医学部合格への道
医学部予備校選びのポイント(医学部合格への道/第21回)

受験生にいち早くなるための正しい医学部予備校選び

『医学部合格への道』第21章.受験生と高校生の違いとは?正しい医学部予備校を選び、本物の受験生になっていく

医学部予備校選びに失敗するといつまでも高校生のままで受験生の仲間入りができません。

医学部予備校選びは医学部受験を左右する

これは医学部受験の世界では通説ですが、どのように選んだら良いのか分からないという人も多いと思います。第21回は医学部予備校選びのポイントについて、医学部受験の神様、和田秀樹先生お話いただきました。

第21章.受験生と高校生の違いとは?

さて、前回、本年度の受験の終わったこの時期こそ、受験生になるべきだと主張したが、私の見るところ、本当の意味での「受験生」になれる人は少ない

今は、医学部予備校なども現役生コースを作るのが盛んなので、そういうところに入るとか、学校の進路指導の雰囲気が変わるとかで、「受験モード」に入る高校3年生は少なくはない。医学部受験生などはとくにそうだろう。

しかしながら、私に言わせたら、それで「受験生」になれるわけではない。

私のいう受験生とは、受験に特化した勉強を行う高校3年生
(もっと早くからそうしている人もいるかもしれない)、浪人生、あるいは社会人のことである。

今は大手予備校が、医学部特進コースのようなものを作って、高校3年生から通うことも珍しくない。確かに医学部受験に特化した内容になっている。しかし、私に言わせたら、それでも「受験勉強」とは違うのだ。

以前に過去問の使い方を話したことがあるが、医学部受験の最大の特徴は志望校によって、出題傾向が非常に違うということだ。

易しい問題で高得点勝負の学校もあるし、二次試験には相当な難問を出す学校もある。

生物などでは高校範囲を逸脱した人体の問題を出す学校もあるし、英語で医学用語が頻出する学校もある。私立の場合は、受験科目や配点は相当にまちまちだ。

要するに、志望校に特化した対策を立てている受験生は相当に有利だし、そうでなければ、学校や予備校で、かなりの優等生でも落ちることが珍しくないのが医学部受験だ。

なぜ、予備校の医学部コースが厳密な意味で、受験勉強と言えないかというと、全員に同じことをやらせるからだ。受けたい学校に応じて、違う勉強をさせるというのが受験勉強の本質なのだ。

たまに小規模で値段の高い医学部予備校に学校別の対策を謳うところもある。これのほうが受験勉強に近いが、もう一つの問題がある。

受験生によって、高校3年生になっても、基礎学力に穴があるとか、逆に得意科目はきちんと仕上がっていることもある。

要するにスタートレベルが違うから、同じ内容を教えるより、個人に合わせた勉強メニューが必要なのだ

私が主宰する通信教育(緑鐡受験指導ゼミナール)は、スタートレベル判定テストで、個人のスタートラインを把握し、志望校を明記させることで、志望校合格に必要な学力を測る。

スタートラインとその学力のギャップを埋めるのが受験勉強なので、そのために一人一人違った宿題が出る。

少なくとも、受験勉強とは、自分の今の学力と志望校合格に必要な学力のギャップを埋めるものと認識して、一人一人違うものなのだということは理解してほしい。

プロフィール
和田秀樹

和田秀樹

1960年生まれ。東京大学医学部卒業後、現在国際医療福祉大学院教授を含め川崎幸病院精神科顧問や一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長など幅広く活躍中。

書籍では「受験は要領」がベストセラーとなり、医学部合格セミナーを全国で展開し「和田メソッド」を提唱、医学部受験の神様と呼ばれている。また、自身では和田塾緑鐡舎塾長も務め毎年無名校から多くの合格者を輩出している。

目次(※随時更新中)
  1. 第1章.過去問を有効に活用する
  2. 第2章.過去問を使って、どの科目に重点をおくかを考える
  3. 第3章.過去問を使って、その学校に的を絞った対策を行う
  4. 第4章.過去問を使って、志望校を決める
  5. 第5章.医学部受験の共通学力とは
  6. 第6章.医学部受験のための絶対基礎学力とは
  7. 第7章.絶対基礎学力としての読解力
  8. 第8章.意外にわからない絶対基礎学力の不足
  9. 第9章.受験直前に伸びる受験学力
  10. 第10章.本番戦術が合否を決める
  11. 第11章.信じるものが救われる本番に向かう精神力
  12. 第12章.意外に難しいケアレスミス対策
  13. 第13章.ミスらん力で合格を勝ち取る
  14. 第14章.センター本番で最善の力を出すには
  15. 第15章.センター本番で最善の力を出すには(その2)
  16. 第16章.センター試験が終わった時点で、本格的な受験生になる
  17. 第17章.個別性に注目して、最後の逆転にかける
  18. 第18章.過去問の最終利用法(※編集中)
  19. 第19章.受験当日の生活術
  20. 第20章.受験のスタート術
  21. 第21章.受験生と高校生の違いとは?
  22. 第22章.記憶力をどう高めるか?(※編集中)
  23. 第23章.ベストの睡眠時間は?
  24. 第24章.食事の意味
  25. 第25章.時間の家計簿をつける
  26. 第26章.休息の意味
  27. 第27章.和田式受験勉強法とは
  28. 第28章.まず志望校を選ぶ
  29. 第29章.志望校の選び方
  30. 第30章.私立専願という選択肢
  31. 第31章.スタートレベルを知る
  32. 第32章.現実的な受験計画を立てる
  33. 第33章.受験計画が具体的なものにならない人のために
  34. 第34章.一日、一週間、一カ月の計画をどう立てるか?
  35. 第35章.受験勉強の暗記と思考のバランス
  36. 第36章.和田式暗記数学とは
  37. 第37章.和田式暗記数学とは(その2)
  38. 第38章.和田式医学部受験英語攻略法
  39. 第39章.医学部受験対策にこそ和田式受験英語勉強法
  40. 第40章.医学部受験と英作文
  41. 第41章.自由英作文という難敵
  42. 第42章.医学部国語対策の基本戦術
  43. 第43章.医学部理科対策の基本戦術
  44. 第44章.過去問から逆算する医学部理科対策
  45. 第45章.単科の医学部は、とくに過去問対策が重要
  46. 第46章.単科の医学部の生物対策
  47. 第47章.医学部入試面接は落とすためのもの
  48. 第48章.どんな受験生が面接で落とされるのか?
  49. 第49章.医学への興味や関心を示す
  50. 第50章.医学小論文対策の基本
  51. 第51章.小論文そのものの対策の基本
  52. 第52章.小論文の最大のトレーニングは添削
  53. 第53章.模試をどう利用するか
  54. 第54章.模試によって次回以降の戦術を立てる
  55. 第55章.模試の成績を気にしすぎない
  56. 第56章.最高の模試は、自分の志望校の入試問題だ
  57. 第57章.あと何点取れれば受かるという発想をもつ
  58. 第58章.改めて志望校を決める
  59. 第59章.主要科目の見切り時
  60. 第60章.浪人のための得点術
  61. 第61章.朝の5分の計算の意味
  62. 第62章.直前期に脳の働きを高める
  63. 第63章.直前期に思い切り勉強する
  64. 第64章.直前期の生活術
  65. 第65章.直前期の休み方
  66. 第66章.センター直前はシミュレーションが明暗をきめる
  67. 第67章.ミスの事前対策を行う
  68. 第68章.これからが本格的な受験生になる
  69. 第69章.高2生もこれからが本格的な受験生になる
  70. 第70章.受験直前でもまだ伸びる
  71. 第71章.受験本番に強くなる法(その1)
  72. 第72章.受験本番に強くなる法(その2)
  73. 第73章.受験本番が終わったら
  74. 第74章.受験がうまくいかなかったら
  75. 第75章.2020年入試改革の傾向と対策(その1)
  76. 第76章.2020年入試改革の傾向と対策(その2)
  77. 第77章.2020年入試改革の傾向と対策(その3)
  78. 第78章.2020年入試改革の傾向と対策(その4)