医学部入試問題
医学部入試問題-英語「長文読解編Ⅱ」

医学部入試問題-英語「長文読解編Ⅱ」

峰岸先生が徹底解説!『医学部入試問題を斬る』

エースメディカルみなとみらいの峰岸先生が英語の医学部入試を徹底解説。

今回から「医学部入試の攻略」というテーマで医学部入試の対策講座を開設します。

入試問題の解説の他、受験に関する様々なテーマで入試に切り込んでいきます。入試問題についても英語のみならず各科目はもとより、小論文、面接といったものも幅広く扱う予定です。

第14回.医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」①

医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」①

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「脳のはたらき」です。問題文は全6パラグラフで、設問は10問あります。今回は最初のパラグラフと設問2までを読みすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

次の英文を読み以下の問に答えよ。

¶1 ①The human body is less symmetrical than it looks.

②Internally, our organs are not divided neatly down the middle -(1)the heart, for example, being both inclined and on the left -and

(  A  ) our hands are almost invariably quite unequal, although they apparently mirror each other.

設問

1. 文中の空所(A)に入れるのに最も適当な1語を次の(イ)~(二)から1つ選び、その記号を解答欄にマークしなさい。
(イ) carefully (ロ) externally (ハ) naturally (ニ) never
2.下線部(1)の意味として最も適当なものを次の)~(二)より1つ選び,その記号を解答欄にマークしなさい。
(イ) 人の心を正しく捉えるためには、物の中心から離れてはいけない。
(口) ハート形は左右対称であるが、人間のハートはそう簡単にはいかない。
(ハ) 物の核心を「心臓」と呼ぶのは、人間の心臓が身体の中心部にあるからである。
(二) 人間の心臓はまったく中心から外れているが、物の「心臓」とは真ん中のことである。

*****************************************

第1パラグラフ

①この文の主語(S)はThe human bodyですね。述語動詞(V)はisです。 補語(C)はless symmetrical ですね。symmetrical は形容詞で「左右対称的な」です。

比較の文でlessがあれば「~でない」と訳すとうまくいくことが多いです。than it looksは「それが見えるよりも」ですから「見かけ以上に」でよいでしょう。

この文の通した訳は「人間の体は見かけ以上に左右対称というものではない」ですね。

②Internallyは「内部的には」ですね。「体の内側においては」という意味です。 our organsは「器官」ですね。are not divided は「分割できない」ですね。

neatlyは「きれいに」 down the middleのdownは強調ですね。「まさに真ん中で」という意味です。

ダッシュ以下は例示ですね。この部分を丸カッコ:( )に入れてしまいましょう。さらにカンマで囲まれるfor exampleの部分を山カッコ:〈  〉に入れてしまうとこの文の構造が取りやすくなりますね。the heartはもちろん「心臓」ですね。

次のbeing both inclined and on the leftの部分は分詞構文ですねbeingをisに置き換えると意味は解りますね。

inclinedは「傾く」ですね。on the left「は左側に」です。分詞構文のingをみるとやたらに「~しながら」と訳す人が多いのですが、今回の様に元の動詞に戻した文の形にして訳すとうまくいくことが多いです。

ここまでの訳は 「体内では、私たちの器官はまさに中央部に沿ってきちんと分かれているわけではない。たとえば心臓は傾いているし左側にある」ですね。

ダッシュの次の文のSはour handsですね。Vはareですね。Cはunequalですね。invariablyは「変わることなく、常に」ですね。従属節のなかの接続詞はalthoughですから「~だけれども」ですね。

Sはtheyですね。Vはmirrorです。mirrorは動詞で「(鏡のように)うつす、忠実に再現する」という意味です。apparentlyの訳の仕方には気を付けてください。

一般的には「明らかに」とは訳しません。「見かけ上は」と訳します。each otherは「お互いに」ですが品詞は代名詞扱いですから注意してください。

ここで設問を解きましょう。

1. 文中の空所(A)に入れるのに最も適当な1語を次の(イ)~(二)から1つ選び、その記 号を解答欄にマークしなさい。
(イ) carefully (ロ) externally (ハ) naturally (ニ) never

ここでは、対比が取れていますか?前の文の例が「heart(心臓)」であるのに対してここでは「hand(手)」です。

「heart(心臓)」はこの文の文頭にあるようにInternally(体内では)の例ですから「hand(手)」は「体内ではない、外的には」というものを選べばいいですね。

(ロ)が正解です。経験上、誤答が多いのは(ハ)のnaturallyです。理由は「なんとなく」とか「よさそうな気がした」が多いです。ダメですよ。意味もなく感覚で答えを選ばないでくださいね。しっかり読めば答えは必ず出ますから。

ここまでの訳は「そして、身体の外側では、手は、見た目はたがいに鏡に写したようだがほぼ例外なく、まったく不均等なのである」となります。

ではここで設問2を見ましょう

2.下線部(1)の意味として最も適当なものを次の(イ)~(二)より1つ選び,その記号を解答欄にマークしなさい。
(イ) 人の心を正しく捉えるためには、物の中心から離れてはいけない。
(口) ハート形は左右対称であるが、人間のハートはそう簡単にはいかない。
(ハ) 物の核心を「心臓」と呼ぶのは、人間の心臓が身体の中心部にあるからである。
(二) 人間の心臓はまったく中心から外れているが、物の「心臓」とは真ん中のこと である。

これは心臓が例として用いられていることを考えると(二)が正解ですね。たった2文から2問も出されています。

問題文の文頭(読み出し)の重要性を理解してくださいね。では次回、続きを読みましょう。お楽しみに。

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2015年8月28日

第15回.医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」②

医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」②

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「脳のはたらき」です。問題文は全6パラグラフで、設問は10問あります。今回は第1パラグラフの途中からを読みすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

次の英文を読み以下の問に答えよ。

¶1 ③About ninety percent of people are right-handed; the other ten percent of people have a strong preference for the left. ④This is one of our differences from animals, among whom fifty percent prefer the right front leg, fifty per cent prefer the left, and *ambidextrous behavior is far more common than in human beings.

¶2 ①Body images are among the most powerful metaphors we have; “culture” seizes upon the body and uses it to express moral ideas, social structures, prejudices, preferences, fears, and ideals.

②Often the metaphor squeezes the facts into its own mould :the “heart” of anything is its middle, even though our hearts are definitely off-center.

第1パラグラフ

③この文の主語(S)はAbout ninety percent of peopleで述語動詞(V)はare ですね。補語(C)はright-handedです。right-handedは「右利き」という意味ですね。セミコロン(;)の右側のSは the other ten percent of people でVがhave です。

the otherのようにtheがついている理由は「残りすべてを指す」からです。つまり、前文では90パーセントの人について述べていますので残りは10パーセントですね。

そのすべてを指すのでここではtheがついているのです。目的語(O)はa strong preferenceですね。preference for~は「~に対する好み、選好」です。

ここまでを通すと「およそ90パーセントの人が右ききであり、残りの10パーセントの人が左手を使う方を強く好む」ですね。

④この文の前半は問題ないですね。, among whomの部分を見てみましょう。関係詞のwhomは目的格ですね。関係詞の右のカンマに着目して訳すと「そしてその人たちの中で」となりますね。

ただしここで、whomは前文のanimalsのことを指しますから「動物の中で」という訳になりますね。Sは fifty percent でVはprefer です。

Oがthe right front legですね。直訳は「50パーセントが右の前足を好む」ですから「50パーセントが右利きで」という訳でいいでしょう。

ここで文がいったん切れます。次の fifty per cent prefer the leftの部分は、先ほどの文と対比して「(残りの)50パーセントは左利きである」でいいですね。

次の部分の ambidextrousは「両手ききの」ですね。far more common の部分はcommonという形容詞の比較級がmore commonで、それをさらに強調する言葉がfarですね。訳は「ずっとありふれている」ですね。ここまでを通した訳は「これは人間が動物と異なっている点の1つである。

動物の場合は、50パーセントが右の前足を好み、50パーセントが左の前足を好む。そして、両手ききの行動は、人間よりもはるかに普通に見られる」ですね。

第2パラグラフ

①構造分析をしましょう。セミコロン(;)の前でいったん文がきれますね。SはBody images「(体のイメージ)」ですね。Vはareですね。amongは先ほども出てきましたが「~のなかで」ですからbe動詞の後ろで「~の中にいる、ある」と訳します。

the most powerful metaphorsは「もっとも強力な比喩」です。metaphors we haveの部分は、「metaphors」と「we」という名詞が連続しているので、その間に関係詞which(that)が省略されていると疑ってください。「私たちが持っている比喩」と訳しますね。

セミコロンの右を見ましょう。Sは “culture”ですね。culture はもちろん「文化」ですが“ ”がついているので一般的な意味での「文化」とは区別しています。Vがseizes(つかむ)ですね。

直訳は「文化が体をつかむ」ですね。何をつかむのかというとthe bodyです。「文化」という無生物なものが「つかむ」という行為をするので、「文化」に“ ”を付けて区別しているのですね。

もう少し先を見ましょう。 and uses itですから、「(文化が)それ(比喩)を使う」ですね。 to express は不定詞の副詞的用法の目的で,訳は「表現するために」ですね。

次の部分に何を表現するのかが列挙されていますね。moral ideasは「道徳概念」、social structuresは「社会構造」、prejudicesは「偏見」、preferencesは「好み」、fearsは「不安」、idealsは「理想」ですね。ここまでを通すと「からだに関するイメージは、私たちが持っている最も力強い比喩の1つである。

「文化」がからだを把握し、からだを使って、道徳概念や社会構造、偏見、好み、不安、そして理想を表現する」ですね。

②この文も前文と同様に部生物を主語にして書かれていますね。Sはthe metaphor ですね。Vはsqueezes ですね。Oはthe factsです。

直訳は「比喩は事実を絞る」ですね。squeeze A into Bで「AをふるいにかけてBにする、AからBを抽出する」です。mouldは「型」ですね。

通した訳は「しばしば、事実が比喩そのものの鋳型の中に押し込められる」でいいですね。次の部分の主語は”heart”ですね。Vがisですね。Cはits middleですね。

訳は「どんなものであれ“心臓”はその中心にある」ですね。これに譲歩の従属節が続きます。even though は「確かに~であるが」ですね。

definitelyは「全く持って」でいいでしょう。off-centerは「中心から外れて」ですね。ここまでを通すと「たとえば、私たちの心臓ははっきりと中心から外れているが、あらゆるものの“心臓”とはその真ん中にあるのである」でいいですね。

いかがですか?動物界では両手ききが普通であるので、右利きというのは人間独特のものだという論拠ですね。

ですからこの「右」「左」という概念が一般生活にどの様に影響を与えてきたのかは人間の歴史でもあるのですね。次回もその方向で新しい情報が出てきます。お楽しみに。

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2015年9月4日

第16回.医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」③

医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」③

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「脳のはたらき」です。問題文は全6パラグラフで、設問は10問あります。今回は第2パラグラフの途中からを読みすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

次の英文を読み以下の問に答えよ。

¶2 ③We have always emphasized the difference in efficiency between our two hands; we have then meditated on the weakness of the left, and (2)used it to confirm our worst suspicions.

¶3 ①In many cultures dealings with the dead are carried out with the 【 J 】 hand, since it is associated with the dark, the awkward, the polluted, the obstinately unknowable.

② 【 K 】 is commonly used to express whatever is (  B  ) the official life of the group.

【設問(続き)】

3. 下線部(2)の意味として最も適当なものを次の(イ)~(二)より1つ選び,その記号を解答欄にマークしなさい。
(イ) 左手の方が効率悪いという事実について、そうではないという我々の疑いが確かめられてきた。
(口) 左手のもつ弱さを私たちの考える悪いものに対してに当てはめてきた。
(ハ) 左手への効率の悪さに対しての疑いをはらすため他人の弱点を最大限に利用してきた。
(二) 左手に対する最も不利な容疑がすでに伝えられてしまっていた。

第2パラグラフ

③ まず、セミコロン(;)までを訳しましょう。

主語(S)はWeですね。述語動詞(V)はhave always emphasizedですね。目的語(O)はthe differenceですね。訳は「私たちはいつでも違いを強調してきた」です。

「何をどんなふうに強調してきたのか」は次に出てきますね。つまりin efficiency、つまり「効率さの点において」 、between our two handsつまり「私たちの両手に関して」ですね。

それをさらに細かくセミコロンの右で述べています。ここの部分のSは weですね。Vはhave then meditated ですね。meditateは「瞑想する、深く考える」です。

何を考えるのかはon the weakness of the leftですから「左手についての弱さ」ですね。andの右の部分は設問になっていますから前の文をしっかり引き継いで考えましょう。used it は「それを使ってきた」ここでのitはweaknessですね。

confirm は「確認する、考えを強める、確証する」ですね。our worst suspicionsは少し厄介ですね。worstはbadやillの最上級ですね。「最悪の、一番ひどい」という意味です。

susupitionは「疑い、嫌疑、不信、容疑」ですね。直訳は「一番ひどい不信」ですね。直訳は「一番ひどい容疑を確認するために」ですがもう少し前の文とのつながりを見ると「左手」は「弱い」ことにつながりそれを「使ってきた」のですから、「一番ひどい容疑」はsusupitionsと複数形になっていることからも「個々の容疑の事例」のことですね。

つまり「“左手”=“悪いこと”なのではないか、という我々のひどい仮説」がour worst suspicionsの意味ですね。ここで設問3を解きましょう。

(イ)は「左手の方が効率悪いという事実について」の時点で「事実」がおかしいですね。仮にここを流しても次の「そうではないという我々の疑い」は本文とは逆のことを言っていますね。正解にはなりませんね。

(ハ)は「左手への効率の悪さに対して」はいいですが「疑いをはらすため他人の弱点を最大限に利用してきた」の部分が不明瞭ですね。

(二) は「左手に対する最も不利な容疑」はあいまいですがよしとしても「すでに伝えられてしまっていた」が不明瞭ですね。ですから答えは(口)でいいですね。

第3パラグラフ

①ここでは空所Jがあるのですが、この部分の前後をしっかり見ましょう。まずSはdealings with the deadですね。deal with~は「~を扱う」です。

主語ですから「~を扱うこと」ですね。the deadは「the+形容詞」=「~の人(々)」というルールを思い出してください。つまり「死者を扱うこと」でいいですね。

Vは受け身でare carried outです。carry outは「実行する」ですね。with the J handは「J手を使って」でいいですね。, since it is associated~の部分ですが、まずsinceは「~という理由で、~以来」ですがここでは「理由」でいいですね。

「associate A with B」は熟語で押さえましょう。「BでAを連想する」ですね。受け身の形は「A is associated with B」ですね。

ここではAがitでBがthe dark(暗闇), the awkward(不格好), the polluted(汚染された人・もの), the obstinately unknowable(さっぱりわからないもの)ですね。ここまででJには「左」が入りますね。

通した訳は「左手は、闇と不器用、不浄、そして頑迷な無理解と結びついているからだ」となります。

いかがですか?「左」という概念は「悪いもの」という認識の世界観は昔からあるということですね。現代はどうでしょうか。次回出てきます。お楽しみに。

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2015年9月11日

第17回.医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」④

医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」④

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「脳のはたらき」です。問題文は全6パラグラフで、設問は10問あります。今回は第2パラグラフの途中からを読みすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

次の英文を読み以下の問に答えよ。

¶3 ②【 K 】 is commonly used to express whatever is (  B  ) the official life of the group.

¶4 ① 【 L 】 -handed people have always been pressured by the majority to conform.

②Even when not forced by anxious parents and misguided educators to use the less capable hand, they have had for example to shake hands with the right because(3)other people do it, or to use tools constructed for【 M 】 -handers.

【設問】

4. 文中の空所(B)に入れるのに最も適当な1語を次の(イ)~(ニ)から1つ選びその記号を解答欄にマークしなさい
(イ) inside (口) outside (ハ) among (二) below
5.下線部(3)の” do it “を、次のように文中の英語5語で言い換えなさい。
_____ _____ _____ _____ _____ other people.
6. 【J】 から 【M】 に入る組み合わせで正しいものを選べ※
(イ)right - Rightness - Left - right
(ロ)right - Leftness - Left - right
(ハ)left - Leftness - Left - right
(ニ)left - Rightness - Left - right

※【J】は前回の文章を参照

(参考)In many cultures dealings with the dead are carried out with the 【 J 】 hand,since it is associated with the dark, the awkward, the polluted, the obstinately unknowable.

今回は本文のこの部分から3題解けますので、しっかり読んでいきましょう。

第3パラグラフ

③commonlyは「ふつうは、一般的には」ですからSVは「K手は一般に使われる」ですね。何に使われるのかというとwhatever is (  B  ) the official life of the groupの部分で説明されます。

ここで設問4と6を解きながら読んでいきましょう。まず、設問6を考えましょう。このパラグラフは①で「左」についての記述がありました。主語はもちろん「左」です。

これを受けるのですから、そのままの流れで②も「左」が主語になるのが一般的ですね。Jには「左」が入るのは前回検討しましたから、ここで設問6は(ハ)が正解であることが分かりますね。これを受けて設問4の選択肢を見ましょう。

(イ) insideと(口) outsideは対比ですね。(ハ) amongと(二) belowは方向を示しますね。(B)の後ろにあるthe official life of the groupのうちのofficialに注目です。officialは「公式の」という意味ですから「左」とはそぐわない言葉ですね。よって、ここでは(口) outside「~の外側で」を選びましょう。

設問4は(ロ)が正解です。whatever is A の訳は「Aであるすべてのもの」です。expressの目的語になっているので名詞節を作っていますね。

その場合は「たとえ何であろうが」という譲歩を表す副詞節の訳にしないように気を付けてくださいね。

名詞節では「~するものはすべて」と訳します。通した訳は「左は普通、その集団の正式な生活の外にあるすべてのものを表すために使われる」ですね。

第4パラグラフ

① Lには、設問6でleftが入るとわかっているので、そのまま読んでいきましょう。問題なく読めると思います。注意する単語は訳はconformですね。

第2パラグラフの下線部(2)で出てきたconfirmと混同しないように。「順応する」という意味です。pressureは「~に圧力をかける」ですね。

通した訳は「左ききの人は常に、多数派の人に順応するよう、圧力をかけられてきた」ですね。

②カンマの左までを読みましょう。Even when~は「たとえ~のときでさえ」ですね。 not forced by~は「~に強制されなくても」です。

副詞節の中ですから主語(ここではthey:左利きの人)とbe動詞(ここではare)が省略されていますね。誰に強制されるのかは anxious parentsとmisguided educatorsです。anxiousは「心配性の」です。

misguidedは「間違っている」ですね。どのように強制されるのかはto use the less capable handの部分ですね。less capable handは「うまく使えない方の手」でいいですね。

通した訳は「心配性の親や、心得違いの教師によって、うまくつかえない方の手を使うことを強制されないときでさえも」ですね。主節を見ましょう。

副詞の働きをする「前置詞+名詞」をカッコに入れましょう。ここではfor exampleです。すると they have had to shake hands with the rightとなりますね。

訳は「彼らは右手で握手しなければならなかった」ですね。その理由は because以下のother people do itの部分ですね。訳は「他の人がするからという理由で」ですね。何をするのかはもちろん「右手で握手」ですね。ここで, 設問5です。

設問5.下線部(3)の” do it “を、次のように文中の英語5語で言い換えなさい。other people .

ここには前の文からshake hands with the rightをそのまま書けば正解になりますね。

そしてそのあとのカンマの部分はhave had to shake hands ,or to use tools ~と前の部分とto不定詞以下が並列になっていりることに気が付きましたか。

tools constructed for M -handersの部分はM にはrightが入りますから「右利きの人様に作られた道具」でいいですね。

ここまでを通した訳は「他の人がそうするからという理由で、たとえば右手で握手してこなければならなかったし、また、右ききの人用に作られた道具を使ってこなければならなかった」ですね。

左手はどうしても副次的なものとして扱われてきた歴史を持ってきたようですが、果たして現代ではどうでしょう?次のパラグラフから言及されてきます。お楽しみに。

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2015年9月18日

第18回.医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」⑤

医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」⑤

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「脳のはたらき」です。問題文は全6パラグラフで、設問は10問あります。今回は第5パラグラフからを読みすすめます。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

¶5 ①Modern science has shown us that the right hand has usually been governed by the left side of the brain all along and vice versa.

②Speech ,even in most left-handers, is a function mainly for the left brain.

③The right half of the brain has become the subject recently of much attention and speculation: it is as large, as complex, as the left half, but (4) we are far less certain what it does, apart from its evident governance over perceptions of space, including the ability to recognize faces.

設問7

下線部(4)の意味として最も適当なものを次の(イ)~(二)より1つ選び,その記号を解答欄にマークしなさい。
(イ)右脳が顔の認識能力を持つことを確信してる度合いが少ない。
(ロ)右脳の機能は、左脳の機能に比べるとはるかに定かではない。
(ハ)左脳の働きが右脳と同じであることを確信する度合いが少ない
(ニ)左脳の機能は、右脳の機能に比べるとはるかに定かではない。

第5パラグラフ

① この文の主語(S)はModern scienceです。述語動詞(V)はhas shownです。 目的語(O)は2つでus とthat以下ですね。

has shownは現在完了形で「見せてきた」ですが、主語が「現代科学」ですから、訳すときは主語の部分を副詞的に訳して「現代科学によって~が明らかになってきた」と訳すとうまくいきます。

明らかになってきた内容では、この部分のSがthe right hand でVがhas been governed ですから「右手は支配されている」ことですね。

by the left side of the brain all along all alongは「初めからずっと、終始」という意味ですから、ここの直訳は「脳の左側によってずっと・・・」という意味ですね。

vice versaは「逆もまた同様に」という意味ですから、通した訳は「現代科学によって、右手はふつう、脳の左側にずっと制御されてきており、逆もまた同様であることが明らかになってきた」ですね。

② この文もカンマが2つあるのでそこをカッコに入れてSとVをつかみましょう。SはSpeechでVはis ですね。

補語(C)はa functionです。Speechは「演説、言葉、話法、談話、言語能力、音声」など様々な意味がありますがここでは「言語(を使う能力)」のことですね。functionは動詞と名詞があります。

名詞は「機能」で動詞は「機能する」です。カンマに囲まれた,even in most left-handers,の部分は挿入的に訳してください直訳は「ほとんどの左利きに人のなかにおいてさえ」ですね。left-handersは「左利きの人」ですね。

この部分を通した訳は「言語能力は、左ききの人間の大多数にとっても、主として左脳の行う機能である」ですね。

③ この文は長いのでコロン(:)で切りましょう。S はThe right half of the brainでVは has become ですね。Cはthe subject of much attention and speculationの部分ですね。

subject は多義語で「話題、課題、対象、目的、被験者」などの意味を持ちます、医学部入試では「被験者」は必ず押さえてください。attentionは「注意、注目、関心」ですね。speculationは「思索」です。

この部分を通した訳は「脳の右半分は、近年になって、多くの関心と思索の対象となった」ですね。

右脳がどの程度関心を持たれて研究されているのかがコロンの右側です。: it is as large, as complex, as the left half,の部分は、まずitが「右脳」をさしますね。

次に比較が出てきますが、2つの形容詞 large(大きい)とcomplex(複雑である)をワンセットで捕えます。

そうするとas~ as the left halfの部分は「左脳と同じくらい大きく、複雑だ」となりますね。次のbut以下は、まず下線部(4)を飛ばして読んでみましょう。

apart from~は「~を別として、~を除いて」ですね。its evident governanceは「その(右脳の)明らかな支配」ですね。over perceptions of spaceのoverは「支配のover」と言われるもので「~に対する(支配)」という意味です。

perceptionsは「認識」でspaceは「空間」ですからperceptions of spaceは「空間認識」ですね。

including the ability to recognize facesの部分は分詞構文ですね。includingの部分はここでは「~をしながら」ではなく「~を含んでいる」の訳がいいですね。含んでいる内容はthe ability to recognize facesです。ここでのto recognizeは不定詞の形容詞用法です。

ability to~は「~の(ための)能力」ですね。この部分の訳は「顔を認識する能力を含む」ですね。下線部(4)の部分はSはweでVは areですね。

Cがcertain です。このcertainですが、Cになるときは「確実である」という訳になりますね。これにlessがついています。これは劣勢比較級といって「より~ではない」という意味になります。

この比較級を強めるfarがありますから「全く確実ではない」という意味になりますね。何に関して「確実でないのか」というとwhat it doesでitは「右脳」ですから,「右脳のすること」つまり「右脳の働き」ですね。

ここまでを通すと「脳の右半分は左半分と同じ大きさと複雑さを有するが、顔の認識能力を含む空間認知を制御していることが明らかなのを別にすると、右脳の機能は、左脳に比べるとはるかに定かではない」ですね。ここで設問7を解きましょう。

流れを追って訳していけば正解は(ロ)右脳の機能は、左脳の機能に比べるとはるかに定かではない。が正解ですね。

いよいよ、「利き手の話」から「脳の働きの話」へとつながりましたね。次回は最終パラグラフを読んで残った問題を解いていきましょう。お楽しみに。

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2015年9月25日

第19回.医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」⑥

医学部入試問題・英語「長文読解Ⅱ」⑥

このタームでは英語問題の解説と攻略をしていきます。今回のテーマは「脳のはたらき」です。問題文は全6パラグラフで、設問は10問あります。今回は第6パラグラフから最後まで読んでいきましょう。

*解説の都合上パラグラフ記号(¶)や行番号を入れています。

¶6 Left-and right-handedness have acquired a powerful new fascination: they are now recognized as clues , (5)the full significance of which remains mysterious, to the workings of the human brain.

8.下線部(5)を次のような英文に書き直すとき、()に入る適当な1語を次の(イ)~(ニ)から1つ選びその記号を解答欄にマークしなさい。
they are now recognized as clues, ( ) full significance remains mysterious,
(イ) how (口) its (ハ) what (二) whose
9.次の(イ)~(ヌ)の中で本文で述べられていることと一致しないものを3つ選びその記号を解答欄にマークしなさい。
(イ) 人間の身体は見かけほど左右対称ではない。
(口) 人間はおよそ90%が右利きである。
(ハ) 動物の場合は両手利きが普通である。
(二) 左手で死者を運び出す文化圏は多い。
(ホ) 左利きの人は多数の右利きの人に順応させられる。
(ヘ) 左利きの人のための道具も多く作られている。
(ト) 左手はたいてい右脳に支配されていることが判明した。
(チ) 言語は主として右脳の機能である。
(リ) なぜ人の顔を認識できるかは不明である。
(ヌ) 最近、左利きの重要性が認識されてきた。
10. 本文のタイトルとしてもっとも適切なものを一つえらびなさい
(イ) 左利きの利点と相互作用について
(口)人の利き手と脳の関係について
(ハ)右脳は無限の可能性をもっている
(二) 動物の利き手と人間の脳の相互作用について
(ホ)人間の脳とその展望について

第6パラグラフ

主語(S)はLeft-and right-handednessで述語動詞(V)はhave acquiredです。

目的語(O)は a powerful new fascinationですね。fascinationは「魅力・魅了すること」です。直訳は「左ききも右ききも、強力な新しい魅力を得た」ですね。

これは、これまで検討してきたように「利き手」の検討から「脳の働きへ」との関係がわかり、そしてそこから「脳の働き自体」に私たちは関心を持つようになってきた、ということですね。コロン(:)の右側でそれがまとめられています。

Sは they(Left-and right-handedness)です。Vはare recognized です。cluesは「手がかり」です。

次の部分のカンマは2か所あるのでカッコにいれて飛ばし読みします。するとcluesはto the workingsにつながり「~への手がかり」という形になりますね。

the workings は「作用」ですね。

カッコにいれた部分the full significance of which remains mysteriousは、まず動詞に注目します。remains(~のままである)が見つかりましたか?この単語の左が主語ですね。remains mysterious は「なぞのままである」でいいですね。

the significance of ~は「~の重要さ、~の重要な部分」です、これにfullがついているので「~のとても重要な部分」ですね。関係詞whichの先行詞はLeft-and right-handednessですね。

つまり「右利きや左利きということは、新しく強力に私たちをひきつけるものがある。それらはその重要な部分はまだなぞのままだが、人がんの脳の作用に対しての手がかりになると考えられている」ですね。

では問題を解きましょう。

8.は関係詞の書き換え問題ですね。これは関係代名詞whichの活用を知っていれば楽勝です。

which – whose –whichと覚えている人は、あと少し。

所有格は「whose」ではなく「whose~ = the ~of which」と正確に2つ覚えましょう。

ここでは本文がthe full significance of whichですからwhose full significanceとイコールになりますね。正解は (二) whoseです。

9.第1パラグラフから、本文と合致するものは(イ)「 人間の身体は見かけほど左右対称ではない」と(口)「 人間はおよそ90%が右利きである(ハ)「動物の場合は両手利きが普通である」ですね。

第2パラグラフには(二)「左手で死者を運び出す文化圏は多い」の記述がありましたね。

第3パラグラフから(ホ)「左利きの人は多数の右利きの人に順応させられる」は書いてありますが(ヘ)「 左利きの人のための道具も多く作られている」はその逆でしたね。

第5パラグラフから(ト)「左手はたいてい右脳に支配されていることが判明した」は書いてあり、(チ)「 言語は主として右脳の機能である」はその逆であることがわかります。

(リ)「なぜ人の顔を認識できるかは不明である」は間違いで「右脳」の働きでしたね。第6パラグラフから(ヌ)「最近、左利きの重要性が認識されてきた」は記述がありますね。よって答えは(ヘ)、(チ)、(リ)ですね。

10の「本文のタイトル」の選択は「全体を通して書いているもの」を選らばなければなりません。

よって、「右手」、「左利き」、「右脳」のような、その一部分にしか言及していないものは省きます。(イ)「左利きの利点と相互作用について」は「左利き」がダメ。

(ハ)「右脳は無限の可能性をもっている」は「右脳」がダメ。

(二)「動物の利き手と人間の脳の相互作用について」は本文に記述なし。

(ホ)「人間の脳とその展望について」は「利き手」との関係が欠落しています。よって(口)「人の利き手と脳の関係について」が正解ですね。

いかがでしょう。私たちの体にはまだまだ解明されていない部分があり、どこまでも謎があるからその潜在能力にも期待できるのですね。次回からまた別の問題を解いていきましょう。お楽しみに。

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2015年10月02日
プロフィール
峰岸敏之

峰岸 敏之

1964年生まれ。早稲田大学大学院・法学研究科前期課程修了、法学修士。大手新聞社で新聞記者を経験後、講師業に転向。

河合塾や城南予備校、栄光ゼミナールなどの大手予備校や医学部予備校などで、大学受験ブロック長や英語科責任者などを務める。指導教科は英語と小論文。

2013年春に横浜に医学部予備校を開校し、「30年以上続く予備校を作り、医学部への合格者を1000人を出す」が目標。

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