば少なくとも7割は取れるようになります。
満点を取るためには最後に慣れという部分が必要になるので、過去問をたくさんやりましょう。
何度も言っていますが、過去問は力試しとして使うのではなく、勉強の問題集として使うようにしましょう。
というわけで、物理のエッセンスをやりながら該当する過去問をやりましょう。過去問は河合塾から出されている黒本が解説が分かりやすくてオススメです。
基本的に、センター試験の問題は基本例題の域を超えません。なんなら、エッセンスの捻った問題の方が解きづらいでしょう。
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もし、エッセンスやりながら過去問をやることに抵抗を感じるのでしたら、セミナー物理でも学校で配られた教材でも何でもいいので、問題を数問練習してから過去問を解きましょう。
センター試験と二次試験の両方で物理が必要な人
センター試験だけでなくて二次試験が必要な人で最低7割は取りたいなという人に向けて書きます。でも、二次試験で物理があるということは理系の学部を志望しているはずなので7割以上を狙ったほうがいいとは思いますが、、、汗
基本的には勉強法は変わりません。物理のエッセンスや漆原先生、はじていなど、物理にはいろんな流派が存在していますので、好きな流派に沿って勉強してください。各流派の説明や参考書選びに困ったらこちらを参考にしてください。
そして、センター試験の勉強は、模試などで受けるセンター試験の問題の得手不得手にもよりますが、2,3ヶ月は見たほうがいいでしょう。ここで、過去問を使い始めます。少なくとも10年分はやりましょう。
問題の傾向を知るというのは、単に傾向を知るというだけでなく、本物にしか出せない雰囲気や問題の質、問題文の感覚、問題設定などに慣れるという目的もあります。
センター物理で9割以上を取る勉強法
9割を超えることが持つ意味
どの教科でも書いていますが、センター試験で、その科目で9割を取るということ自体にもとても大切で目標となる1つの数値ですが、最も大切で目標とすべきなのは平均9割を取ることにあります。
センター平均9割とると特典が目白押し
- 学校の推薦で医学部にぽーっんと合格することができる。
- 前期失敗しても後期でセンター重視の大学を選べばかなり有利。
- センター重視の大学を選べば上手くことが進む。
- センター利用でいわゆる滑り止めの私立に併願を出せる
ただ、人間ですので得意な科目もあれば苦手な科目もあります。そんな人にこそ、物理で高得点を取って他の科目の補充に使って欲しいです。
物理の問題は大体1問5点ですので、間違えられるのは2問だけ。これは、各年で1,2問出てくる知識系の問題や、自分の怪しい理解の分野の問題に使いたいですよね。
ちなみに私は浮力の問題が結構怪しかったです。笑
なので、基本的にはどんな問題でも分かる実力が必要です。
9割以上を確実に取るための勉強法
9割を狙っている人でも、基本的には勉強法は同じ方法です。
物理のエッセンスなどを使って二次対策、記述対策をし続けます。
なぜなら、物理力の底上げをすることによってセンター試験でも高得点を取れる実力がつくからです。
模試で安定して8割以上取れる人
模試で安定していつも8割とか9割とかを取っているような人は、受験直前までそのまま二次試験の勉強をするといいでしょう。そっちの方が、効率良く総合点をあげれるからです。
こういった人は、学校などでセンター試験が近くなると行われる『センター試験対策用マーク模試』や『学校でやるセンター試験の勉強』を大切にしましょう。
以下に、間違ったセンター対策教材の使い方を示しますので、該当する人は勉強方法を見直してください。
間違ったマーク模試の受け方
- テストを受けた後、その日のうちに答え合わせをしない。
- 答え合わせで間違えチェックして終わりになっている。
- 模試の解答冊子を読み込まない。
- 数週間後にもう一度見直ししない。
恐らく、受験間近になってくれば受けたテストをそのまま放置する人のほうが珍しいかもしれません。ただ、答え合わせ・解き直しにも正しいやり方があるということが分かっている人は案外少ないですよね。
特に普段、センター試験の勉強をしないで二次試験の勉強ばかりしている人にとってこういう模試の機会はとても大切なものです。
間違っていた問題があった場合、計算ミスだったりケアレスミスを除けば、その範囲にはある程度の抜けがあったことになります。
なので、その問題だけが解けるようになってもまたその範囲の付近の問題が出た場合答えられない可能性が高まります。なので、間違えた問題を解くために必要な知識を勉強し直すとき、ある程度大きく勉強し直しましょう。
絶対やって欲しいのは、模試の解答冊子についている解説には付属知識だったりお得情報が満載です。
それを読み込んで欲しいです。これは出来た問題も同様です。
また、間違えた問題はチェックしておき、ある程度溜まったらもう一度解けるのかチェックしてください。
模試で安定して8割を取ることができない人
こういう人は直前にちょっとだけセンターの勉強をしても本番9割を超える可能性は低いので、ある程度勉強時間をとってセンターに慣らす必要があります。
センターがどれくらい必要なのかにもよりますが、3ヶ月前にはもうセンター対策をしましょう。
センターの過去問をまずしっかりと10年分は解いてみてください。そして、解けなかった問題を解くために必要な知識を広めに拾って勉強します。
10年分解いてみて、自信がつかないのでしたらもう10年近く解いてみてください。
また、そもそも全然分かっていない可能性もあるので、そういう時は今一度、エッセンスに戻ったほうがいいのかもしれません。
物理で満点を取るために必要な勉強法
最後の1ピースを埋める秘策の参考書
物理で満点を取るためには、どの範囲も相当な本質的な理解を必要としています。
また、大問1などのような小問集合だったり、各大問の中にある人をくった問題というものがあります。これらにも完璧に対処しなければなりません。
ある程度の力があれば8割、9割は簡単に取れます。ただ満点を取るためには最後の1ピースとなるテクニックが存在します。
それは、『数研出版 センター試験必勝マニュアル物理』です。マニュアルには対となるセンター試験必勝トレーニング物理1という本もあるので併せてやりましょう。
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(2021/3/22 17:52時点) |
理系科目、特に数学にめっぽう強い数研出版ですが、この本は大学への数学1対1と同じくらい私には衝撃的で、かつセンターの成績を飛躍的に伸ばし安定させてくれた本です。
物理の問題を解くテクニック、例えば単位を次元で計算していき、解答を絞るといった方法では、『実際に問題を解くことなく解答を導く』ことさえ可能です。
私も実際にセンター試験で1問この方法で解くことなく解答を選びました。(もちろん、怖いからそのあとちゃんと解いて確認しましたけど笑)
また、日常に起こるような問題とか、人をくったようなセンター物理でしか出ないような問題ではいくら二次試験がバリバリできる人でも足元を掬われかねません。
この必勝マニュアルではそんな問題ばかりを何問も解いていきます。
この本は最も物理の成績を伸ばし安定させてくれる本です。しかし、私が満点を狙う人にしかオススメしないのには理由があります。
それは、物理の実力を伸ばすという点に置いてはあまりにもテクニック的でセンター試験のみを狙い撃ちにした参考書であるからです。
というわけで、センター試験のみを受ける人にももしかしたらとてもいいのかもしれません。笑
1週間もあれば終わってしまうほど薄い本なので、おすすめです。
また、自宅学習だけでは取れる点数が頭打ちとなっている、どうしても物理が目標点数に到達しない、とお悩みの方もいるでしょう。
その場合は、予備校などに通い弱点を克服していくのも1つの手です。
受験のスペシャリストに教わることで、伸び悩んでいた成績がぐんと伸びた、なんてことはザラにあります。
特に8・9割を取りに行こうと考えている医学部受験生は、物理に限らずその他の科目でも高得点が必要。
そのため、それぞれの科目においてノウハウを身に着けなければなりません。
当サイトでは、医学部予備校はもちろん大手予備校の情報も多数掲載おり、それぞれの特徴や魅力をランキング形式でご紹介しているので、参考にして頂けると幸いです。
医学部予備校の中にも例えば「野田クルゼは物理に強い」など、塾それぞれに特徴があるのでそういった点にも注目です。
センター対策 物理の勉強法まとめ
以上、センター試験で物理を7割、9割、満点を狙う人別に勉強法を書いていきました。
物理のエッセンスだけで満点を取れるという人もいるかもしれませんが、天才以外はまず無理です。笑
過去問をしっかりやり、センター特有の問題になれ、状況に応じて、必勝マニュアルなどをやっていきましょう!それでは勉強頑張ってください。
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